ぷくちゃんの すてきなぱんつ


ユーチューブで絵本専門書店員が深堀り解説します

トイトレ前の準備にピッタリ!「パンツはきたい!」と思ってもらえるきっかけに★「おかわりぱんつ」があるから大丈夫よ!

☆3つのおすすめポイント

  1. おむつをやめて、パンツをはき始めたぷくちゃん。パンツって柔らかくて気持ちがいい!まずは気持ちがいいという体験をする所から。少しずつトイレトレーニング進めていこう!
  2. 失敗したって大丈夫!「おかわりパンツ」があるよ!洗えば乾くから、気にしない気にしない!ぷくちゃんの楽しい様子を見ていると、まだオムツ中のお子さんも「履いてみたい!」と思うかもしれません。
  3. (主人公ぷくちゃんを読んで、3人目の娘のトイレトレーニングを終えた書店員のトイレトレーニングについて思う事。感じること。)「焦る気持ち、わかります!上手くいかないのはうちだけ?と悩む気持ちもわかります!」大丈夫ですよ!

☆あらすじ

ぷくちゃんのお母さんが素敵なパンツを買ってきてくれました。ぷくちゃんはパンツをはいてみました。パンツをはいたぷくちゃんは、パンツが大好きになりました。

ところが、おしっこがじょじょじょーん! パンツがぬれちゃいました。

代わりのパンツをはいたぷくちゃん。沢山沢山あそんだら、あ!おしっこが出そう!と、お母さんに知らせることが出来たんだけど、ちょっと遅かったみたい。

でも大丈夫!おかわりパンツをはこう!いい気持ちでミルクをごっくん。お腹がふくれてくーくーくーと眠ったよ。お昼寝から起きたらおしっこです。

あらあら、じょじょじょ…。パンツを脱ぐ途中でした。

大丈夫!おかわりパンツまだあります!

今度こそ。間に合ったよ!と、おまるをまたいだぷくちゃんだけど、脱ぐのを忘れちゃった。大丈夫!おかわり・・・と思ったら、もうありません。どうしましょう。

でもぷくちゃん、大丈夫!素敵なパンツ乾いたよ!

ぷくちゃんの すてきなぱんつ 表紙

☆際立った特徴

パンツをはき始めた子どもの、『トイレトレーニングあるある』のような、おむつ卒業までを細かく表現しているストーリーです。

おしっこの失敗を繰り返すぷくちゃんですが、大丈夫大丈夫!おかわりパンツがあるよ!とお母さん。失敗を繰り返しながら1つずつ1つずつ出来るようになっていく、ぷくちゃん。焦らずゆっくりトイレトレーニングしましょう!

作者ひろかわさえこさんの「赤ちゃん絵本をたのしもう」のインタビューより

【『ぷくちゃんのすてきなぱんつ』の中に「だいじょうぶ おかわりぱんつ」っていうフレーズがあるんですけど、伝えたかったのはまさにそれです。いいじゃん洗えば、すぐ乾くしねって、そんな風に気楽におむつはずしに取り組んでもらえたらいいな、と思って。】とおっしゃっています。その気持ちがたっぷりと詰まっています。

そして、出来ればいつだっておおらかな気持ちで赤ちゃんと接することができたら、お母さんも赤ちゃんも楽だし、幸せなのかもしれないよって伝えているような・・・そんな絵本です。

☆書店員の感想

ぷくちゃんが初めて布のパンツを履くところから物語が始まります。ぷくちゃんが気に入るような可愛いパンツをお母さんは選んで買ってきたのでしょうね。

子どもはきっとみんなぷくちゃんと同じように、オムツから初めて布パンツを履く時は「僕もお兄ちゃんになった!」「私もお姉ちゃんになった!」と喜ぶのではないでしょうか。

履いた時の履き心地も、ぷくちゃんと同じように、今まで紙だったのが綿生地になって、肌触りもいいし軽いし気持ちがいいと感じるようです。

私も子ども達にパンツを初めて履かせた時の驚いたような顔は今でも覚えています。とっても嬉しそうに「かわいい!さらさらー」と言って自ら履いて見せてくれました。

だけどしばらくすると、パンツだということを忘れて、親もついつい忘れて声を掛けずにいたら、そのままジョーとおしっこしちゃって濡れて・・・ということも、しょっちゅうでした。

何度か繰り返すうちに、だんだん出そうな感覚はつかめてきていそうだけど、遊びに夢中になったり、寒くて行きたくなかったりと、本人なりの理由があって行かずに、失敗ということもしばしば・・・。その都度「はいはい」と着替えさせるのですが、娘はお気に入りのパンツを履いた時に限って失敗する事が多て、「脱ぎたくないよー」と泣いて、濡れた事よりも汚れたパンツを脱いでくれなくて困ったこともありました。

恐らく他の先輩ママさんに聞いても、似たような経験をされている方は多いと思います。

本書のぷくちゃん、失敗してもお母さんはドンッと構えておおらかに対応しています。「おかわりパンツ」というフレーズがまたいいですよね!多めにパンツを用意しておけば、それだけ保護者の負担も減るので、私もオススメです。

パンツは洗って乾かせばまた使えるし、濡れた床は拭けばいいのです。ソファーやじゅうたんの場所にいる時だけ、注意深く見守れば大丈夫!

『うちだけどうして上手くいかないのだろう』と悩んでいる保護者の方がもしいらっしゃったら、ぜひ『うちだけ』じゃないよ!と伝わって欲しいと思います。

「焦らずにはいられない!」と思う気持ちもとってもよくわかります。私も長男と次男の間は2年2カ月しか無かったので、経済的にも2人分のオムツを買うのは辛かったので、「早く早く!」と焦りました。結局はわりと早く卒業してくれたのですが、その分息子が家に居る時も外に連れ出した時も、いつも気を張っていたし、隙あれば「トイレは?!」「おしっこしたくない?」と口癖のように言っていました。

今思えばぷくちゃんのお母さんとは真逆で、私も息子もとても辛かったと思います。もっとゆっくり優しくしてあげたかったというのが、10年前になりますが今でも後悔するところです。

さて、ぷくちゃん、とっても可愛いパンツを買ってもらったみたいですよ!裏表紙の内側にも色んな色の・模様のパンツが描かれています。どのパンツが可愛い?どれ履いてみたい?ぜひ、本書を読みながらお子さんに聞いてあげてください!

ちなみに本書をトイレトレーニングを始める前に娘に読み聞かせした時の話です。裏表紙の内側のページにずらりとパンツが並んで描かれていたので、聞いてみました。「これとこれとー」と選ぶ娘。そして、私も「ママはこれがいいな」って指さして娘に言ったのですが、「いっしょだね」って言われました。一緒かー可愛い事言ってくれるなーと嬉しかったです。

ついでに聞いてみました。「なら、〇〇ちゃん(娘)もお姉ちゃんパンツ履いてみる?」「うん!」と嬉しそうな娘。すぐパンツ買いに行きました!

(参考文献)▼ひろかわさえこさんのインタビュー記事はこちら

「読み聞かせは子どもの安心につながる」

「赤ちゃん絵本をたのしもう!『ぷくちゃんのすてきなぱんつ』に込めた想い。

ぷくちゃんの すてきなぱんつ 裏表紙
よっぴー
  • よっぴー
  • 書店員のよっぴーです。2人の男の子と、1人の女の子の母として、毎日育児奮闘中です。
    私は自分の子どもに沢山の愛情を子どもが嫌がる時が来るまで、沢山沢山注ごう。心をもしコップに例えるなら、そのコップが溢れて「もう大丈夫だよ!」となるまで続けようと思っています。それだけは大事にしている信念です。
    絵本を読むのもその一つです。
    大切にしている愛情を伝える方法の1つだと思っています。

    保育士・幼稚園教諭二種・介護福祉士です。
    他に、ベビーシッター・ベビーマッサージ・ベビー’sサインなどの資格も持っています。
    絵本の感想とともに私の育児経験、保育士・幼稚園教諭免許を持つ書店員としてのアドバイスなどをご紹介出来たらと思っています。