がんばれ はぶらしハーマン
https://youtu.be/gCxT8rxp-KQ
YouTubeで詳しく解説しています。
歯磨きが嫌いな子・習慣になってない子・ヒーロー好きにもピッタリ!宇宙の戦士はみがきハーマンが登場するよ!
☆3つのおすすめポイント
- 寝るぎりぎりまでお菓子を食べて、全く歯磨きをしようとしない、こうちゃん。お姉ちゃんのみっちゃんが、恐ろしい怪獣が口の中で暴れるという話をしました。信じないこうちゃんは夢の中でその話を体験してしまいます。
- 助けに来てくれた”はぶらしハーマン”ですが、こうちゃんの虫歯はお手上げ状態。しかしみっちゃんの歯は、ブラッシングで助けてくれました。その差って何だったんでしょう!?
- 眠りから覚めたこうちゃんは歯磨きの大切さを痛感します。穴あきの仕掛け付きで、子供達が楽しく歯磨きの大切さを理解できるようにと考えられた絵本。
☆あらすじ
こうちゃんは、寝る前に甘い物をむしゃむしゃ。お姉ちゃんのみっちゃんがいくら歯磨きをするように言っても聞く耳持たず。するとみっちゃんがこんな話をしました。
「寝る前に甘いものを食べて歯を磨かないと、夢に恐ろしい怪獣がやってきて口の中で暴れるのよー」だって。こうちゃんは全く気にせず、おやつをむしゃむしゃ。そしてその夜の夢の事。
夢の中で、こうちゃんとみっちゃんは宇宙の星でした。(こうちゃんの顔自体が、丸い星です)
そこに怪獣が近づいてきます。怪獣ムッシーは甘い匂いのする、こうちゃん星を見つけ嬉しそうに口の中から何かを吐き出します。ムッシーが口から吐き出したのはムッシーの子分の”コムッシー”達。うじゃうじゃと襲いかかるコムッシー達はこうちゃん星の食べ物カスを食べてみるみる大きくなりました。そして、歯に穴を開けて大暴れ。『痛いよー!助けてー!』と悲鳴をあげるこうちゃん。するとその悲鳴を聞いて誰かがやってきました。
それは”うちゅうせんし、はぶらしハーマン”です。「私はよい子の味方!ややっコムッシーどもがあんなに大きくなってしまっているぞ。あれじゃ僕も手をつけれないや。弱ったな」
ムッシーは、今度は隣のみっちゃん星を狙って向かいました。はぶらしハーマンはみッちゃん星に先回り。ムッシーは得意になってこうちゃんと同じように口からコムッシーを吹きかけます。しかし、みっちゃんの歯はいつもピッカピカ。コムッシーの食べる食べかすなんてありません。そしてハーマンが「コムッシーなんてエイッ!ヤッ!」と歯ブラシでブラッシング。ムッシーは、「うわーん。かなわないよー」と慌てて逃げてしまいました。
さて、あくる朝です、元気よくみっちゃんは目を覚ましました。
「あーん、歯が痛いよー」と泣いているのはこうちゃん。でもね、その日からこうちゃんも歯を磨くことにしたそうです。
☆際立った特徴
ピカピカな良い子の歯の強い味方のはぶらしハーマンは、虫歯を防いで回る宇宙の戦士。
磨いていない歯についた虫はすぐに大きくなってハーマンもお手上げだけど、きれいに磨かれた歯につく小さな虫ならハーマンがかき出してくれます!
所々に穴が開いている仕掛けつき。夢の中だけど、現実にも直結している展開で、こうちゃんは歯磨きの大切さを知ります。本書を読んでいる子供達も自分から「歯磨きをしないと!」と感じるストーリー。
☆書店員の感想
寝るぎりぎりまでお菓子を食べて、全く歯磨きをしようとしないこうちゃん。お姉ちゃんのみっちゃんが恐ろしい怪獣が口の中で暴れるという話をしました。信じないこうちゃんは夢の中でその話を実際に体験してしまいます。
お姉ちゃんのみっちゃんが寝る前に歯磨きをしています。そのみっちゃんの言うことも聞かず、寝るぎりぎりまでキャンディーやビスケットを食べ続けるこうちゃん。「今甘いものを食べて歯磨きをしないと寝ている間に怪獣がやってきて、口の中で暴れるのよー」とみっちゃん。こうちゃんは「怪獣なんて正義の味方がやつけてくれるもん!」と言い返したものの何だか気になりながら、お菓子をむしゃむしゃ。
その夜の夢の事です。こうちゃんは宇宙の星でした。甘い匂いに誘われてこうちゃん星にいじわる”ムッシー”が近づいてきました。ムッシーはこうちゃん星を見つけると嬉しそうに口から何かをぴゅぴゅぴゅーと、はき掛けたのです。それはムッシーの子分のコムッシー。コムッシー達はこうちゃん星の口の中に残っている食べ物カスを食べて、みるみる大きくなりました。その上、「けずれ!穴をあけろ!」と暴れだしたのです。こうちゃんは痛くて悲鳴をあげました。
助けに来てくれた”はぶらしハーマン”ですが、こうちゃんの歯はお手上げ状態。しかしみっちゃんの歯は、ブラッシングで助けてくれました。その差って何だったんでしょう!?
悲鳴を聞いた宇宙戦士はぶらしハーマンは、急いでこうちゃん星に向かいました。が、「困ったなー」コムッシーが大きくなってしまったこうちゃん星は、ハーマンにはもう術がなく、手がつけられません。その時、ついでにいじめてやろうとムッシーは、隣のみっちゃん星へと向かいました。ハーマンはみっちゃん星に先回り。気が付かないムッシーはみっちゃん星にもコムッシーをはき掛けました。沢山沢山コムッシーをはき掛けましたが、コムッシーはちっとも大きくなりません。「ありゃ、この星食べ物カスが全然ないよ。」そこですかさず、はぶらしハーマンがみっちゃんのお口の中をブラッシング。コムッシー達をキレイに履き出すと、「かなわないよー」とムッシーは逃げて行きました。
この事から、作者は虫歯になってしまった歯は、いくら歯磨きをしても、時すでに遅し。歯磨きだけでは進行を食い止めたり治すことはできません。しかし、普段からキレイに歯磨きをしていれば、虫歯菌を寄せ付けずに、もしいたとしてもブラッシングだけで虫歯菌を追い払うことができると言うことを伝えているのでしょうね。
眠りから覚めたこうちゃんは歯磨きの大切さを痛感します。穴あきの仕掛け付きで、子供達が楽しく歯磨きの大切さを理解できるようにと考えられた絵本。
夢の中でたっぷりコムッシーに暴れられたこうちゃんのお口の中は、夢から覚めてからも痛いままでした。夢が現実になってしまったのです。でも、その日からこうちゃんは歯をちゃんと磨くことにしたそうです。
自分でも歯磨きをしていたみっちゃんはハーマンに助けられたのに、自分は助けてもらえなかった事で、「歯磨きをしていなかったからだ、ちゃんとやらないとダメなんだ。」と気づくことができました。
作者木村裕一さんが本書のあとがきで、「1人でも歯磨きの習慣がつく子どもが増えてくれればと願っています」と書かれています。
歯磨きの習慣をつくるのに苦戦しているお家は実は多いのではないでしょうか。頭ごなしに「歯磨きしなさい!!」と言ってやらせることは出来ても、自分から歯磨きしなくちゃいけない。歯磨きって気持ちがいいと思って自分からやらない限り、習慣化するのは難しいかもしれませんね。
本書は子どもに読んであげることで、虫歯について知り、コムッシーが暴れないように歯磨きしなくちゃ!と主人公こうちゃんと同じように感じる事が出来そうです。何よりも自分から「やらなくちゃ!」と思うことこそが大事!だと私も思います。
実は小学生の息子達も未だに言わないと歯磨きをしません。ガツーンと言ってやらせるといった毎日です。しかもラッキーなことに次男は虫歯になった事がないので尚更歯磨きの重要さを分からないまま、ただ言われてやっています。
ちょうど、これじゃダメだよなーと思っていた所でしたので、次男の机にそーっと置いてみようと思います。自分で何か感じてくれたら嬉しいなと思います。
- 作品名:がんばれはみがきハーマン
- 著者名:作 木村裕一 絵 田中四郎
- 出版社:偕成社