おいもさんがね・・

おいもさんがね・・ 表紙

大人気の「おいしいともだち」シリーズです!今回はさつまいもが土の中から出てきて…!?可愛いさつまいもたちの、誕生から大変身への楽しいお話です。

☆3つのおすすめポイント

  1. 一生懸命、自ら芋掘りをするおいもさんたち。土から出てくる生命力あふれる姿に、応援したくなります。
  2. キレイでハッキリとした色使いに、おいもさんたちの可愛い表情が印象的です。
  3. 子どもたちに人気の「おいしいともだち」シリーズ。我が子も大好きです。身近なものが優しいお話になっていて、小さいお子さんから親しめる内容となっています。

☆あらすじ

さつまいもが、土の中から出てきました。先に出てきたさつまいもが、次のさつまいもを一生懸命引っ張って出してくれています。

つぎつぎと土から誕生していき、いよいよ最後の1個です。

一生懸命ひっぱっていると…、

勢い余ってすっぽ〜ん!と抜けてしまいました!みんな宙に浮いています!

その勢いのまま、さつまいもはごろごろ… と転がり…

水の中にポッチャーン!と落ちてしまいました。

冷たい水の中。

おいもさんたちは、ぶるぶる震えています。

落ち葉でくるまれても、まだぶるぶる寒そうです。どうする…?と心配していると…

「しんぱいごむよう!」と、ぽっと炎が現れました。

炎が落ち葉に、ぽっ ぽっと火をつけていきます。

するとだんだん、ぬくぬくぬく…

あたたかくなってきました。

落ち葉のあたたかいお布団にくるまれたおいもさんたち。

そのうちに、美味しい焼き芋に大変身!しました。

ほかほかで、美味しそう!めしあがれ。

☆際立った特徴

さつまいもが主役のお話です。

背景はすべて白、ピンクに近い紫色の顔と手足がついたさつまいもが、一生懸命土から生まれていきます。

綱引きのようなおいもさんたちのお芋掘り。

すっぽーん!と抜けて、ころころ転がって… どうなっていくか心配なような、楽しみなような、続きが気になる展開です。

おいもたちの表情や仕草が可愛いので、ほかほか美味しそうなおいもを食べるのを少し戸惑ってしまいそうですが、食欲には勝てません。ほかほか美味しそうに描かれています。

ペンやクレヨンを使って描かれているようで、ハッキリと、けれど素朴な温かみのある画風です。絵本は24ページで、18.7㎝×21.0㎝の大きさとなっていて、お子さんが読みやすく、持ち運びやすいです。

☆書店員の感想

●一生懸命、自ら芋掘りをするおいもさんたち。土から出てくる生命力あふれる姿に、応援したくなります。

表紙の2つのおいもさん。にこっとした表情で、立派な体のさつまいもです。さつまいもカラーの姿に、黄色の背景、ほっこり二人で座っている姿に癒やされます。

表紙をめくると、土の中から一生懸命出てこようとしているおいもさんが描かれています。

頭に葉っぱがついて、さつまいもの列の先頭です。

葉っぱの緑色と、おいもの紫色の対比がハッキリしていて、秋の味覚のさつまいもの美味しさが思い出されます。

先頭のおいもが土から全身出たら、次のおいもを一生懸命ひっぱり、出してあげようと手助けしています。まだ眠そうな表情をしていますが、頭がすこし出てきました。

掘り起こしたおいもは、みんなで次のおいもを引き抜く手伝いをしてくれるので、どんどん仲間が増えていきます。

5個目が一番大きくて手強いようです。

「おきろよ、おきろ よいしょ よいしょ よいしょ… よいしょっと!」

ようやく抜けたかと思いきや、ぴーんと張っていたおいものつるが切れてしまい、みんなバラバラに、そしてゴロゴロ転がってしまいました。

水に入り、冷たいけれど体をキレイにして、落ち葉の中で温まっていると、炎の救世主が来てくれて、落ち葉に火をつけてくれました。

しばらくすると、さっきのおいもさんたちは、美味しい焼き芋に大変身!秋の味覚の代表ですね。私も子どもたちも大好きです。

秋の味覚、さつまいもが、人間のように協力して仲間を引っ張っていく姿に感銘を受けました。

また、つるがちぎれてゴロゴロ転がっても、冷たい水の中に落ちても、みんないっしょです。仲良しな姿がステキだなと感じました。

土から出てくる時期を見計らって、ちょうど美味しい頃合いにでてきたおいもさんたち。カバーの表紙の裏の部分には、まだみんな土の中にいる絵が描かれています。1番めのおいもが、そろそろかな、とあくびをしています。ほかの野菜たちも、そろそろ食べごろだよと感じ取っているのでしょうか。

ちょっと、子どもが出産で出てくる時期を自分で感じ取って出てこようとする姿をふと思い出し、可愛らしく思いました。

●キレイでハッキリとした色使いに、おいもさんたちの可愛い表情が印象的です。

おいもは、おいもらしい紫色をしています。少し濃いピンクがかっているような紫色です。

一生懸命仲間をほっているおいも、まだ眠そうに土から顔を出すおいも、なかなか抜けないおいもを汗を出しながら引っ張っているおいもたち。バラバラになって、転がって、冷たい…寒いよう… いろんな表情をするおいもたち。おいもなのに、だんだん人間のような、生き物の仲間に見えてくるほどの表情の豊かさといろんな場面の仕草に、おいもたちへの親近感がだんだん湧いてきます。

温かい落ち葉のお布団に入って、炎のようすを見ている表情も、安心感が感じられて、小さな子どもたちがお布団に入って、ホッと安心して休んでいるようなそんなほのぼのとしたようすにも感じられました。

落ち葉1枚1枚、黄色や黄土色が混ぜて塗られていて、落ち葉のカサカサ・ふんわり・冷たい風に今でも飛んでいきそうな質感を感じます。炎のおかげでじわじわあたたまる落ち葉のようすも、ぼーっと燃えているのではなく、赤や黄色、ピンクの湯気や、落ち葉の上部の色が濃くなっているようすから、じんわりと温まっている雰囲気が伝わってきます。

裏表紙には、炎くんが大きくなってきたので、消そうと集まってきてくれた水たちも描かれています。焼き芋のあとの消火も、これでバッチリですね。とっても頼もしい登場人物たちです。

●子どもたちに人気の「おいしいともだち」シリーズ。我が子も大好きです。身近なものが優しいお話になっていて、小さいお子さんから親しめる内容となっています。

次男も、このおいもさんがね…の絵本が大好きで、やはり「すっぽ〜ん」と抜けるところ、「ごろ ごろ ごろ …」と転がるところ、「ぽっちゃ〜ん」と落ちてしまうところ、そして決まりゼリフ「しんぱいごむよう!」が大好きで、何度も声に出して読んで、ニコニコ楽しそうにしています。

子どもも言いやすい身近な言葉と、繰り返しの言葉、分かりやすい場面が、次男にとって面白さがダイレクトに伝わってくる理由となったようです。そしてかわいい、人間味のあるようなおいもたちが、とってもおいしい焼き芋になるところも、最後に「いただきま〜す」と言ってパクっと食べる真似をすることもあり、シンプルな内容だからこそ、その子その子の楽しみ方が広がるように思いました。

自分の小さい頃は、よくストーブの上にアルミホイルで巻いたさつまいもをのせ、いい匂いがしてきたら熱々のおいもを取り出して食べていました。それが寒い日の楽しみで、どんな大きさ・形のものも美味しく食べていました。

うん十年で時代は目まぐるしく変わり、暖房器具も変化しましたので、小さいお子さんがいる家庭ではあまりそういったストーブはないのかもしれませんね。我が子たちも主人の実家に行ったときに見るくらいでしょうか。

長男が保育園のとき、卒園遠足でお芋掘りに行きました。長男のときは主人も私も忙しくしていたので、最後の遠足こそは…、ということで、主人が手伝いに行ってくれました。

広いお芋畑でみんな一生懸命お芋掘りをして、長男はお父さんがいるのでさらに楽しく、いい思い出になったようです。長男とお父さんの分、ということでたくさんのおいもを持って帰ってきてくれて、早速その日の夕飯はてんぷらに。長男は自分が掘ったおいもということもあってか、たくさん食べていました。

お芋掘りも、みんなそれぞれ思い出があるかもしれませんね。

可愛くておいしいおいもさんたち。おいもさんのいろんな表情と優しい甘い味に癒やされる1冊に感じました。

おいもさんがね・・ 裏表紙

にむさん
  • にむさん
  • 現在8歳と3歳の男児の育児に奮闘中です。
    兄が弟に絵本の読み聞かせをしてくれることもあり、そこから学ぶことも多い日々です。
    短大で介護の勉強をし、介護福祉士を持っています。