かがみのえほん ふしぎなにじ
子どもも大人も鏡の魅力に引き込まれます!目の前に広がる不思議な立体空間をたっぷり味わう事の出来ます。新感覚絵本を探している方にピッタリ!
☆3つのおすすめポイント
- 5色の色で描かれた虹と、丸い鏡。これが一体どうなるのかな?反対のページが鏡のような紙になっています。絵が互いに写りあって、一つの絵に変化していきます。
- 絵のはずなのに、立体的に変化して見えます。奥行きを感じたり、小さな球体から虹が弾けて飛び出たような迫力があったり、ひらひらと虹のラインが動いて見えたり・・・。目の前に広がる不思議な空間をたっぷり味わう事の出来る、まさに新感覚絵本!
- 大人も子どもも、鏡の魅力に引き込まれるような面白さがある絵本です。
☆際立った特徴
鏡のような紙のページと黒い紙に虹が描かれたページが向かい合って構成されています。
90度で向き合う所まで貢を開くと、左のページと右のページの模様が互いに写りあい、一つの絵になります。
見開きのページなのに、奥行きを感じたり、虹が交わったり重なって見えたり、立体的な空間を味わう事が出来ます。ゆっくり開閉することで虹が動いているようにも見える、まるで絵本に魔法がかかったような錯覚を楽しむ事も出来ます。
一人で見ても楽しいのですが、開き方にコツがいるので、幼い子には保護者が開いてコツをみせてあげると、より本書の特徴を生かした見え方を楽しめます。
☆あらすじ
丸い鏡が1つ。半円の虹が1つ。それぞれ少し離れた場所に・・・
真っすぐに横になった虹。鏡を当てると・・・虹が鏡の中に真っすぐな線になって通り抜けたよ。
今度は縦に描かれた半円の虹。半円の端にそれぞれ鏡を当てると・・・半円が丸く繋がって円になったよ。
半円の虹とその半分の虹。3枚の鏡をそれぞれの端に当てると・・・なんと鏡が梅の模様みたい。虹もどんどんふえていくよ。
おやおや、鏡が泡ぶくみたいになって大きくなっていくよ。色んな長さの虹がその中に6個。鏡を当ててみると、なんと虹が鎖のような形に繋がっていくよ。
今度は大きな大きな虹が2つ。鏡を当てると、2本の虹が上下で向かい合うように重なって広がった!
5色の虹が1色ずつバラバラのラインに広がって、ひらひらひらーと流れる川のように広がって、それが今度は一か所に集まって、まとまって・・・
それからクルクルと小さく1つの球体のようにまるまって・・・。
さあ、次はどうなるかな?ゆっくりそーっと、開きながら覗いてみよう。
ゆっくり、ゆっくり、そーっと・・・。
☆書店員の感想
5色の色で描かれた虹と、丸い鏡。これが一体どうなるのかな?反対のページが鏡のような紙になっています。絵が互いに写りあって、一つの絵に変化していきます。
貢をめくっただけでは、まったく変哲もない虹と鏡です。この絵がどんな風に変化するのか、ワクワクドキドキしながら想像してみましょう。そして調度いい具合に開き方を工夫してみると・・・なんと鏡の中に虹が通ったような立体的な絵になります。丸みのある虹がいくつも描かれているページは、どうでしょうか?想像出来ますか?きっと想像以上の変化を楽しめと思います。
鏡って不思議です。鏡が増えれば増えるほど、鏡の中に他の鏡が写りこんで、もっともっと深く、もっともっと広く、感じることさえ出来ます。
絵のはずなのに、立体的に変化して見えます。奥行きを感じたり、小さな球体から虹が弾けて飛び出たような迫力があったり、ひらひらと虹のラインが動いて見えたり・・・。目の前に広がる不思議な空間をたっぷり味わう事の出来る、まさに新感覚絵本!
本書の後半では、5色の虹が1本1本バラバラのラインに散らばっていきます。すると、今まで5色で1本の虹としての変化を楽しんでいた所から、更に動きのバリエーションが増えていきます。細いラインになった虹は、貢をゆっくりと開け閉めしているだけで、まるでラインが動いているようにも錯覚します。放射線状に広がったり右から左に川のように流れたり、様々な動きを味わった後、今度はそのラインたちが一か所に集まってきました。
ラインが1つに集まって、静かに美しく小さく小さくまとまっていきます。
野球のボール程だった虹の集合体が、500円玉くらいまで小さくなります。
さあ、今度はこの集合体がどう変化するのでしょうか?想像を膨らませてみましょう!
大人も子どもも、鏡の魅力に引き込まれるような面白さがある絵本です。
小さな集合体が、ついに変化します。「そーっと、ゆっくり、次のページを開きながら覗きましょう!」とアナウンスがあります。そーっとする理由がありますよ!
そーっと開くと、なんと目の前に打ち上げ花火のように絵が広がります。四方八方に放射線状に、5色の色が広がります。私はこのページを見た時に、単純に「すごーい!!キレイだなー」と口に出して言ってしまいました。そして、何度もページを開け閉めして動きを楽しみました。鏡ってすごい!と感じました。鏡だと頭では分かっていながら、まるで不思議な世界に迷い込んだような、ワクワクドキドキする楽しさもありました。
本書は、子どもだけでなく、大人も魅了する作品です!
ぜひ、親子で・きょうだいで鏡の中の不思議な虹を見てみませんか?
- 作品名:ふしぎな にじ ーかがみのえほんー
- 著者名:わたなべちなつ
- 出版社:福音館書店