みんな とぶよ!

生き物に興味を持った頃からオススメ!みんなが元気に飛んでいく様子が嬉しい絵本★

☆特徴

  • 誕生・成長・飛躍・絵本三部作のフィナーレ。
  • 子どもが持っている「飛びたい!」情熱に答える絵本。
  • 四方にめくるしかけ付き。
  • 目の前で飛ぶ様子を体感できる。
  • 赤ちゃんも楽しめる、耳にも楽しい擬音語と擬態語。
  • 本書は【飛躍】がテーマ。
  • 同シリーズの「たまごのえほん」は【誕生】、「はなのさくえほん」は【成長】がテーマになっている。

※参考文献 いしかわこうじさんのホームぺージより 『みんなとぶよ』の紹介文

☆読み聞かせのポイント

  • 発音しやすい擬音語・擬態語が、各ページにあるので、お子さんと「てんとう虫、てん てん」「とびうお スイスイ」と一緒に繰り返して読んでもいいですね!
  • めくる仕掛けは、ぜひお子さんに開いてもらいましょう!まだ幼いお子さんには大人が手を添えてあげると良いと思いますよ!開いた時は「わぁ!飛んで行ったね!」とか「すごく高く飛んだね!」など、驚いたことや思った事を言葉にして伝え合いましょう!
  • 飛んでいく姿を見た時、ハトなら「パタパタパター」とか、ロケットなら「ぐおーん!」など、その乗り物や生き物にピッタリな”飛び立つ音”をプラスしても面白いと思います。をこの後何が登場して、どんな飛び方や音がするんだろうと、楽しさが膨らんでいきますよ!

☆あらすじ

てんとう虫・ハト・とびうお・気球・飛行機・ロケットが登場します。

見開き1ページの読み切りなのですが、左のページに文章、右のページに生き物・乗り物が描かれています。

右のページはめくって開けるようにページが3枚分畳んで収納されています。それぞれのページで、登場する生き物・乗り物の特徴に合わせた開き方なので、上だけでも横だけでもなく、3枚分、四方へめくれる構造になっています。

最後は登場する生き物・乗り物が全員集合!空に向かってそれぞれが自由に、飛んでいく様子が描かれています。

みんな とぶよ! 表紙

☆書店員の感想

本書のテーマは「飛躍」。

童心社の「みんなとぶよ」紹介ページに、作者いしかわこうじさんコメントに『誰もが憧れる「とぶ」ことを体感できる絵本を作りたい、という思いで制作しました。』と載っていました。

人間はどんな超人でも今のところ、鳥のように自分で飛ぶことが出来ませんよね。でも鳥を見て、青空を見て、空を飛ぶ乗り物を見て、誰でも1度は「飛んでみたい」と憧れ、出来ないと分かっていながら夢見てしまうのではないかと思いました。

どうしてなのか・・・。それはどうもがいても自力では飛べないからなのかもしれません。

しかし本書の中の生き物や乗り物が飛んでいく姿を見ているだけで、不思議と自分もそれになったつもり、その乗り物に乗ったつもりを体験できる絵本だと思いました。青空の中を自由に羽ばたいている自分や、ロケットで星空の向こうまで行ったら何をしたいかな?何が見えるのかな?と様々な想像してしまいました。

しかけの面白さ

登場する生き物達からは、縦横無尽に飛び立つ姿・様子が伝わってきます。例えば、ハトは、地面から飛び立って、空に向かってどんどん飛んでいく様子が描かれています。ページは上にめくった後、さらに右にめくります。

トビウオは、水面上を飛ぶ(跳ねる)魚なので、ページは右へ向かってめくり、さらにもう1枚右にめくるようになっています。高く飛び立つというより、幅跳びのようにぴょーんと水面上を飛びます。

一方で気球やロケットは人間が乗る乗り物なのでフラフラ縦横無尽に…と言う訳にはいきませんよね。フラフラしていたら怖いかもしれません・・・。でも大丈夫!3枚とも上にめくるようになっています。真っすぐ真っすぐ、安全に空に向かって飛んでいく様子が伝わります。

飛ぶは飛ぶでも、乗り物と生き物の違いを感じる事も出来るという訳です。

みんな とぶよ! 裏表紙

●本書のテーマである「飛躍」から思う事。

飛躍とは、大きく高く飛ぶという意味の他に、大きく発展して活躍する事などの意味もあるそうです。

私は、本書を読む子ども達に向けて「いつか飛躍して大きく育って欲しい」という作者の気持ちが込められていると思いました。それは、同シリーズの「たまごのえほん」と「はなのさくえほん」のテーマである【誕生】【成長】からの繋がりでも感じる事が出来ます。

子どもは誕生し、成長し、いつか自分の足で歩き出し、巣立っていくものです。

そして本書に登場する生き物や乗り物のように、飛び方は1つではなく、みんな違って、行き先もそれぞれなんですよね。

そんな事を一人の親として、昔は子供だった大人として感じた作品でした。

私は上手に飛べているのでしょうか。我が家の子ども達は好きな場所で好きな飛び方で自由に生きることが出来るのかな?出来たらいいな。なんて、シミジミ考え込む自分がいます。

さて、そんな少々考え込んだ後に表紙と裏表紙の絵に戻って見て見ましょう!

表紙には可愛らしいピンク色の背景に真っ白なハトが1羽パタパタと羽を広げて飛んでいます。裏表紙には葉っぱの上に真っ赤なてんとう虫。どこへ行くのでしょうね。

「自由に羽ばたいていいんだよ」とハトやてんとう虫が本書を手に取った子ども達の心に語りかけてているようだなと感じたのは私だけでしょうか・・・★

doshinsya 『たまごのえほん』いしかわこうじ作(童心社)
よっぴー
  • よっぴー
  • 書店員のよっぴーです。2人の男の子と、1人の女の子の母として、毎日育児奮闘中です。
    私は自分の子どもに沢山の愛情を子どもが嫌がる時が来るまで、沢山沢山注ごう。心をもしコップに例えるなら、そのコップが溢れて「もう大丈夫だよ!」となるまで続けようと思っています。それだけは大事にしている信念です。
    絵本を読むのもその一つです。
    大切にしている愛情を伝える方法の1つだと思っています。

    保育士・幼稚園教諭二種・介護福祉士です。
    他に、ベビーシッター・ベビーマッサージ・ベビー’sサインなどの資格も持っています。
    絵本の感想とともに私の育児経験、保育士・幼稚園教諭免許を持つ書店員としてのアドバイスなどをご紹介出来たらと思っています。