できるかな?あたまからつまさきまで
体を動かすことが大好きな子にピッタリ!動物の様々な得意な動きを真似っこ遊びをしましょう!今よりもっと動物が大好きになる絵本です。
☆3つのおすすめポイント
- 様々な動物が登場します。隣には男の子か女の子が1人。その動物らしい動きを紹介します。「君にも出来るかな?」とその動物が一緒にやろうと誘います。さあ、一緒に体を動かして、真似っこ遊びを楽しもう!
- 動物達の中に、最後人間が登場します。人間も動物の1種。動物と人間を切り分けるのではなく、繋がりを感じるようです。動物達の様子を見ていると、動物の声や動くの音など、聞こえてくるようです。
- 鮮やかな色彩の組み合わせで描く作者エリックカールさん。動物へのリスペクトを感じます。それぞれの個性を最大限活かして表現しています。
☆際立った特徴
動物達が「この動き出来るかな?」と、いろんな動きを見せてくれます。ペンギンは頭をくるっと回したり、ゴリラは胸をどんどこ鳴らしたり、ゾウは地面を踏みならすようにどっしんどっしん!という動き。その他にもキリン・バッファロー・さる・あざらし・ねこ・ワニ・ラクダ・オウムが登場!それぞれどんな動きを教えてくれるのかな?
動物と向かい合って子ども達が「僕もできるよ!」とやってみせます。読者も一緒に真似っこ遊びを楽しみましょう!すると、自分も動物達になれたような気持ちになれます。さらにゴリラさんは他にどんな動きをするのかな?と想像して遊んでみるとさらに面白さが膨らみます。
☆あらすじと書店員の感想
様々な動物が登場します。隣には男の子か女の子が1人。その動物らしい動きを紹介します。「君にも出来るかな?」とその動物が一緒にやろうと誘います。さあ、一緒に体を動かして、真似っこ遊びを楽しもう!
首がぐるんと180度回転するペンギン・首が長くてアーチのように伸ばして曲げられるキリン・肩の筋肉と毛並みが発達していて上下に動かして息をするバッファロー・腕の長いサルは器用に指先まで動かす事ができます。「こんな事が出来るよ!君も出来る?」と隣にいる人間の子どもに聞いています。「君も出来る?」なんて聞かれるとやってみたくなりますよね。そうです、動物達は『一緒にやろうよ!』と誘っているんです。
ぜひ、やってみましょう!それぞれの得意な動きです。人間が真似しようとすれば首は180度回転できないし、アーチを描くように首を伸ばして曲げることは出来ません。でも、自分に出来る範囲で真似っこを楽しんでいいんです。
そして、バッファローのページを見てみると、実は女の子がバッファローの雰囲気を真似するかのように顔まで動かして力強いようなイカツイ顔です。肩も上下に動かして顔もバッファロー風にしていると、なんだかそれに見えてくる?!のかも。
動物と人間が同じページ内で同じ動きをしていると、なんだかこの二人は中が良さそうだなと見えてきます。仲が良いから真似っこするし、真似っこするから仲良くなれる・・・。きっと読者も真似っこしたら、この二人の仲間入りができますね!
動物達の中に、最後人間が登場します。人間も動物の1種。動物と人間を切り分けるのではなく、繋がりを感じるようです。動物達の様子を見ていると、動物の声や動くの音など、聞こえてくるようです。
最後は人間の男の子がオウムに対して、「こんな動き出来る?」と聞きます。今までは動物達が人間の子ども達に紹介していたのに、立場が逆になりました。そして、オウムも今までの子ども達と同じように真似をして「デキルヨ!デキルヨ!」と答えてくれました。
今までの流れから見ると、違和感を少し感じる方もいるかもしれません。が、よく考えると、人間だって動物です。そして、ここまでのページで人間と動物達は十分仲良くなってきました。
人間と動物は切り分ける存在ではなく繋がっていて、友達になれる存在なんだなと思うエンディングだったと私は思いました。
お互いの個性を活かしあって、様々な動きを紹介しあって、動物と人間が一緒に遊べるなんて、とっても素敵です。
そして、本書を見ていると、例えばゾウなら「ドシーン ドシーン」と地面を鳴らす音や、ロバの後ろ足を蹴り上げる時に「ヒヒーン!」と言う声まで聞こえてきそうだと思いました。
動物へのリスペクトも感じるデザインです。それぞれの個性を最大限活かして表現しています。
手描きで色を塗った紙を貼り合わせて構成されている作者エリックカールさんの絵本。その中でも本書は動物へのリスペクトを感じます。ゴワゴワとしたバッファローの毛並み・黄色の肌に茶色の模様のキリンは体の部位によって模様の大きさも形も変えています。
ネコのページを特にピックアップして見てみると、このネコの動きは、怒った時や体を伸ばす時に実際にする動きです。そしてそんな時は一瞬毛が逆立ちます。一見左右にざっと描いたラインにも見えますが、よく見ると毛が逆立っているように見えます。
エリックカールさんは、きっと動物達の一瞬一瞬の様子を毛並みまで観察して描かれたのではないかと思いました。
きっと動物が大好きで、それぞれをリスペクトしているのではないでしょうか。
本書を読みながら真似っこ遊びも楽しめますが、じっくりお子さんと観察するのもオススメです。「爪が大きいね!」「ごつごつした背中だね」など、動物達の特徴を探しながら見ていくと、その動物の生き方まで見えてくるかもしれません。
実際には見てみたことがない動物でも自分らしい考えを話し合って想像しても更に楽しめると思いました。どんどん動物に興味が膨らんで、好きになることでしょう♪
- 作品名:できるかな?あたまからさきまで
- 著者名:エリック・カール 訳 くどうなおこ
- 出版社:偕成社