ばんそうこうくださいな
怪我をしても大丈夫!魔法の「絆創膏」があるからね!やんちゃざかりの2歳頃からオススメ!お世話好きな子にもピッタリ!
☆際立った特徴
- 絆創膏ってすごい!痛みが消えるよ!(ような気持ちになる)魔法みたい!
- 絆創膏で、お友達がケガをしたら助けるよ!
- 全部使って無くなった時、助けた動物達のママが絆創膏をお返し。
- 色んな動物の模様の絆創膏が集まったら、なんだか嬉しくって楽しい気持ち。
- 「痛いの痛いの飛んでいけ!」という魔法の言葉がピッタリ!の絵本。
※「おまけ」では私の子どもが通っている小児科での”絆創膏話”をしています。家も出来る工夫でもあります。
☆読み聞かせのポイント
- 子どもって絆創膏が大好き!だって怪我した時に痛みが収まるし、なんだか貼っている事がカッコいいでしょ!こんな絆創膏あったら嬉しいね!ってお話して楽しみましょう!
- 絆創膏が無くなった時、うみちゃんの声で、みんなが持ち寄ってくれました。うみちゃんが優しく手当てしてあげたから、お返しにみんな来てくれたんですね。
- 「痛いの痛いの飛んでいけー!」昔の人は素敵な言葉を残してくれたと思いませんか?言葉だけでなく、その時に優しく撫でてもらった事や、絆創膏で手当してくれた事が、痛みを和らげてくれたという事なのかも。
☆あらすじ
女の子のうみちゃん。転んで膝をすりむいちゃった。
お母さんが絆創膏を貼ってくれたら、あら不思議、痛いのが飛んで行ったよ!
うみちゃんは絆創膏を箱ごともらって、お外で絆創膏屋さんを開く事に。
ジャンプでおでこをケガしたカエルさんに、小さな絆創膏を貼ってあげたり、背中を虫に刺されたリスさんには四角い絆創膏を貼ってあげました。
お尻を掻きすぎてヒリヒリして泣いているサルさんには大きい絆創膏。
でこぼこの岩でお腹を擦りむいたヘビ君には細長い絆創膏をペタペタペタ…長い体にペタペタペタ・・・あれ、もう箱の中にあった絆創無くなっちゃった。
困ったうみちゃん。大きな声で、
「誰か絆創膏もってませんかー?」
すると、今まで絆創膏を貼ってあげた動物達とお母さんが一緒にお返しの絆創膏を持ってきてくれたよ。
うみちゃんの声を聞いた他の動物も持ってきてくれたよ。
「みんなありがとう!」
これでヘビ君のお腹のケガに全部貼ってあげることが出来ました。
「痛いの痛いの、みんな飛んで行ったね!良かったね!」
残った絆創膏は、また元の箱の中に入れたんだけど、さっきお母さんからもらった時とは少し違うみたい。
箱の中は色んな動物の模様の色んな絆創膏でいっぱいになりました。
☆書店員の感想
絆創膏ってすごい!!でも本当は「誰かに手当てしてもらった」事で痛みが和らいだのかも?
ケガをしたうみちゃん。お母さんに絆創膏を貼ってもらったら痛いのが飛んで行ったそうですよ。すごいですね!絆創膏って。
私は子どもの頃からやんちゃ娘で、よくケガもしたし捻挫や打撲は日常茶飯事でした・・・。(自慢にもならないのですが。)でも、両親とも仕事をしていましたし、面倒を見てくれていたおばあちゃんは厳しい昔の人だったので擦り傷位なら、「ツバを付けていれば治る!」と言われた事もありました・・・。今となれば笑い話だけど、その時は寂しかった思い出が・・・。自分で絆創膏やシップを貼ったりしてました。
なぜそんな話をしたかというと、やはり小さな時はどんなケガでも一応でもいいから「大丈夫?」と言ってケガを見て欲しかったし、何かしら”手当て”をして欲しかったなという思いが今でもほんの少し思いとしてあるからです。
本書の主人公のうみちゃんは、絆創膏を貼った途端に「痛いの痛いの飛んで行った!」と言っています。
本当はそれは、絆創膏の力と、お母さんが手当してくれたという嬉しさの表れだったのではないかと感じました。
まだ本人は幼くて、そんな事には気がついていないようだけど、手当てしてもらったという事と絆創膏という「見える処置」が、痛みを和らげたのではないかと感じたシーンだと思いました。
だからこそ、うみちゃんも誰かに絆創膏を貼ってあげたくてお店屋さんを開いたのかもしれませんね!
絆創膏屋さんは大活躍!でも途中で絆創膏がなくなっちゃった。どうしましょう?
頭をぶつけたカエル君。虫に刺されたリスさん。お尻を掻きすぎたおさるさん。みんなにそれぞれピッタリの大きさの絆創膏を貼ってあげるうみちゃん。それまで泣いていたのに貼った途端にニッコリ笑顔です。絆創膏パワーとうみちゃんの優しさが届いたのでしょうね。
そして体の長ーいヘビさんがケガをして来た時、長い絆創膏を貼ってあげるんだけど、なんせ長い体だから貼っても貼ってもまだ足りなくて、いよいよ持っていた絆創膏が無くなってしまいました。
まだ血が出ている場所があるのにどうしよう・・・と思ったうみちゃんは、誰かに向かって、「ばんそうこうくださいな!」と大きな声で言いました。
すると、ケガを手当てしてもらった動物達がお母さんを連れて、お返しの絆創膏を持ってきてくれました。他にもうみちゃんの声の聞こえた動物達が、自分達はケガをしていないけど、「これを使って!」と持ってきてくれました。
とっても嬉しいお返しだし、優しい助け合いですね。
おかげでヘビさんの残りの傷にも絆創膏を貼ってあげることが出来ました。もうケガをした子はいませんよ。絆創膏を貼って、みんなそれぞれ「痛いの痛いの飛んでった!」となったわけですとっても素敵ですね。
絆創膏の箱の中は、みんなの助け合いがあった事を表していてとっても素敵なラストです。
一度は空っぽになった絆創膏の箱の中が、最後にはまたいっぱいになりました。それは、動物達が持ち寄った絆創膏が入っているからです。
緑のカエル柄・サルのお尻の色のピンク・しまリス柄・ウサギのベージュ色・キツネの黄金色・アライグマの灰色・カラスのまっ黒・・・。
この箱の中を見ていると楽しくなるのは私だけでしょうか。なんかみんなの優しさが詰まっているように思えて、嬉しい気持ちになるラストシーンでした。
〇おまけ
表紙と裏表紙の内側のページに、本文には登場しない動物や昆虫の柄・形・色の絆創膏が描かれています。「これは何の生き物の絆創膏だろうね?」と、親子や兄弟・お友達と話して楽しんでみてはいかがでしょうか。私なら次にケガをしたら・・・ウシ柄を選ぼうかな。ヒトデの星の形の絆創膏も素敵★
持っている絆創膏に絵を描いてあげてもお子さんは喜ぶかもしれませんね。
ちなみに話が脱線するのですが、子どもがいつも行く小児科では注射をすると、アンパンマンのキャラクターが描かれた絆創膏を貼ってもらえます。娘は注射の跡が痛いからまだ泣きたい気持ちだけど、痛い場所を見るとアンパンマンの絆創膏がほほ笑んでいて、可愛いからなのか嬉しそうにしています。
絆創膏パワーってすごいなと思ったし、それを描いてくれたスタッフの方の気持ちが、娘を笑顔にしてくれているんだと思います。母としては感謝です★
- 作品名:ばんそうこう くださいな
- 著者名:矢野アケミ
- 出版社:WAVE出版