むしばあちゃん
歯の大切さを伝えたい時にピッタリ!強烈なキャラクターが登場!!年少以上のお子さんにオススメ!
☆際立った特徴
- 4コマ漫画のおまけが4話付き。
- 「むしばあちゃん」は、口の中のキレイを保とうとしてくれる唾液を擬人化したような存在。キレイを保とうとするとっても優秀な存在。
- 歯磨きの大切さや、虫歯の怖さを、伝えている。
- もし歯磨きをしなかったらどうなるのかの結末も。「いればあちゃん」登場!
- 本当にこんなになったら大変だ!と歯磨きをせずにはいられない。
- ユーモアたっぷりの中に描きつつ、「もし本当にそうなったら・・・」と恐ろしさも感じさせるところが、本書の良い所。強烈なキャラクターとして描いているからこそ、子ども達に歯磨きの大切さが伝わることもある!
☆読み聞かせのポイント
- まあちゃんはお菓子が大好き!お口の中を甘いままにして寝てしまいたい位、甘いものが大好き。歯磨き自体がめんどくさいという事があるかもしれないけど、お口に食べカスを残したまま寝たらどうなるかなー?
- 虫歯って何かな?虫歯になったらどうなるの?虫歯をほって置いたらどうなるの?歯の疑問が全部わかる絵本。
- 自分の歯が無くなるなんて、本書を読むまできっと誰も想像もしていないはず!虫歯って怖いよ。本当に虫歯になったら抜くしかないかもしれないよ!嘘はなくこれが真実!と教えてあげましょう。
☆あらすじ
まあちゃんはお菓子が大好き。
今夜もお菓子を食べて歯磨きしないで寝ちゃったよ。
あれ?いいのかな?歯磨きしていないよ。
まあちゃんはグッスリ夢の中。口の中にはお菓子のカスがいっぱいついているよ。
ピョコ!まあちゃんの前歯の裏から「むしばあちゃん登場!」
むしばあちゃんは普段は耳の中にある整理整頓された部屋で寝ている。昼間はスヤスヤねているから、みんなは気がつかないだけだよ!
むしばあちゃんは、まあちゃんが気がつかない間にお口の中の食べカスを、せっせとほうきで掃いたり、布巾で拭いて、汚れをピカピカに落としてくれる、優しくて頼もしいおばあちゃん。
たまには、まあちゃんはお母さんに怒られながらイヤイヤ歯磨きをして寝る時もある。無理口を開けさせてお母さんが仕上げすることも・・・
だけどある時お口の中がすごい汚れだらけに!!!むしばあちゃんも音を上げる程の歯が汚れ。いくら掃いても拭いても汚れが全く落ちなくて・・・むしばあちゃんはムシャクシャしてきて…もうこんな歯が嫌になった。
完全にキャラクター崩壊!白い割烹着も脱ぎ捨てて、「キーッ!」と怒ったむしばあちゃん。ガンガンぐるぐる歌って踊って、太鼓をドンドン「うぉりゃー!」と力任せに鳴らして大暴れ。こうなったらおしまいだ。
まあちゃんの虫歯はどんどん痛くなる。むしばあちゃんが暴れれば暴れるほど、ガンガンキンキンと痛みが出る。
歯医者さんに行くしかない!驚くほどの虫歯の数に歯医者さんは「こりゃ痛いはずだよ」と言った。
虫歯が治ったら、むしばあちゃんもおとなしくなった。そして、「まあちゃんの面倒は、死ぬまで私が見なくちゃね。」と考えていた。
さあ、まあちゃんがもしも、大人になるまで歯磨きをしなかったらどうなると思う?
そしたらね、今度は「いればあちゃん」がやってくる。いればあちゃんは虫歯になった大人の歯をポンポンポンと抜いちゃうんだ。
そうなったら二度と歯は生えてこない。むしばあちゃんもいなくなる。
歯が1本も無くて、入れ歯を入れるしかなくなるよ。
そうなったら、怖いね。ちゃんと歯磨きしよう!死ぬまでむしばあちゃんにお世話になろう!
☆書店員の感想
歯磨きの大切を教えるのは一苦労…。自ら「歯磨きって気持ちいい!スッキリする!」と思うようになる日が、保護者としてのゴールです!
歯磨きって本当に大切ですよね!歯が生えてから生え替わるまでお世話になるし、そして1度生え替わった永久歯は、出来るだけ長く、出来れば死ぬまでずっと全ての歯を残したまま生きていたいものです。
そんなことは大人ならみんな知っている事。そして強く願ってることだと思います。
だけど、子ども達のほとんどは、歯磨きをどうして毎日しなくてはいけないのか、歯を大事にするとは一体どういうことなのか、よく分からないまま、親に言われるからなんとなくやっているという子が多いのではないかと思います。
「歯が生えてきたら歯磨きの習慣を!」と、生まれたばかりの赤ちゃんの健診で必ず言われる事でもある”歯磨き”。保護者としても責任重大ですね。
さて、みなさんはどう子ども達に伝え、やらせていますか?自分からやりたくてやっていますか?
「歯磨きをすると気持ちがいい!」と自ら思えるようになる日まで、保護者は言い続け教え続けなければなりません。道のりは長いですね。
●どう大切さを伝えるか、絵本も歯磨きを教えるお助けアイテムの1つです。
この世には、沢山の歯磨きをテーマにした絵本がありますが、本書はどちらかというとユーモアを混ぜながらも、『歯磨きをしなかったらどうなるのか。抜けて無くなることもあるぞ!』と正直に伝えています。そこが面白い部分であり、子どもの心に直接ズドーン!と訴えかけます。当たり前にステーキのような大きな肉や、ご飯、固いせんべいやグニグニしたグミなどが食べられるのは、健康な歯があるからこそ!!抜けたら大変なことになるんだと、きっと子ども達に伝わります。
●刺激的で強烈なキャラクターが登場します。年少以上の子におススメです。
本書は少し大きくなった4・5・6歳の子に歯磨きの大切さを伝えるのにピッタリの絵本だと思います。
なぜ4・5・6歳かと言うと、ユーモアたっぷりなんだけど、怒ったむしばあちゃんが暴れる姿や、いればあちゃんが歯を抜くシーンは恐怖を感じる強烈さがあるからです。ここまで怖く描かなくてもよいのでは?と思われる方もいるかもしれません。
でも、その強烈なキャラクターが本書の1番の面白さであり、子ども達に伝えたいからこそ怖く表現しているのだと思いました。
ちなみに個人的には本書のように感情が激しいタイプのおばあちゃん方が登場する絵本は少ないので(だいたいおばあちゃんと言えば優しくて穏やかなキャラクター設定が多いですよね。それもいいんだけど、)とってもパワフルなむしばあちゃんが歌って踊っている姿が大好きです♪
虫歯になれば強い痛みを感じるし、本当に歯医者さんがどうしようもないと判断すれば永久歯も抜く事がある事も真実です。二度と生えることがありません。
私はだからこそ、子ども達には本当の事を伝え、虫歯にならない努力が子どもの頃から必要だということを知ってほしいと思います。そして本人が虫歯にならないよう自ら実行するようになることが、親としての最終目標です。
ただ、2・3歳には本書は少し刺激が強いかな??と思います。特に大人が見ても「いればあちゃん」の笑い顔はトラウマになる程の怖さを感じます。
オススメは年少さん以上の子ども達かなと思います。もちろん低学年の小学生にもおススメ!ぜひ読んで欲しいです。ちょうど生え変わりが進む頃なので、なおさら虫歯菌は大敵です。
●私ならではの読み方
私は「いればあちゃん」が暴れまわるシーンは、パンクやロックンロールを歌うように、おばあちゃんの言葉にメロディーを乗せて激しく歌いながら読みました。面白かったようで、娘は笑っていましたが、おばあちゃんの歌が激しければ激しいほど、主人公まあちゃんの虫歯が暴れているという事を表現しています。歌が激しいほど、1ページめくった後に登場するまあちゃんの歯が、とっても痛そうに見えます。「これは大事だ!」と読者の子ども達は驚くはずです!!ぜひマネして欲しい読み方です。
次のページとのギャップが大きい程、メリハリもつき、面白いと思います。
歯は一生の宝物☆大人も子供も楽しく歯磨きして、一生共に生きていけるよう頑張りましょう!!