ちいさな かわいい おべんとうばこ

ユーチューブで書店員ふたりが、絵本と子育て体験を語ります

ひめちゃんが忘れていったお弁当箱。いろんな動物たちが見つけて順番に楽しんでいきます。かわいいほのぼのとした絵のタッチに癒やされます。

☆3つのおすすめポイント

  1. ひめちゃんの、赤くて小さいお弁当箱。木の下に忘れていってしまいますが、森の動物たちが空っぽのお弁当箱でつぎつぎといろんな楽しみ方をしていきます。
  2. ひめちゃんが、お弁当箱を取りに来てフタを開けてみると、そこにはなにかが入っていました…!夢があふれるステキなお話です。
  3. 絵のタッチがふんわりとしていて、動物も木も風景も癒やされます。それぞれの優しい気持ちがあふれているようです。

☆あらすじ

野原の木の上に、お花の絵が描いてある丸いお弁当箱が忘れてありました。

赤くて可愛いお弁当箱です。

やまねが1匹やってきて、寝ぼけながら持って行きました。

持って行った先は、水辺です。お弁当箱を桶のように使い、上から流れてくる水をためてお風呂タイムです。

次に見つけたのは2頭のうさぎ。

お弁当箱をひっくり返し、おやつの時間のテーブル代わりに使います。大きさも高さもちょうどいいかんじです。

今度は大きなクマがやってきました。

お弁当箱に布を張り、太鼓のようにたたいて遊びます。キツネやたぬき、モグラと一緒に楽しく音楽会をして遊びました。

クマの次はアリの家族が見つけました。

木の棒にキャンディーの包み紙をつけ帆のように立て、川にお弁当箱を浮かべて船のようにすいすい進みます。たくさんのアリさん、楽しそうです。

その次にかるがも親子がお弁当箱に気づきました。

可愛いヒナたちも7羽います。しかしそのとき、後ろからしゅしゅしゅと音がします。

なんと、天敵の蛇が近づいてきているではありませんか!

ヒナたちは、急いでお弁当箱の中に隠れました。かるがもお母さんがそうっとフタでヒナたちを隠します。蛇は木の上へ進んでいきました。

みんな無事で良かったですね。

かるがも親子が帰ったあとは、三つ子のリスが見つけました。

木の実をどっさり入れて、3人で協力して運びます。

そのあと、また木の下に返してくれました。

すると、向こうのほうから、子犬のナナがわんわん!と吠えています。

ひめちゃんに、お弁当箱あったよ、と教えているようです。ひめちゃんも走ってやってきました。

お弁当箱にはなにか入っているようです。そうっと覗いてみると…。

木の実やお花、葉っぱに鳥の羽などが入っていて、まるで玉手箱のようです。ひめちゃんはお父さんとお母さんにも見せてあげました。

☆際立った特徴

ひめちゃんが忘れていったお弁当箱をめぐり、可愛い森の動物たちが思い思いに使い、楽しんでいきます。普段は美味しいご飯が入っているお弁当ですが、森の動物たちにとっては無限の使い方があって、夢があふれています。

お弁当箱を取りに来たひめちゃんも、お弁当箱の中の森の宝物を見て、誰がどんなふうに楽しんだのか想像が膨らみます。

いろんな動物たちも、シーンごとに変わっていくキレイな景色も、ふんわりと温かく優しい雰囲気で、どのページを見ても癒やされます。

お弁当を持って、緑豊かな場所へピクニックに行きたくなる風景です。

ちいさな かわいい おべんとうばこ 表紙

☆書店員の感想

●ひめちゃんの、赤くて小さいお弁当箱。木の下に忘れていってしまいますが、森の動物たちがつぎつぎといろんな楽しみ方をしていきます。

表紙には、美味しそうなおかずやサンドイッチがつまったお弁当箱が描かれていて、ひめちゃんが開けているようです。それをじっと見つめる子犬のナナもいます。お弁当箱は、ひめちゃんのお気に入りのようです。

そのお弁当箱を、木の下に忘れていってしまいました。

黄色のランチョンマットの上に、赤くて丸い、小さなお弁当箱の忘れ物。最初にやまねが見つけて、少し眠そうな顔をしながら、自分の体より大きなお弁当箱を転がして移動させています。やまねという動物、実は私はこの絵本で初めて知りました。ハムスターのような小さい可愛い小動物なんですね。お弁当箱を使ってお風呂に入り、気持ちよさそうな表情をしているやまねがとっても可愛らしいです。頭にクローバーを乗せて、まったりしています。

ウサギたちは、お弁当箱をテーブルのように使っています。ホタルブクロの花に水を汲んでいたのか、そこから向かい側に座っているウサギのコップに水を入れてあげています。きのこを椅子にして、森の食事会のようで可愛いです。

クマやキツネたちは、太鼓を鳴らして遊びます。たぬきはフエ、キツネは木で作ったようなカスタネット、モグラはひょうたんを使って作ったようなマラカスを持っています。森の中って、とっても楽しそうですね。地面にいるキリギリスたちも仲間に入っているようです。

アリたちは、お弁当箱の中に何匹でも入れますね。釣りをしていたり、はたまた寝ていたり、葉っぱを食べているアリもいたりで個性豊かです。水しぶきも勢いよく、本当に豪華客船のようなワクワクする旅です。

船のように楽しんだお弁当箱は、今度はカルガモのヒナたちを守ってくれます。ヘビに食べられないようにお母さんが守ってくれて、フタもヘビから隠れるのに大活躍。ヒナたちも、お母さんも良かったですね。ヘビが現れたときはヒナたちだけでなく、他のカエルやアリたちもビックリして逃げていっている様子が描かれていたので、ドキドキする場面でした。

三つ子のリスたちもワクワクでたくさんの木の実をお弁当箱に詰めて運びます。たくさん入れるのにちょうどいいですね。森の動物たちがそれぞれお弁当箱で楽しく過ごしたり、難を逃れたりするシーンがどれも印象深く、楽しかったりドキドキしたり、動物たちのようすに興味が湧いてきます。

●ひめちゃんが、お弁当箱を取りに来てフタを開けてみると、そこにはなにが入っていたのでしょうか。夢があふれるステキなお話です。

ひめちゃんが、子犬のナナと一緒にお弁当箱を探しにきました。木の下にお弁当箱が置かれているのに気づき、ナナがほえてくれます。ひめちゃんがお弁当箱を手に取ると、中に何か入っています。そっとフタをあけると、そこには森の動物たちのお礼の品のような、森の宝物がギュッと詰まっていました。

お話を振り返ってよく見てみると、やまねが帰った後にはフタの下にクローバーが置かれています。うさぎはそっとホタルブクロを置き、クマは首に巻いていたツタを置いて横目で見ながら帰っていっています。

アリが帰ったあとは、お弁当箱の影にキャンディーの包み紙がくくりつけられた木の棒が置かれています。かるがもは、お弁当の中にキレイな羽を入れたようです。そして最後に、三つ子のリスたちが、みんなのお礼の宝物を自分たちのどんぐりと一緒にお弁当箱に詰めてくれました。フタを開いたひめちゃんはビックリ。本当に玉手箱のようです。お弁当箱を忘れていってしまったひめちゃんでしたが、動物たちもひめちゃんもとても嬉しい結果になり、とても温かい気持ちになりました。

●絵のタッチがふんわりとしていて、動物も木も風景も癒やされます。それぞれの優しい気持ちがあふれているようです。

表紙からふんわりと癒されるようなタッチです。お弁当が忘れて置かれている木の風景が何度も出てくるのですが、出てくる度に背景の空が違っていて、雲のかたちも変わり、時間の移り変わりを感じられます。カルガモの親子が出てくる時は雲がヒナとお母さんの形になっていて、可愛らしいです。安心して帰っていくところでは、うろこ雲のようになっています。近くに見に来る動物たちや虫たちも、ハチや鮎、かたつむりや鳥などかわいい生き物が次々と出てきますので、森に遊びに行っていろんな生き物と実際に出会えたような嬉しい気持ちになってきます。また、やまねがお風呂に入っている時の上から流れてくる水のようすが爽やかで清らかで、見ているこちらも気持ちよくなってくるようです。クマたちの音楽会のにぎやかな様子も後ろの背景のキレイな植物たちが盛り上げてくれています。アリ達の勢いよく水の中を進んでいく様子も、水しぶきと風の描写でとても伝わってきます。普段出来ない遊びを思う存分楽しんでいるようです。

動物たちのいろんな表情と、生き生きとした動きが躍動的に描かれていて、みんな自然の中でのびのびと生活しているんだろうな、と想像が広がっていきました。

森や緑の多いところにお散歩に行ったら、どんな生き物に会えるかな?子供と一緒に散歩に行きたくなってくるように思いました。

ひめちゃんが開いたお弁当箱の中身が2ページいっぱいに描かれていて、つい「わぁ〜!」と感嘆の声をあげてしまいそうなステキなお弁当箱です。木の実の帽子の細かい部分や、キャンディーの包みの透明感、鳥の羽の色の混ざり具合など、どれも手にとって見たくなるような丁寧なタッチで描かれています。お弁当箱を貸してくれた、動物たちのお礼でしょうか、温かい気持ちと動物たちの笑顔がいっぱいに詰まっているように感じました。

ちいさなかわいいおべんとうばこ 裏表紙
にむさん
  • にむさん
  • 現在8歳と3歳の男児の育児に奮闘中です。
    兄が弟に絵本の読み聞かせをしてくれることもあり、そこから学ぶことも多い日々です。
    短大で介護の勉強をし、介護福祉士を持っています。