すっぽんぽんのはだかんぼう
いろんな食べ物たちが、洋服を脱いでいきます。みんな、すっぽんぽん!はだかんぼうになったら、どこに行くのかな?お風呂の前に読みたい、お風呂が大好きになる絵本です。
☆3つのおすすめポイント
- 上手に脱げるかな?すっぽんぽんになっていくようすと、言葉の響きが楽しいです。すっぽんぽんになったあとは、みんなで楽しいお風呂タイムが待っていますよ〜!
- どんどんすっぽんぽんになっていくかわいい果物たち。お風呂の時間が楽しくなりそうです。
- お風呂タイムはどうですか?楽しい子、そうでない子、それぞれですね。果物たちもそれぞれなにかお気に入りのものを持っています。楽しい時間が過ごせるといいですね!
☆あらすじ
バナナくんが来ました。どんどん、バナナくんのお洋服を脱いでいきます。
バナナくんの洋服といえば、そう、バナナの皮です。ペロン、と脱ぎました。
そして、すっぽんぽんになりました。
つぎはりんごちゃん。お上品に、くるくると洋服を脱いでいきます。
すっぽんぽんになり、楽しそうな道具も持って、移動していきました。
今度はみかんちゃんとくりくんです。
どちらも自分で上手に洋服を脱ぎます。くりくんもイガイガをぱかっと開き、脱いでいきます。
つぎに、ゆうくんがやってきました。ゆうくんのお洋服はたくさんあります。シャツとパンツも脱いで、つるりんのすっぽんぽんになりました。
はだかんぼうになったゆうくん。どこにいくのでしょう?
そう、お風呂です。
先に入っていた果物達が、お出迎えしてくれました。
はだかんぼう仲間で、お風呂の時間を楽しみます。
☆際立った特徴
美味しそうな、可愛い描写の果物達が、つぎつぎはだかんぼうになっていきます。
果物のはだかんぼうとは?発想がとても面白いです。
最後に裸になったゆうくん。すっぽんぽんになったあとは、どこにいくのでしょう?
お風呂に入るという行為が、発想の転換によって、楽しいイメージに結びつきそうな絵本です。おいしそうな果物たちとのお風呂のひととき。穏やかで癒やされます。
絵本の大きさは17.5㎝✕17.5㎝の、手に持ちやすいコンパクトサイズの絵本です。
☆書店員の感想
●上手に脱げるかな?すっぽんぽんになっていくようすと、言葉の響きが楽しいです。すっぽんぽんになったあとは、みんなで楽しいお風呂タイムが待っていますよ〜!
バナナくんが、皮を脱いですっぽんぽんになります。とっとっとっ、と来て、ぺろりん、と脱いでいく様子、りんごちゃんはこりん、とやってきます。そして、くるりん…と、丁寧に皮を脱いでいきます。
みかんちゃんとくるくんは、とんとん…、ちっくちっく…、とやってきて、ぺろん、とみかんちゃん、めり…とくりくんの洋服脱ぎ。みんな上手に脱いでいきます。歩く音や、皮を脱いでいくときのようすの音も聞いていて楽しくなってくるような感じがします。
一生懸命脱いでいるみかんちゃんの表情も可愛らしいです。
くりくんはぱっかーん、みかんちゃんはころころ…と進んでいきます。
小さなお子さんのお着替え。脱ぐってちょっぴり大変ですね。
洋服を着るより難易度は下がるかもしれませんが、汗をかいていたり、ちょっと違うところから手足や顔が出てしまうと、もう大変。自分ではどうすることもできなくなってしまうことも、我が子もたびたびありました。けれど、子どものようすなので、それはそれで可愛く感じていました。(笑)
また、裸になることへの抵抗感を持っているお子さんも中にはいるかもしれませんね。長男はお風呂をとにかく嫌がるときがあったので、今思えば長男もそんな気持ちがあったのかもしれないな、と今になって思います。お風呂に入ったら入ったで、今度はパジャマを着るのを嫌がるんですけどね。(汗)
ゆうくんも、一人で洋服を脱ごうと挑戦しました!ズボンの胸部分のボタンも上手にはずせました。シャツもパンツもするっと脱いで、かごに入れています。
ゆうくんの、裸で浴室に入って行こうとするすっぽんぽんの後ろ姿も、たまらなく可愛いです。子どもらしい、むっちりとしたかんじに、手足がまだ短くてツルン、ムニッとしているようす… 自分の子どもの姿と重なって見えて、ちょっとキュンとしました。(笑)
ゆうくんはニコニコとお風呂に入っていきました。
果物たちとのお風呂、背中の流し合いっこも楽しそうです。
●どんどんすっぽんぽんになっていくかわいい果物たち。お風呂の時間が楽しくなりそうです。
果物を食べる時、皮をむきますが、それがお洋服を脱ぐという発想につながり、お話になっているのがビックリで、可愛らしいアイディアに感じました。バナナやりんごが、皮をむいてはだかんぼうになっていく。一皮むけて、さらにステキな姿です。入浴後は、脱いだ服をまた着るのでしょうか?入浴後の姿もちょっと気になりました。(笑)
裏表紙に、入浴後、みんなで牛乳を飲んでいる絵が描かれています。ゆうくんはパンツを履いていますが、まだみんなすっぽんぽんのままです。みんなほかほか、あったまったようで湯気が出ています。並んでみると、ゆうくんの身長と同じくらいのバナナくん。りんごちゃんもゆうくんの半分くらいの身長でしょうか。果物ですが、少し人間のような親近感が湧いてきます。そして、いつの間にかかたい殻を脱いだくりくんの姿も。お風呂のお湯で柔らかくなったのかもしれませんね。背中を洗いっこする前に脱いだ様子です。思いがけない変化も楽しいお話です。
また、はだかんぼうの果物たちと一緒に入ったお風呂は、なんだかフルーティーな香りが漂ってきそうな感じがします。お肌もつるつるになりそうなイメージもあり、私も一度一緒に入ってみたいと思いました。
●お風呂タイムはどうですか?楽しい子、そうでない子、それぞれですね。果物たちもそれぞれなにかお気に入りのものを持っています。楽しい時間が過ごせるといいですね!
我が家のお風呂タイム、今は兄弟仲がいいタイミングでお風呂が湧けば、二人で楽しく湯船で遊びながら入っています。それぞれ好きなおもちゃがあるので、それで楽しく遊んでいます。
果物たちも、それぞれ好きなものをお風呂に持っていっているようです。バナナくんはヨットのおもちゃ、りんごちゃんは魚釣りセットのおもちゃ、みかんちゃんはシャボン玉で、くりくんはアヒルのおもちゃです。ゆうくんは黄色のじょうろを持っていきました。
みんなそれぞれ違う色のタオルを頭に乗せ、楽しい入浴タイムです。
ぶくぶく、あわあわ、くりくんとみかんちゃんが飛び跳ねて、ワイワイと盛り上がり、ゆうくんも果物たちもとっても楽しそうな表情でお風呂に入っていて、お風呂って楽しいんだな、と自然と思えるような雰囲気で描かれています。ちょっぴりお風呂が苦手な子も、お風呂に対するイメージが少し変わるきっかけになるかもしれないように思いました。
この絵本は果物たちとお風呂に入っていますが、お子さんの好きなものと一緒にお風呂に入る、というイメージを膨らませてみて、お話してみるのもいいかもしれないと感じました。みんなで楽しいお風呂タイムを過ごせるといいですね。
- 作品名:すっぽんぽんのはだかんぼう
- 著者名:植垣歩子(著者インタビュー)
- 出版社:白泉社