なきごえバス
鳴き声が聞こえたら、「乗せて!」の合図だよ。誰の鳴き声が聞こえるかな?「なきごえバス出発進行!」1歳から就学前までピッタリ!鳴き声クイズも楽しめます♪
☆際立った特徴
- 男の子が楽しんでいるバスの運転手さんのごっこ遊び。楽しさや想像がどんどん膨らんでいきます。
- 誰の鳴き声かな?バスに乗りたいお友達が声で知らせてくれるよ。
- 帽子をかぶったり、洋服を着たり、沢山のオシャレな動物達が登場。
- 最後に「のせて」と言ったのは誰かな?きっと男の子の大好きな人ですよ。
☆読み聞かせのポイント
- 動物達の鳴き声だけで誰の声かわかるかな?当てっこ遊びを楽しみましょう!
- 鳴き声と動物の名前がマッチしてきたら、クイズ変えても面白い。「ネコさんってどんな鳴き声かな?」
- 乗り物の運転手さんになったはるちゃん。自分でもやってみたくなるよ。親子で一緒に遊びましょう♩
☆あらすじと書店員の感想
はるちゃんとこぶたちやん。”なきごえバス”が発車します!「乗りたい方は、鳴いてくださーい」という発想が面白い!楽しそうで可愛らしい乗り物に、動物達も乗ってみたくなって、次々に鳴いてお知らせします。
「乗りたい人は手をあげて」ではなく、鳴いて知らせてねという発想が面白いなと思いました。動物達の中には手を高く上げられない動物もいるし、小さくて見えない事もあるからかな?と最初は想像をしたのですが、きっとそれよりも、作者の江頭路子さんは動物達の魅力的で個性的な声をクローズアップし、その可愛らしさを最大限に表現したのかなと思いました。
どの動物も可愛らしい鳴き声を聞かせてくれています。鳴き方は違えど、みんな仲良く楽しそうな表情を描いています。
そして、どの子もみんなオシャレに描いているのも見どころです。フリフリの水玉パンツをはいているこぶたちゃんや、青いサロペットにカバンを持ったいぬさん、赤いハットのねこさんもバスに乗り込みます。
この赤いハットが風に飛ばされて、それを拾ったすずめさんが一生懸命追いかけてきたり、いぬさんのカバンに忍ばせていたバナナをバスの中で分け合いっこして食べたりと、ただオシャレではなく、物語に深みを与えています。
ラストシーンが素敵★「はるちゃーん私も乗せてー」と声がして誰の声なのかこのページで探すけど見当たりません。貢をめくると、その声の主がはるちゃんの前にニッコリ立って描かれています。
バスの終点では、まだかまだかと待っている動物達がいました。ニワトリさんを待っていたヒヨコさん達。イヌさんを待っていたキツネさん。きっと「おかえりー!待っていたよー!」と迎えているのでしょう。
行きたい場所を目の前にバスからすぐに降りて、歩き出しているニコニコ笑顔のゾウさんの姿や「とうちゃーく!」と両手をあげて喜ぶカエルさんの姿もあります。
これらは全て文書で説明している訳ではないのですが、このページを見てるだけで「お迎えに来ていたんだね。」「会えてうれしそうだね。」「あっちにはきっとゾウさんの行きたかった素敵な場所があるんだね。」と、想像し、読者も幸せな気持ちになります。
そして、こぶたさん以外の乗客が降りた”なきごえバス”です。次はどんなお客様が「乗せてー!」と鳴いて知らせてくれるのでしょう。
聞こえてきたのは「はるちゃーん私も乗せてー」です。誰でしょうね・・・★
はるちゃんの大好きなあの人かな?
動物達の鳴き声だけで誰の声かわかるかな?当てっこ遊びを楽しみましょう!鳴き声と動物の名前がマッチしてきたら、クイズ変えても面白い。「ネコさんってどんな鳴き声かな?」
鳴き声だけで、どんな動物なのかクイズにしてみると、さらにとっても楽しくなるお話でだと思いました。簡単な「わんわん」「にゃぁにゃぁ」もありますが、「ケロケロ」や「コケコッコー」はどうでしょうか?
さらに物語を読みながら『「ぱおーん」って聞こえるよ。誰の鳴き声だろうね?』という遊びに発展させても面白い読み方だと思います。
分かるようになると、子どもの方からこんなクイズを出してくれるようになります。お互いにクイズを出し合いっこして楽しむ事で、どんどん素敵な絵本タイムになるかもしれません。
裏表紙は、はるちゃんがお昼寝をする姿です。よく見てみてください。はるちゃんのおもちゃ箱に、物語で登場するイヌさんやネコさんがぬいぐるみの姿で登場しています。はるちゃんと手を繋いでいるこぶたちゃんのぬいぐるみもあります。
あれれ・・・?これは夢の中のお話だったのかな?それとも”ごっこ遊び”の後に疲れて眠ってしまったのかな?なんて考えてしまった私したが・・・。正解はきっとありませんね。大好きなお友達と遊んだという事だと思います★
とても愛らしく可愛らしいお昼寝姿に、大人も癒されます。お子さんなら、きっとおやすみ前に読んであげると、だんだん眠たくなるかもしれません。
「はるちゃん、またお昼寝から覚めたら、いっぱい遊んでね」
- 作品名:なきごえバス
- 著者名:江頭路子 (公式サイト テンキアメ)
- 出版社:白泉社