そらまめくんのベッド
そらまめ君の大切な宝物が、どこかにいっちゃった!?そらまめ君の友情や心の成長を描くストーリー♪3歳頃からのピッタリ!
☆3つのおすすめポイント
- そらまめ君の宝物はベッドです。そのフカフカなベッドは誰にも使わせたくありません。しかし、ある日どこかへ消えてしまいました。困った・・・と悲しいそらまめ君に対し、他の豆達が自分達のベッドを貸してくれます。
- そらまめ君のベッドの中に、ウズラが卵を産んでいました。そして温めています。仕方がない・・・とベッドを側で見張っていたのですが、次第にベッドよりも卵の方が気になっていきます。宝物のベッドよりも卵から誕生する命の方が楽しみに思えてきたそらまめ君です。
- ベッドを持ち帰ったそらまめ君。他の豆達も心配していました。大切にしていたベッドが戻ってきたことを自分の事のように喜んでくれるみんな。そらまめ君は自分のベッドに招待します。
☆際立った特徴
小さな小さなソラマメが主人公。そして、えだまめ君やグリンピースの兄弟、さやえんどうさんにピーナッツさんが登場します。どの子もみんな”さや”の中で育つ野菜です。さやにはそれぞれ特徴があって、その中でもソラマメのさやの中は綿のようにフカフカでフワフワです。そらまめ君にとって大切な宝物。
そして、そんなフカフカなベッドに他のお豆達も入って眠ってみたいと思います。しかしそらまめ君は嫌がります。だって”大切な宝物”なんですから。
しかし、ある日そのベッドがどこかへいって無くなってしまいます。困ったそらまめ君は探して歩くのですが、なんと見つけた場所は、ウズラのお腹の下・・・。
初めは貸すのを嫌がっていたベッドだったけど、ある事がきっかけになって、最後はみんなをベッドに招待します。
赤ちゃん卵の為にベッドを使わせてあげたそらまめ君の心の成長や、色んな事を乗り越えて豆達の間に友情が芽生える様子が、ほのぼのと描かれています。自然と打ち解けていく様子に、「一人でいるよりも、みんなと仲良く暮らしていくときっと、もっと楽しいよね。みんなで嬉しさも楽しさ分け合ったら、HAPPYだよね!」と感じさせてくれるストーリーです。
参考文献)はぐくむ 「絵本作家の絵本大好き なかや みわさん」インタビュー
KUMONがうた・読み聞かせを応援[ミーテ] なかやみわさんインタビュー 「絵本は遊び心が満載 子供のペースでで楽しんで」

☆あらすじと書店員の感想
そらまめ君の宝物はベッドです。そのフカフカなベッドは誰にも使わせたくありません。しかし、ある日どこかへ消えてしまいました。困った・・・と悲しいそらまめ君に対し、他の豆達が自分達のベッドを貸してくれます。
宝物だと思っている物を貸してほしいと言われたら、みなさんならどうしますか?快く貸してあげる事は出来ますか?
私は大人ですから、貸してあげることが出来るかもしれません・・・が、たぶん少し「嫌だなー大事に使ってねー」と思ってしまうかもしれません。
そらまめ君にとってそんな宝物は自分のベッドなのです。他の誰もベッドよりもフカフカで柔らかくて、ぐっすり眠ることのできる自慢のベッド。
そんなベッドに、他の豆達が「眠らせておくれよー」と頼みに来ました。そらまめ君は、『君には大きすぎるよ!』『大勢で乗ったら壊れてしまうよ!』『僕の大切な宝物なんだから』とみんな断ってしまいました。
そして、ある日事件が起きます。ベッドが見当たらないのです。困った、困った!このままでは眠る所がないよ。と、そらまめ君は困って他の豆達に助けを求めました。
しかしみんなは知りません。必死に探す様子を見て「僕らにベッドを貸してくれなかったバツさ!」と、みんなで話し合っています。イジワルしたそらまめ君に対して、少し怒っています。
はーなんて可愛そう!あの時みんなにもベッドを貸してあげていたら、もしかしてみんなもベッドを探してくれたんじゃないかな?そらまめ君どうなっちゃうの?!とても心配してしまうシーンです。
しかし、時間がたって豆達も心が落ち着いてきたのでしょう。夕方になり、だんだん可愛そうになってきた豆達は、そらまめ君に、自分たちのベッドを貸してあげました。そらまめ君はきっとその好意に、とてもありがたい気持ちになった事でしょう!ありがたくベッドを借りることにしました・・・が、サイズや固さが合いません。あらら。
そらまめ君のベッドの中に、ウズラが卵を産んでいました。そして温めています。仕方がない・・・とベッドを側で見張っていたのですが、次第にベッドよりも卵の方が気になっていきます。宝物のベッドよりも卵から誕生する命の方が楽しみに思えてきたそらまめ君です。
探して、探して・・ようやく見つけた宝物のベッド。なんとウズラがどっしーんと乗っています。「僕の宝物なのにー!!」とビックリして悲しんでいます。しかし、よく見るとその中にはウズラの赤ちゃん卵が見えます。お母さんウズラがお腹で卵を温めているのです。卵を温めているなら仕方がないな・・・でも、壊されないか心配だな。と思っているそらまめ君です。壊されないように、潰されないように、側で”見張る”ことにしました。
しかし、側で見張っていると、ベッドよりも卵の方が気になっていきました。「あの卵は無事に育っているのかな?」「いつ生まれるのかな?」そんな風に考えるようになったそらまめ君。その頃には”ベッドを見張る”というよりも”赤ちゃんを見守る”よういなりました。
そして、ある日その卵から可愛いヒヨコが殻を割って出てきました!
「ヤッター!卵がかえったぞ!僕のふわふわベッドでヒヨコがうまれたー!!」と喜びます。ウズラのお母さんとヒヨコ達はすぐにその場から離れていきました。
そらまめ君は手を振って親子を見送りました。お母さんウズラは振り返って、そんなそらまめ君をじっと見るのですが・・・。きっとウズラのお母さんはそらまめ君が側にいた事や、卵を温めていたベッドはそらまめ君の物だった事をなんとなく知っていたのかもしれません。言葉にはしていませんが、『あなたのお陰よ!ありがとう!』とその瞳が語りかけているように感じるシーンでした。

ベッドを持ち帰ったそらまめ君。他の豆達も心配していました。大切にしていたベッドが戻ってきたことを自分の事のように喜んでくれるみんな。そらまめ君は自分のベッドに招待します。
無事にベッドを持ち帰ったそらまめ君です。そんなそらまめ君をずっと心配していた他の豆達は、帰りを喜びます。「お祝いのパーティーをしよう!」と、みんなは花や葉っぱを楽器にして、歌ったりダンスしたり大盛り上がりです!素敵な音楽や賑やかな笑い声が聞こえてきそうです。
カシャカシャ ドンドコ、プップクプー♪「今日は楽しいお祝いさ!」
なんと楽しいパーティーだったことでしょう!自分の事のように喜んでくれるみんなとの間には、掛け替えのない絆が生まれたように感じます。夜になり、そろそろ眠る時間です。自分のベッドに他の豆達を招待して一緒に眠ることにしたそらまめ君です。
なんて優しくて、幸せそうな表情なのでしょう。きっと1人で眠っていた時よりも、ぐっすり眠っているのかもしれません。他のお豆達も、スヤスヤ幸せそうです。
「ぐっすり眠ってね!」眠る表情を見ているだけで読者も幸せな気持ちになるラストシーンでした。
本人はまだ気がついていないのかもしれませんが、きっと、そらまめ君にとって大切だと思えるものに巡り合えた出来事だったのだと思いました。
”お友達”になるって嬉しい! そしてとても素敵な事ですね★
- 作品名:そらまめくんのベッド
- 著者名:なかやみわ
- 出版社:福音館書店

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