だれのほね?
動物の骨の姿みたことある?誰の骨かな?当てっこ遊びを楽しもう!動物好きにピッタリ!
☆際立った特徴
- ある動物のレントゲン写真のような姿が、その動物のヒントになる物と一緒に登場。
- 背景が真っ黒だから、骨の形がくっきりして見やすい。
- 貢をめくると答えが分かる。
- 文章はその動物のヒントが書かれている。答えを想像しやすい。
- 「ほね」と「からだ」を見比べる面白さ。
- 切り絵で描かれる作風。紙が重なることで立体的に見える。
- 動物だけじゃなく人間にも骨があって、同じ生き物だということに気がつく。
- シンプルな繰り返しのお話。
- イタリア・ボローニャ国際絵本原画展入選作家、たけうち ちひろが描く「切り絵の絵本」待望の第3弾!
☆読み聞かせのポイント
- 誰の骨だろう?と一緒に絵から考えてみましょう。その次に文章のヒントを元にさらに考えて当てっこしましょう!
- それぞれの動物の骨と肉のついた体と見比べてみよう。動物によって違った骨格なんだと見比べても面白いです。似ているようで全く違うのが、クジラとサメのページ。
☆あらすじ
レントゲン写真のような骨の絵があります。体が長くて、大きな口。誰の骨かな?ある動物の骨ですよ。誰なのか想像してみよう!
フワフワの毛に大きくて鋭い牙は、誰かな?
木に登る事が出来て、大きな鼻と鋭い爪は、誰かな?
「ザブーン」と波の音。大きな体と小さな体。親子じゃなくて、どうやら違う生き物みたいだよ。誰かな?
貢をめくると答えが分かるよ!さあ、誰なのかよーく見て、ヒントを聞きながら想像してみよう。
バラバラの骨だって、組み立てたらあら不思議!6種の動物の骨だ!誰の骨だろうね?
骨って生き物みんなにあるんだね。それぞれ違う形をしているんだね。
面白いね。
☆書店員の感想
前半は、レントゲン写真のような骨のページを見ながら「誰の骨かな?」と聞き、貢をめくるとその動物が描かれます。シンプルな繰り返しの物語です。
正直に言いいますが・・・、大人ですら普通骨を見ただけで誰の骨なのか分からないですよね。専門家でもない限り、きっと骨を見ただけで誰の骨か断言するのは難しいと思います。
しかし!本書の中で描かれる生き物の骨は、ほんの少しのヒントで想像がしやすいように工夫されています。例えば背景や落ちている物、骨だけど動物達の立ち姿だけでフラミンゴかな?と分かることがあります。
もちろん難しい動物もいますよ。例えば1番目にヘビが登場するのですが、ウネウネとした動きが出来るヘビは、大きな骨が頭と背骨だけで、他は何十個もある細い骨の組み合わせで出来ているようです。骨を見ただけだと、ゲジゲジ虫みたいにも見えるし、深海魚みたいにも見えます。私は貢をめくって初めて分かりました。
次に描かれるライオンですが、日頃見ているライオンといえばフサフサのたてがみ。しかし、骨になるとそのたてがみが見えないので、誰なのかまだ分かりません。
しかし、足元に落ちている骨付き肉や、文章中にヒントとして書かれている「フサフサの髪の毛と鋭い牙」で、ライオンかな?と想像が出来ます。
そもそも、骨のページは背景が真っ黒なので、ヒントを聞く前に、それぞれの生き物の骨の特徴を見つけやすいのも面白いポイント。「ここの骨が大きいね」「背骨が丸いね」など、自分で発見できると嬉しくなります。
切り絵で作られているから、立体的に見える。骨だけど怖さが無く、見やすいのもポイント!
ガイコツが動きだしたらどうしましょう?なんだか怖いですね。
本書の中の動物達のガイコツの絵は、なんだか動き出しそうな位リアルです。しかし、怖さをあまり感じないのが、本書の素敵な所だと思いました。小さい子も楽しむ事が出来るのではないでしょうか。
元の体とガイコツの姿をどちらも想像すると、「だから、こんな動きが出来るのか!」「長い首をこんなに太い骨で支えているんだな」と、その動物の動き方の謎が解ける事もあるでしょう。
”ガイコツは怖い感じがする”というイメージが一変して、骨ってすごいな!と感動するし、命の有難さや生命の力強さと素晴らしさも感じます。骨の姿を見て、こんな風に感動してしまう事に私自身とっても不思議です。
きっとこれは、本書の作り方に秘密があるのではないでしょうか。
先ほども言いましたが、骨を見た後で貢をめくるとその動物の生きている姿が見えます。2ページを見比べることで、「この部分がこんなに沢山の骨で出来ているんだな。」「サメとクジラは似ているようね全く骨格が違うんだね」と見比べ理解できるから、動物達の骨のすごさが分かるのです。
さらに、本物のように見えて切り絵で作られているからこそ、紙質や配色の温かみが加わって、怖さを感じないのだと思います。
小さな子ども達から、小学生~大人までとても楽しめる絵本だと思いました。実はカバーは水色の背景ですが、はがすと黒い背景に変わりますよ。遊び心を感じますね♬