しまうまのさんぽ
面白い発見に沢山出会えるよ。2・3歳からオススメ!シマウマの模様をよく見てごらん!変化が面白い絵本☆
☆際立った特徴
- U.G.サトーさんは日本人のグラフィックデザイナー。
- 二頭のシマウマがお散歩。普通の散歩ではなさそう…。
- シマウマのしま模様が様々に形に変化。想像は無限大!
- しま模様の色を変えただけで、場面が変わる不思議。
- ユーモアたっぷり!それでいてまるでアートを楽しめる気分に。
☆読み聞かせのポイント
- シマウマのしま模様が、楽しく変化して楽器になったり迷路になったり、虹になったり、レジのバーコードになったり、様々な模様を楽しむ事が出来ます。「どんな音が鳴るのかな?」と想像したり、「シマウマに翼が付いたね。乗ってみたいね。」など、どのページでも楽しめそうです。
- 例えば商品についているバーコードや、食品や飲食店のマークがシマウマの体に絵が描かれているぺージもあります。見たことあるけどこれ何だっけ?とお子さんが思った物は、説明したりヒントを与えたりして楽しむと良いと思います。
☆あらすじ
「お散歩してくるね」パパとママに伝えて出かけた2頭のシマウマ。
しましま模様がピアノとバイオリンになって、音を奏でるよ。
しましま模様がなんだか迷路みたいに変化。迷子にご注意!
妹のしま模様が目になって、車が来ているのに気がついたよ。気を付けて!
川にそって歩いたら、風が気持ちが良くて、白黒のしま模様が、青色の横しまになったよ。なんだか川の中にいるみたいだね。
「よーし、次は二人でかけっこしよう!」「待ってよお兄ちゃん!」
しま模様が羽のように形を変えたよ。なんだか翼がついたみたい。空まで飛べそうだね。
君も、背中に乗ってごらん!遠くまでキレイな景色が見えるよ。
雨が降ってきたから、お兄ちゃん、こっちに寄って寄って!一緒に傘に入ろうよ。
雨が止んだら、二頭の間に小さな虹が出来たよ。キレイだね♬
そろそろお腹が空いてきたね。色んなお店があるよ。どうする?
シマウマの背中がテーブルに変身。カレーライスとオレンジジュースを食べようか。
お腹がいっぱいになったら、木の下で休憩。コクリコクリとお昼寝中。
さあ、目が覚めたらお絵描きタイム開始!しま模様がクレヨンになって、何を描こうかな。
シマウマの体がお花と草の模様に変化!なんてきれいなシマウマでしょう。
そろそろ帰る時間。パパとママに花束のお土産。喜んでくれるかな。
お散歩楽しかったね♬
☆書店員の感想
「全く思いもつかない事が本書では起きている!!」と最初に本書を手に取った私は思いました。まさかシマウマのしま模様が花柄になったり、形を変えて翼になったり、縦じまを横じまにして水を表現したり。シマウマの模様が次々に変わっていくのに驚きました。私のカチンコチンに凝り固まった頭では、きっと本書に出会わなければ、考えたり想像もしなかったと思います。
だからでしょうか。率直に「すごい!」と思いました。
全てのページがまるで夢のよう!
シマウマの兄妹が散歩にでかける所から物語が始まります。
お兄ちゃんにはしま模様の一部が茶色いギターが、妹はしま模様全体がピアノの鍵盤に変わりました。そして二人はメロディーを奏でます。そのメロディーと共に歌も歌っているのかもしれませんね。
しまうまは体が大きいから、安全にお散歩するにはよく周りを見なくてはいけません。後ろから歩いていた妹は車に気がつきました。どうやって気がついたか・・・このページは面白いですよ!妹のお尻の辺りの模様が大きな目に変化するのです!!第三の目とでも言いましょうか、その目で後ろから来る車を見つけて、「お兄ちゃんも気を付けて!」と声を掛けるのです。
川の側を歩けば、横しまに変化し、しま模様自体もブルーに変色。水の流れを表現しているからなのか、シマウマの背中で魚がピョンピョンと飛び跳ねています。
二頭がジャンプをするとお腹の辺りが翼のように伸びて、空まで飛ぶことが出来るようです。翼の色も兄妹で違うのできっと二頭が空を飛んでいたら、なんと美しいだろうなーと想像できます。
この後も、二頭が人間を乗せてあげる場面もあれば、雨が降ったからとしまの一部を傘の取っ手部分に変化させて傘を作っちゃって、二頭で仲良く相合傘をする場面もあります。
まだまだ紹介したいのですが、ぜひこの続きは絵本を見てくださいね!!
絵本を見ればあなたの想像を超えますよ!
言葉で一部説明してみましたが、きっと絵本を実際に見ると、どれもあなたの想像を超えていると思います。
私の説明が下手だという事もありますが、1ページ1ページに込められた変化の意味が私はとても奥深く思えるのですが、それでいて、そのまま模様が続く事もなく1ページずつ変化していきます。読者に色々と感じさせながらも、あっさりと展開していくからこそ、どんどん変化していく面白さに引き込まれていくのです。
本書では、そのページも背景に絵が無く、それぞれ1色のパステルカラーです。
シマウマのしま模様を最大限に美しく見せる色が選ばれているように思いました。そして、もし背景に町の様子が描かれたり空の色があったらと想像すると、読者の想像はそこでストップして、想像を狭めてしまうようにも思いました。
背景が無いからこそ、読者は自由に「どの位高くジャンプ出来たのかな?」「公園でお昼寝をしたのかな?まさか街中??」とか、「ここはレストランなのかな?兄の背中がテーブルになってしまったから、お客さんは妹?二頭ともお腹が空いてるのにどうやって食べるのかな?」と、貢をめくる度に、色んな事を感じ、考えると思います。
まるで作者U.G.サトーさんが、読者に、「絵本の中の絵を見てどんどん想像を膨らませて遊んでごらん!自由に感じ取ってごらん!」と言ってくれているようです。
ぜひ、親子でどう感じたか話し合ったり、迷路で遊んでみたりと楽しみましょう!