ばあ

ハッキリした色合いと、ついつい見入ってしまう独特な顔と雰囲気!赤ちゃんにもピッタリ!しかけ絵本にもなっていて、どのページも刺激的です。

☆3つのおすすめポイント

  1. 「ばあ」の表情が面白い!顔だけど、非現実的なような色やパーツ。刺激的でちょっとクセになりそうな、色の組み合わせも楽しいしかけ絵本です。
  2. しま模様や水玉模様、どの模様が好きですか?ちょっとレトロな感じもある配色、対称的ですが手書きで描かれているような優しい風合いも感じます。
  3. 赤ちゃんの目にもハッキリと映りそうな配色で、ファーストブックにもおすすめです。赤ちゃんと一緒に「ない ない ばあ」をして楽しみましょう!

☆あらすじ

表紙を開くと、黒い背景に三角、四角、ハート、ひし形、丸の形が描かれています。

5つ全部色が違っていて、黒の背景に映えています。

ページを開くと黒と黄色のしま模様!

視界に入るだけでとってもまぶしいくらいの描写です。右側のくりぬかれたところから「ぐるぐる…」という文字が見えていて、本当にぐるぐるで目が回りそうです。

つぎにめくると、赤色の背景に青い顔。

丸くくりぬかれたところから、前のページの黄色と黒のぐるぐるが見えていて、ちょうど鼻の部分になっています。

その顔はまるで「いないいないばあ」をしたときの「ばあ」のような表情に見えます。

次は、ピンクと黒色のよこしま模様。四角の穴が空いています。

ページをめくると、穴の部分がまた顔の中央にあって、鼻の部分と重なります。黄色の顔に、ピンクと黒色のよこしま模様の鼻。ビックリしたような顔をしているのがユニークです。

次は、白い背景に黒の水玉模様が規則正しく並んで、ページを埋め尽くしています。

右側のページではハート型にくりぬかれていて、てんてん…と書かれています。

めくるとまたまたお顔が。今度は緑色の顔の鼻の部分がハート型でくりぬかれている仕掛けで、そこから黒のドット柄が見えています。この顔も、ビックリしたような、ばあ、といって驚かしているような顔をしています。

今度はひし形の仕掛けで、右側のページがくりぬかれています。

そして、模様もひし形で描かれていて、緑色と黒色の組み合わせがなんとなく忍者のような、レトロな雰囲気を感じさせます。

めくった先にある顔は、真っ赤です。背景が黄色なので、そのインパクトは絶大。

鼻から見える色は緑と黒です。色のコントラストがハッキリしていて、言葉の「かくかく…」とマッチしているようです。

次のページでは、三角のとがっているほうが下を向くようにくりぬかれていて、びりびり…と言葉が書かれています。ページ全体の模様は青と黒のギザギザ模様が縦に交互に描かれていて、びりびりと感じさせます。

ページをめくると描かれている顔もこの「びりびり」の模様が使われていて、目も星形、ばあと驚かせたような、驚かされたような顔をしています。

そして最後に、ページが全部真っ黒。けれど、右側のページには5種の形、ひし形・三角・ハート・丸・四角がくりぬかれています。「ないない…」と書かれていますが、つぎのページに進むと、今まで出てきた顔が「ばあ」と5色の顔で登場し、全員集合といった感じです。

ばあ 表紙

☆際立った特徴

表紙に、「ない ない ばあで みんなにっこり」と書いてあります。絵本の中に出てくる顔は、みんな「ばあ」と言葉が一緒に書かれているので、いないいないばあの要領で読み進めるとより一層楽しめる絵本です。

色がハッキリしており、パステルカラーや原色など色の組み合わせも斬新で、色のコントラストが強いので、赤ちゃんの頃から視覚の刺激を得られ、見て楽しめます。いろんな色、いろんな表情に、見る楽しみを感じられます。

絵本の大きさは15㎝×15㎝の正方形で、小さいお子さんの手でも持ちやすいコンパクトなサイズ感となっています。

☆書店員の感想

●「ばあ」の表情が面白い!顔だけど、非現実的なような色やパーツ。刺激的でちょっとクセになりそうな、色の組み合わせも楽しいしかけ絵本です。

表紙からインパクトの大きい、印象的な顔が描かれています。絵本の中の1つめに描かれている顔と同じなのですが、赤い色の背景に、濃いめの水色の顔。黒い目と口に、黄色と黒色のしまがぐるぐると丸く描かれている円。その顔の上に黄色で「ばあ」とタイトルが描かれています。なんともミステリアスな印象を受けました。口の中も真っ黒に塗りつぶされていて、今にも吸い込まれそうな、口から何か出てくるような不思議な感覚にさえなります。

そして表紙をめくり進んでいくと、黄色と黒色の細いしま模様が円を描いて描かれています。

黄色と黒色の組み合わせって、ハチのおしりや三角コーン、電信柱に巻かれているものなど、「危険」を知らせる組み合わせでもありますよね。それほど目にパッと飛び込んでくる色合いなように思います。このページも開いて、ちょっと目がチカチカしますが、見ているうちに目がぐるぐるとしてきそうなトリックアートのようにも感じました。

そして、表紙と同じ顔が登場します。まずは鼻が「まる」にくりぬかれていますね。

穴から「ぐるぐる…」と言葉が見えていたので、「ぐるぐる…、ばあ」とこの水色の顔を見せると、いないいないばあのように楽しめそうです。

つぎに出てくる顔は、目の形が面白いです!涙のしずくの形を逆さまにしたような目に、まつ毛が5本、口もひょうたんを横にしたような形で、4本だけ歯のようなものが描かれています。目の形が珍しくて、そして鼻のピンクと黒色の組み合わせとピッタリで、見入ってしまいました。

さらに、次の顔の色は「緑色」です。緑色の顔ってなかなかないように思いました。しかも背景がピンクで可愛らしく、より緑色が目立っているようにも思いますし、目と口が黒く塗りつぶされている不思議な表情の感じが中和されているようにも思いました。「ばあ」とこの顔が出てきたらビックリしそうです。

また、次の顔は眉毛がつながっていて、顔が仕掛けのくりぬきと同じひし形です。赤い顔に黄色の背景がパリッとした印象を受けます。さらに次の「びりびり」のところの顔では、眉毛と口が前のページのギザギザ模様と一緒、目が星形で、鼻が三角、鼻から見えている模様もギザギザですべてがとがっています。「びりびり!」と刺激を受けたような顔にも思えて、組み合わせるパーツ、色が違うことでこんなにも表情から受ける印象って違うんだな、と改めて感じました。

このように、模様と顔が交互に出てくるのですが、顔の中心部分のくりぬかれている部分が、全部違います。表紙をめくった1ページ目に5種類の形(ひし形・三角・ハート・四角・まる)が描かれていて、その形が順番に仕掛けのくりぬきの形として出てきています。

色の組み合わせを見て楽しみながら、くりぬかれている形を一緒に見て、「これは四角だね」「ハートだね」と声をかけることで、形を覚えるきっかけにもなるように思いました。

●縞模様や水玉模様、どの模様が好きですか?ちょっとレトロな感じもある配色、対称的ですが手書きで描かれているような優しい風合いも感じます。

どのページの模様も、黒色との組み合わせです。ほかの色との組み合わせだとあまり目立たない、ハッキリしない色使いになるときもあるかもしれませんが、黒と組み合わさることで黄色やピンク、白もハッキリしますね。顔のパーツも黒しか使われていないので、ハッキリした色同士が組み合わされていてコントラストがハッキリしている印象ですが、全体的にごちゃごちゃせず、なんとなくまとまっているようにも感じました。

円や水玉、ボーダー、ギザギザの模様がありました。レトロな組み合わせにも感じましたが、オシャレな雰囲気にも思います。色の組み合わせもですが、それを活かした線の太さなども考えて作られているのかな、私的にとても好みの模様や色合いだなと思いました。特に、「しましま…ばあ」のところの、水色の背景に黄色の顔、ピンクと黒色のボーダーの鼻の組み合わせの色合いがとても好きです。大人が見ても、うきうきするような配色のように読んでいて感じました。

また、全体的に対照的に描かれているようなのですが、線はきっちりしておらず、手書きで描かれているのかな?と思いました。模様もピシッと線が引かれているわけではなく、丸やギザギザも線に良いゆるさがあり、それがはっきりした色使いの中からも温かみを感じることにつながっているように感じました。

また、最後のページの顔が全部集合するところでは、鼻の中が各形でくりぬかれていて、バックの黒が見えていて全部黒色になっています。それぞれ表情は全く違いますが、それぞれ可愛らしく、スタンプのように感じました。

ばあ 裏表紙

●赤ちゃんの目にもハッキリと映りそうな配色で、ファーストブックにもおすすめです。赤ちゃんと一緒に「ない ない ばあ」をして楽しみましょう!

赤ちゃんの視力って月齢が低いうちは未熟なんですね。少しづつ見えてきたような時期や、お座りができるようになったころから、お子さんの成長を見つつ一緒に読み始めるといいかもしれません。色や形が「見える!」という楽しみを実感でき、興味を持って手を伸ばしたりページをめくってみたり…いろんな楽しみ方ができるように思います。

また、「ばあ」と開いた時に出会う顔の印象はとても大きいかもしれませんね。いろんな顔・表情に出会う体験になりそうです。そして、絵本のくりぬき部分から見える言葉が模様によって異なるので、ボーダーの時は「しましま」、ドット柄の時は「てんてん」など、その模様にあった言い方、見えたものの伝え方も自然と身につけられそうに思いました。

赤ちゃんの頃から楽しめ、一緒に読んでいる大人にも顔や色合いで楽しい感覚を感じられると思います。ぜひ親子で、一緒に楽しんでみてください。

にむさん
  • にむさん
  • 現在4年生と年長の男の子、1歳の娘の育児に奮闘中です。
    兄が弟に、さらに最近では弟が妹に絵本の読み聞かせをしてくれるようになりました。子どもたちの姿から学ぶことも多い日々です。
    短大で介護の勉強をし、介護福祉士の資格を持っています。