きょうりゅうのずかん
恐竜好きな子にピッタリ!恐竜初心者にも分かりやすく、深い知識まで得ることが出来ます。絵だからこそ、細かな部分も分かりやすく、思わず触りたくなるような柔らかさもあり、恐竜に興味が無い子でも手に取りやすい図鑑
☆3つのおすすめポイント
- 主要56種類、同時代の動物16種類を紹介。仲間別に紹介されているから、特徴が分かりやすい。
- 【恐竜はどのようにしてトリになったの?】【大きな恐竜はなぜいなくなったの?】【恐竜のお仕事をするには?】【人新世(じんしんせい)】について、深い話を子どもにも伝わりやい説明。
- 恐竜ってリアルすぎると怖さが際立ってしまうけど、本書は毛並みや鋭い爪などリアルではあるものの、思わず触りたくなるような柔らかさもあり、恐竜に興味が無い子でも手に取りやすい図鑑です。
☆あらすじ
恐竜の博物館です。さあ、今日は恐竜について知り、もっと身近な、現代の人間たちとも繋がりがある事を感じていきましょう!
◎恐竜の誕生を見ていきましょう!46億年前に地球が出来てから、色んな生き物が生まれました。そして、何年も時が過ぎ、2億5200万年前位から恐竜が誕生しました。それを中生代と言います。その中でも白亜紀・ジュラ紀・三畳紀があり、それぞれの期間に誕生した恐竜たちを表と絵で説明・紹介しています。表の横に番外編で”恐竜の仲間たち”と紹介しているものもあります。一見恐竜に見えるのですが、分類を分けているので、「何がどう違うんだろう??」と謎が深まります。
●ティラノサウルスの仲間・1
鋭い歯を持っているティラノサウルス3種類。2本足で走る恐竜で他の動物を食べていた肉食恐竜です。恐竜は爬虫類の仲間ですが、恐竜の後ろ足は真っすぐ伸びているのに対し、トカゲなどは後ろ足が外側にむいていてつき方が違っています。それを恐竜とトカゲを並べた絵で分かりやすく説明しています。
恐竜の化石はどうやって出来るかな??地層については小学校で習う事なので少し教えにくい部分ではありますが、本書では絵にして伝えていますので、小さなお子さんにも分かりやすいと思います。
●ティラノサウルスの仲間・2
2足歩行のティラノサウルスの仲間を7種類。色も様々で、毛の色が緑のスピノサウルスや、赤茶色のフクイラプトル、しま模様の恐竜もいます。スピノサウルスは獣脚類(恐竜の一分類)の中で一番大きい恐竜で15メートルあります。スピノサウルスは4本足で歩いていて水の中を泳いでいた説と、2足歩行説があり、このページには2パターン描かれています。研究によって恐竜の手足の骨格の描き方が違います。まだハッキリしていない所が多い世界であり、まだまだ研究真っただ中という事なんだと、このページで感じることが出来ます。
●ティラノサウルスの仲間・3
まだまだティラノサウルスの種類は続きます。11種類を紹介。2足歩行ではあるものの、このページで紹介されている恐竜は手に羽がついていて翼になっています。そして、この中には木の実や葉っぱを食べている恐竜が登場します。鳥の仲間だと言われているアーケオプテリクスや、コウモリのように木から木に飛び移ることのできるイーなどがいます。
●ディプロドクスの仲間(龍脚刑類)
草など植物を食べる恐竜です。小さい仲間もいれば体がとても大きくて長い首を持つ仲間もいました。三畳紀から白亜紀に至るまで長期にわたり、全大陸で繁栄を続けた種類でもあるそうです。
首が長いマメンチサウルスは35メートル首の骨の数は19本。アルゼンチノサウルスも35メートルあり、体が重いので、大きくて深い足跡の化石も見つかっています。
●ステゴサウルスの仲間
背中に骨の板が並んでいる恐竜で4種類を紹介。地面の近くに生えている植物を食べていました。背中の板で体を温めたり冷やしていたとも言われています。
●アンキロサウルスの仲間
鎧のような骨で覆われている恐竜で、背の低い植物を食べていました。4種類紹介。
背中からしっぽまで固い鎧のようなゴツゴツしたトゲで体を守っていました。
●イグアノドンの仲間
固い草をすりつぶせる特別な歯を使って、草などの植物を食べる恐竜です。5種類紹介。
あごの形が他の恐竜に比べて特に進化しているのが、下あごが出ているので見て分かります。
●パキケファロサウルスの仲間 ●古い中盤類
固くて分厚い頭を持つ、草などの植物を食べる恐竜です。頭は丸みがほぼ無く、トゲがあってゴツゴツしているパキケファロサウルスや、五角形の顔だちをしていて頭は固くて平らになっているホマロケファレがいます。
●トリケラトプスの仲間(角竜類)
頭の角で戦い、草などの植物を食べる恐竜です。大きな衿飾りで自分を強そうに見せていました。8種類を紹介。この中には、衿飾りにさらにこぶやトゲがついているパキリノサウルスやコスモケラトプスもいたり、長方形のような衿の形になっているカスモサウルスもいます。
●プテラノドンの仲間(翼竜類)
恐竜とは違う分類に仲間分けされている、空を飛ぶ爬虫類の仲間です。4種類紹介。
プテラノドンは6メートル。一番大きいもので11メートルのケツァルコアトルスが仲間の中にいます。海の近くで魚を採って食べて暮らしていました。こんなに大きな鳥のような爬虫類が空を飛んでいるとは・・・考えてみると恐ろしいですね。ちなみにケツァルコアトルスは研究する人によって飛べなかったと考えている意見があります。
●海の爬虫類
恐竜とは別のグループに仲間分けされている、海に住む爬虫類です。4種類紹介。
首長竜と魚竜類は、どちらもお腹の中で赤ちゃんを育ててから、産んでいました。特に首が長いエラスモサウルスは14メートル、ヘビに近いモササウルスは18メートルあります。
●カメ類・ワニ類・両生類
大昔のカメ・ワニ・カエルの仲間です。見た目は現代の形が似ていますが、大きさが違っています。カメの仲間のアーケロンは4メートル。ワニの仲間のデイノスクスは12メートルと、ビックサイズ!!
◎【恐竜はどのようにしてトリになったの?】【大きな恐竜はなぜいなくなったの?】【恐竜のお仕事をするには?】について、それぞれ詳しく図解しているのですが、子どもでも分かるように言葉を子どもに合わせて咀嚼して説明しています。
私達人間が生きてきた時代の新しい名前【人新世(じんしんせい)】についての解説もあり。
☆際立った特徴
躍動する最新学説の恐竜達を、恐竜56種と同時代の動物16種紹介しています。
CGではなく全て絵で描かれているので、リアルすぎることがなく、かといって恐竜の細かな描き方やカッコよさはCGと同様!毛並みや鋭い爪などリアルではある物の、思わず触りたくなるような柔らかさもあり、恐竜に興味が無い子や、「怖い」と思ってしまう子でも、手に取りやすい図鑑です。
恐竜研究の第一人者・富田京一さんが監修しています。今の時代の鳥も先祖をたどれば恐竜でした。恐竜との繋がりが今も続いているのです。子孫が今も生き続けていることを分かりやすく図解し、リアルに伝えています。
そして、同じ仲間の中でも大きさも色も羽や毛の有無・角の形もそれぞれ違っています。それぞれの恐竜がなぜその部分を特別に進化させたのか、解説を聞きながら考えてみるのも面白いです。
★監修者・富田京一さんの言葉
日進月歩といわれる恐竜学の世界。この本は最新の研究に基づき多様な恐竜を紹介しながら、それが実在した、ごく当たり前の「生きもの」だということを伝えてくれます。リアルでありながら温もりのこもった絵が、恐竜を親しみやすいものにしてくれています。
☆書店員の感想
【恐竜はどのようにしてトリになったの?】【大きな恐竜はなぜいなくなったの?】【恐竜のお仕事をするには?】【人新世(じんしんせい)】について、深い話を子どもにも伝わりやすく咀嚼した説明で教えてくれます。
身近な鳥の中には、ご先祖が恐竜だったものもいます。恐竜の時代から生き残った仲間が少しずつ形を変えて今の時代の鳥になったのですが、その変化の流れを想像することは難しいですね。恐竜から4つの矢印を辿っていくとだんだん現代の鳥に近づいていき、カラス・スズメ・ハトなどに変化していきます。とても分かりやすいし、こんな身近に恐竜と近い存在がいることに驚きます。
恐竜ってどうしていなくなったんだろう?隕石が落ちてきたから?それは大きな原因の出来事ではあるものの、すぐに死んでしまった訳ではありません。絶滅するまでには隕石が落ちてから色んな事があったのかな??ぜひ、この部分も解説があるので読んでみてください!
さて、恐竜のお仕事って何があるかな??恐竜博士・博物館の人・化石を掘る人。とても夢のある職業ですね。ぜひ、興味がある子は確かめてみましょう!
最後に、【人新世(じんしんせい)】とは何でしょうか?私もよく読んでみないと分からなかった部分なのですが、恐竜が絶滅して人間が誕生した今の時代を表す言葉が”人新世”と名づけられているそうです。そこで、考え深い事も書かれていました。恐竜がいた時代を知ることが出来る地層の中。同じように人間が生きていた証拠として、いつか地層に残るであろう物の中に、プラスチックやコンクリート・アルミニウム・二酸化炭素・・・などが残っていきます。地層に沢山証拠が残ることで、未来に人間が良くも悪くも地球を変えてきたことも伝えていきます。
と言う事は・・・。何か感じることがありませんか?私は、少し恥ずかしい気持ちになりました。地球にとって自然ではない物を残すことに対して、罪悪感を感じました。
小さな子にとっては難しい問題かもしれませんが、地球温暖化やごみ問題などについては親として少しずつでも子どもに伝えていきたい事ですよね。それを伝える1つの方法として、本書を一緒に楽しむ事をオススメしたいと思います。
遠い過去に生きていた恐竜の迫力やカッコよさ・ロマンを感じて、明るい未来を思い描く楽しさが詰まった絵本です。
最後に、ぜひ、恐竜が苦手・怖いと感じている人・恐竜について何にも知らないなと思っている人こそ、「おー!なるほど!知らなかった」と思う事が詰まっています。ぜひ、読んでみて欲しいと思います。
- 作品名:きょうりゅうのずかん
- 著者名:五十嵐美和子 監修:富田京一
- 出版社:白泉社