ふゆやさいの ふゆやすみ
雪が降るような季節にピッタリ!冬野菜達の遊びを覗いたら、一緒に遊びたくなるよ!美味しい冬の料理が食べたくなるよ♬
☆際立った特徴
- 【きせつのおやさい・言葉遊び絵本シリーズ】の中の1冊。”冬”
- 冬野菜達が畑を離れて、楽しく冬休みを過ごす姿。
- 外が苦手な野菜と得意な野菜。それぞれが好きな遊びを楽しむ。
- セリフに、話している野菜の名前が入っている。
- ユニークなダジャレのような言葉たち。
- 寒い日に食べたくなる物が最後に登場!野菜達が元の姿に変身!!
☆読み聞かせのポイント
- 冬野菜にはどんなものがあるかな?雪の中でも元気に育つもの、寒さは苦手な物、木に実る物など色々とあります。一緒に考えてみても楽しい!
- 冬の遊びってどんな物があるかな?冬になったらどれをして遊びたい?
- お鍋に何を入れたら美味しいかな?冬の野菜は体を温めるんだよ。体を元気にしてくれるよといった話をしてあげても◎。野菜が苦手な子も興味が出るかも。

☆あらすじと書店員の感想
冬野菜ってどんな物があるか知ってる?冬の外あそびと中の遊びと、それぞれがとっても楽しそう!
畑に雪がいっぱい積もったある冬の日。
冬野菜のダイコン・ブロッコリー・レンコン・ほうれん草などなど・・・人間のように手足と顔がついていて、それぞれ冬らしいアイテムを身に着けて、冬の畑で外あそびを始めました。雪が沢山あってまずする事といえば雪合戦。上手に相手に当たれば「やったー!」と喜び、当たった方は「このやろー!」と投げ返します。
コロコロと転がる雪の塊が、だんだん大きくなっていくことに気がついた冬野菜達は、雪合戦をやめて今度は雪だるまを作ることに。それぞれ気に入った雪だるまを作って見せあいっこです。
例えば、ほうれん草君は大きな葉っぱを束ねたギザギザのほうれん草の形、ブロッコリー君は頭がモコモコのブロッコリーの形を作りました。小さかったり大きかったり、それぞれ気に入ったカッコよくて可愛い雪だるまが完成しますよ。
その後も氷が張った場所でスケートや、ザルに乗ってソリ遊びを楽しむ冬野菜達。冬の外遊びの面白さがとっても伝わり、早く冬が来ないかな!やってみたいな!と拭きが降るのが楽しみでウキウキしてきます。
一方、冬野菜の中でも外の寒さが苦手な野菜達や果物もいます。その子たちは温かいこたつに入ってスゴロク大会を始めました。ちなみにスゴロクの名前は【なつやさいすごろく】。きっと夏の温かさが恋しいのでしょうね。
こたつを囲んでスゴロク大会も、冬のお楽しみの一つです。ますます冬が楽しみななる事間違えなし!
野菜達のセリフに注目!野菜の名前が付いています。誰が言っているのか一目瞭然。声に出して読みたくなるユーモアたっぷりの言葉たちです★
【きせつのおやさい・言葉遊び絵本シリーズ】では、登場する野菜達のセリフが特徴的です。言葉にそれぞれ話している野菜の名前が入っているのです。「おいしいたけ!」「お外がまっしろねぎ!」などなど・・・。普段いい慣れない言葉が多いので、普通の文章を読む時よりも、上手に読めなくてしっくりこない事が私はありました。
でも、私は逆にそこが面白いポイントだと思いました。
簡単な言葉はすぐにマネして声に出して遊ぶ楽しみ方もあるし、私のようにしっくりこないと感じて何度も声に出してトライしてみるのも楽しいと思いました。
実際私は娘に読み聞かせながら、しっくりこないので何度も繰り返して読んでみたのですが、何となくしっくりこない自分が次第に面白くなってきて、一人で爆笑。それを見ていた娘も面白くなって爆笑。「お母さん面白い!」と言われさらに笑ったという事もありました。
色んな意味で言葉の面白さを感じる1冊だなと思いました。

お話の後半では、外で遊んでいた野菜達も、中でスゴロクをしていた野菜達もみんな温泉に浸かります。実は温泉かと思ったらお鍋の中♩
先に温泉に入っていて温まっていた野菜達の中に、そりで遊んでいた野菜達がドボーンと飛び込みます。温泉に浸かっていると雪がフワフワと空から落ちてきました。
なんて素敵な雪見温泉でしょう★
じっくりコトコト温まって、肩まで使っていい気持ち。お野菜達がリラックスして、嬉しそうに入っている姿を見ていると、なんだか読者もほっこりします。
そして最後のページをめくると、野菜達は手足のついていた”人物”ではなく、手足顔の無い、本物の野菜として美味しく調理された冬の料理に変わります。
今まで遊んでいた野菜達を食べてもいいのかな?なんて心配する必要はありませんよ!野菜達は美味しく食べてもらえることが何よりの喜びなのです。
耳を澄ませて!野菜達の声が聞こえますよ。「さあ、沢山たべてくやさーい!」ってね。
◎参考文献 KUMONがうた・読み聞かせを応援【ミーテ】林木林さん (インタビュー)
- 作品名:ふゆやさいの ふゆやすみ
- 著者名:作 林木林 絵 柿田ゆかり
- 出版社:ひかりのくに