かぜビューン
楽しい気分になりたい時にピッタリ!仕掛けをめくるとキャラクターに変化が・・・!!
☆3つのおすすめポイント
- 見開き1ページごとに完結。風の吹く前と、仕掛けをめくると吹いた後が登場!風の吹いた後のキャラクターの変化は、きっとあなたの想像を超えているはず!
- 色の組み合わせが独特で、それでいて可愛い★色や素材の合わせ方が絶妙!キャラクターの性格も表しているのかも?
- 風はいたずら好き♬ でも、風にしか出来ないこともあるよ!大切な存在です!
☆あらすじ
風が吹いています。かなり強い風です。風で飛ばされるようなものはご注意ください!
ひゃー 表紙の女の子、すでに帽子が飛ばされてしまったようです。木の葉もすっかり飛ばされて、木に捕まっているミノムシもぶらーんと大きく風で揺れています。さあ、他の人は大丈夫かな。見に行ってみましょう。
坊主頭の男の子、飛ばされそうな物は身につけてないみたい。鼻からたらーんとでっかい鼻提灯が・・・ビューン! 鼻提灯が自分に流れてぐちょーと顔と頭についちゃった!!
どこからか たんぽぽの綿毛を摘んできた女の子、大事そうに持ってふーっと綿毛を飛ばそうとしたら・・・ビューン! 吹く前に飛んで行っちゃったー あら残念!
赤いタテガミのライオンさん。恐ろしい顔で牙をむき出しにしています。獲物を狙っているのかな・・・ビューン! タテガミ飛んで行っちゃったー!!(あれ?ライオンに変装していた猫さんだったのかな?)
バッチリ決めたリーゼントヘアーのヤンキー、大事なお手紙を想い人に渡そうとしている女性、銅像、トローリと大きなソフトクリームをもった男の子、マスクをかぶって登場したヒーロー。みんなビューン!と風が吹いたらどうなるでしょうか。みんな大変な事になってしまいます。
最後に登場するのは太陽です。雲がモクモクと、太陽の周りを覆っています。ビューン!!強い風が吹いたら、雲は吹き飛んでいきました。太陽もニッコリ笑顔♬良かったね。
☆際立った特徴
見開き1ページに1名の登場人物描かれています。”風が吹く前”の状態と、右のページは仕掛けになっていて、折りたたんでいる部分を開くと”風がビューン!と吹いた後”が描かれています。前と後での変わり具合が大きく違い、気の毒な結末やあっと驚く姿に変身します。中には思ったほど変わらないものもあって、ユーモアに溢れていて面白いです。
風がビュー!と通り抜けていくように、背景の色も工夫されています。絵の具も左から右に一筆書きでライン上から下まで11本のしま模様になるように描かれています。風が通り抜けるのと同様に、テンポよくストーリーが進んで行きます。
次はどうなるのかなー?と、どんどん楽しみが膨らみますよ★
☆書店員の感想
風がビューン!!と吹いて帽子が飛んでしまった事が今までに何度もあります。
表紙の女の子と全く同じシチュエーションです。”風”の表現が一直線の一筆書きなのですが、絵の具がかすれていく所がいい味を出しています。通り過ぎていく感じを上手く表現しているなと思いました。
風は時にイタズラをしてみんなを困らせるのですが、最後は太陽にかかる雲を吹き飛ばしてくれました。(太陽も飛ばされそうになって・・・びっくり!)風にしか出来ない働きです。
頼りになる、大切な存在ですね。
●独特の色合わせに心がワクワクします。
ストーリーの面白さはもちろん、作者のツペラツペラさんの作品といえば、私はいつもどうやって描いているのかなー?と絵の手法が気になってしまいます。
絵の具・切り絵・毛糸・布地プリント・・・色々と混ざって出来ている作品なのに、違和感なくまとまっています。合わせ方が絶妙です。物語を楽しむのはもちろんですが、絵だけをじっくり見てるだけでも楽しめちゃいます!
細かく見ていくと、「女の子の服の袖が切り返しになっていて、ニット生地みたいでおしゃれ!」とか「ソフトクリームの色が独特だなー何味選んだのかな?」とか、「ヤンキーの服がまさしくヤンキーなんだけど、よく見たら花柄の組み合わせで可愛い」など、キャラクラーの好みや性格まで表しているように思えてきます。
1つ1つのパーツが可愛く面白く見えてくる本書は、私の心をなんだか楽しい気持ちにさせてくれました。
- 作品名:かぜビューン!
- 著者名:tupera tupera
- 出版社:学研プラス