とっとこ とっとこ
おしゃべりをはじめた、小さなお子さんにピッタリ!動物たちと可愛い靴をはいて、とっとことっとこおでかけしましょう。
☆3つのおすすめポイント
- 子どもたちが大好きな、可愛い動物たちがたくさん登場します!一緒に靴をはいてお出かけしたくなるような楽しいお話です。
- 切り絵の動物たち、背景が元気いっぱいな雰囲気で、色の組み合わせも明るくハッキリとしていて子どもの目に楽しく映ります。
- 可愛い靴を履いてどこにお出かけしようかな。ワクワクした気持ちになるような絵と、リズミカルでポップな文章もキュートさを引き立たせています。
☆際立った特徴
この絵本は【よんでよんでのえほん】シリーズで、おしゃべりを始めたころの、小さなお子さんにぴったりの絵本です。
いろんな動物たちが登場してきて、可愛い靴をはいて「とっとこ とっとこ」とリズミカルに歩いていく、繰り返しの文章がテンポ良く進んでいくお話です。
絵本の大きさは18.6㎝四方の大きさの正方形で、大人の片手を広げた分くらいの大きさです。小さなお子さんも持ち運びやページをめくったりなどしやすい大きさです。
☆あらすじと書店員の感想
●子どもたちが大好きな、可愛い動物たちがたくさん登場してきます!一緒に靴をはいてお出かけしたくなるような楽しいお話です。
表紙のネコさんがニコニコと目を細めた表情で草むらから登場してきています。黄色の長靴のような靴を履いて、とことこと歩いています。中のお話を見ていくと、両手を挙げて、片足も上げて陽気な雰囲気のネコさんです。お気に入りの靴をはいてお散歩、とっても楽しいですね。
小さなアリさん。小さなアリさんには紫色の小さな靴がピッタリです。アリさんもとっても楽しそうなようすで歩いています。
ブタさんは手袋もしているのでしょうか。大きな鼻が特徴のブタさん。濃い紫色の靴がよく似合っています。
カエルさんは緑色の体に赤い靴、へびさんは青紫色の体に、黄色の靴です。へびさんは足、というよりかはしっぽのほう、体の後ろの先端に黄色の靴を履いています。靴で歩く、という感じではないのかもしれませんが、みんなと一緒の靴を履いて嬉しそうに移動しています。口からは長い舌を出して、嬉しさを表現しているようです。
ロボットはかくかくとした体にピッタリの、角ばった長靴です。ロボットですが、こちらもニッコリとした表情が印象的です。
タコは8本の足全部に靴を履いていて、出かけるときの準備は大仕事だな、と思いました。靴をなくさないようにしないといけませんね!靴は2足で1セットですが、生き物によってはそれは当たり前のことではないんですね。そういった点にも気づかされます。
星さんの靴は、星のかたちに合わせているのでしょうか。靴の先がちょっととがって上に反っていて特別感があります。そんな雰囲気が星にぴったりで、ピカピカと光る、という設定が素敵ですね。次男がいま履いている靴も光る靴で、とってもお気に入りのようです。(笑)自分が子どものころはそんな靴はなかったので、靴も進化しているんだな~と思います。
ひよこやゾウも、自分の体や足の大きさに合った靴を履いています。これからファーストシューズを履くお子さんや、お散歩デビューをしたお子さんなど、靴を履く、という事に楽しみを感じる内容のように感じました。
お出かけをするときは靴を履く、靴を履いたらお外で歩く…。そんな楽しみがこれからたくさん待っていますね。
●切り絵の動物たちや背景が元気いっぱいな雰囲気で、色の組み合わせも明るくハッキリとしていて子どもの目に楽しく映ります。
絵が生き物たちや草、木なども含めてすべて切り絵で作られ、描かれているようです。そのキャラクターや草むらなどの絵と、背景の色との組み合わせが明るく、キュートな印象を受けます。ページをめくるごとに色が変化していき、出てくるキャラクターも変わっていきますし、履いている靴の色も違います。
そんな可愛い変化の中お話は進んでいきますが、生き物たちの進む方向はみんな一緒なので、どこに行くのかな、と気になってくる楽しい描写に感じました。
キュートでポップな雰囲気のところもありますが、背景がうす紫色のような、くすんだような淡い色のページもあって、優しいようすも感じられます。水色の背景に、登場人物たちが勢ぞろいして一列になって歩いているようすも、一緒に行進したくなるような楽しさが溢れています。そして、次のページをめくるとみんなの靴だけが置かれています。また、あしたね、とお別れしたようですが、これはだれの靴だったかな、と思い出しながら読み進めるのも楽しめるページだと思いました。そして、読んでいるお子さんも、また明日ね、おやすみ、と言って眠りに入っていける寝かしつけの1冊にも良い絵本のように感じます。
●可愛い靴を履いてどこにお出かけしようかな。ワクワクした気持ちになるような絵と、リズミカルでポップな文章もキュートさを引き立たせています。
みんな色とりどりの素敵な靴を履いてお出かけです。子どもが小さいころは親の好みで靴を選んで履かせていましたが、3歳前後からは靴屋さんで自分で選ぶようになり、新幹線のシューズやキャラクターのシューズ、現在は光るシューズ、と自分のお気に入りのものを探して決めるようになりました。親の好みとは違いますが、本人はとても気に入って、すすんで自分で靴を履いてくれるので、それでよしとしています。(笑)
この絵本でも、靴を履いているみんながニコニコとした表情で嬉しそうに歩いているので、靴を履いてお出かけする楽しさが存分に味わえるお話だな、と思いました。
また、とっとことっとこ、という文章も、キャラクターによって字体や文字の大きさ、書かれている言葉の数も変化しています。
アリさんのときは小さく文字が書かれていますし、ロボットのときは文字も角ばった字体です。へびさんのときには「とーとこ」と表現されていて、面白く感じます。たこさんのときは足の本数の8回分『とっとこ』が書かれていて、忙しく足を動かして歩いているようすが表現されているようです。ゾウさんのときは文字が大きくなっていますし、この文字に合わせて言い方を変えながら読み聞かせするのも雰囲気が変化してより楽しめそうです。
繰り返される文章でお子さんが楽しみやすく、読み手の読み方ひとつで楽しみ方がどんどん広がっていくので、親子での絵本のコミュニケーションにピッタリな絵本のように感じます。
子どもたちに親しみのある生き物がたくさん出てきて、とことこ歩く姿が可愛らしい、自分も一緒に散歩を楽しんでいるような気分になるウキウキとした気持ちが膨らむような絵本です。