やさいのがっこう とまとちゃんのたびだち

ユーチューブ動画で保育士書店員が詳しく解説しています

野菜が苦手なお子さんにピッタリ!野菜達の事をいっぱい知って、お友達になってみよう!きっと「食べてみたい」と思う日が来るよ★

☆3つのおすすめポイント

  1. 野菜達が、美味しい野菜になるために野菜の学校に通っています。八百屋さんに三つの”良し”をもらって、【合格シール】を貼ってもらうのが、みんなの憧れなんです★
  2. 美味しい野菜に育つには、どんな事が必要なんでしょうか。お日様が苦手な野菜もあります。美味しい野菜になれるように、みんなはそれぞれ学校で楽しく元気に過ごします。
  3. 野菜の学校の生徒達は、とても健気に美味しい野菜に育ちたいと願っています。とまとが苦手な子にも、そんなとまとちゃんの気持ちが伝わったら・・・好きになるきっかけになるかも?

☆あらすじ

とまとちゃんは、美味しい野菜になるために野菜の学校に通っています。

「つやよし!」「いろよし!」「かたちよし!」三つの”良し”がそろったきゅうり君は、今日八百屋のおじさんに【合格シール】を貼ってもらいました。このシールは美味しい野菜になった印。野菜達の憧れのシールです。きゅうり君は嬉しそうにトラックで運ばれ、野菜の学校を旅立ちました。

野菜の学校には沢山の野菜達が通っています。「合格シールカッコ良かったね!」「次のお迎えは誰かしら?」野菜達が話しています。「きっととまとちゃんだね!」と言われたとまとちゃん。嬉しくてなすび先生に聞いてみました。すると、なすび先生は『そうねぇ・・・もう少し日光浴が必要ね』と答えました。

早速太陽を浴びに行ったとまとちゃんでしたが、今日は雨が振り出しそうな曇り空。

そこへ、みょうがちゃんとクレソン君がやってきました。みょうがちゃんは太陽が苦手、クレソン君は雨が大好きです。とまとちゃんはそれを聞いて腹を立てました。「イジワル言ってひどい!」みょうがちゃんとクレソン君は驚いて言い返しました。『僕たちイジワルを言ったわけじゃないんだ!勘違いしないで!」 あらあら、ケンカになってしまいました。

なすび先生は『太陽を浴びすぎると調子が悪くなる野菜もいるし、イジワルをいったんじゃないのよ』と教えました。誤解が解けて仲直りした3人は、仲良しになりました。

それからずっと曇り空。とまとちゃんの頭はまだ青いままです。ある日、みょうがちゃんは八百屋さんの忘れ物に気が付きました。そして、「そうだ!このレンズで太陽の光を集めてみるわね!」雲の隙間からのぞく弱々しい太陽にレンズをかざすと、とまとちゃんに照らしました。とまとちゃんはワクワクしてきました。しかし、しばらくやってみましたが、成果はありません。

その様子を見てなすび先生はビックリ!『曇りの日にいくらやってもダメですよ太陽が弱くて光が集まらないのです。それに、光が目に当たったらそれこそ大変!!大けがをしてしまいますよ!』

「それより、体を動かしましょう!美味しい野菜になるには運動も大事です!」と言われ、野菜達が運動を始めましたが、文句をぼそぼそ・・・。みょうがちゃんとクレソン君だけが元気に声を出しています。

次の日、やおやのおじさんは、みょうがちゃんを迎えに来ました。昨日しっかり体操をしたみょうがちゃんは美味しい野菜に育ち【合格シール】を貼ってもらいました。

今度こそ自分だと思っていたとまとちゃんはガッカリ・・・。クレソン君はとまとちゃんが可愛そうになってきました。そして、とまとちゃんに気が付かれないように、お昼寝中に頭の青い部分を赤いペンで塗りつぶしました。

目を覚ましたとまとちゃん、あたまの上が赤くなっている事を聞き、嬉しくなってなすび先生に言いに行きました。ところが・・・急に雨が降ってきて・・・タオルで拭いたらタオルが真っ赤になっちゃって「たいへん!とまとちゃんの頭がわれている!?」みんなは驚きました。とまとちゃんもビックリして泣き出してしまいました。そこへクレソン君がやってきて、とまとちゃんが可愛そうで赤を塗ったと正直に謝りました。

なすび先生は言いました。『クレソン君の優しい気持ちはとてもよく分かるけど、野菜は美味しくなるまでじっと待つことが大切なのですよ!』

とまとちゃんはクレソン君を許し、とまとちゃんも他の野菜達も美味しくなるために待ってみることにしました。

そして次の日、クレソン君は昨日たっぷり雨を浴びて美味しい野菜に育ち、【合格シール】を貼ってもらいました。「クレソン君おめでとう!私もう平気よ!美味しい野菜になるの楽しみに毎日をすごすわ!」そして、八百屋さんのトラックで運ばれるクレソン君を見送りました。

それからもぐずついたお天気が続きましたが、とまとちゃんは気にしません。野菜の学校で楽しく歌を歌ったり、沢山の本を読んだり、元気に体操し、一生懸命お掃除をしていました。

そして、何日か経ちお日様がまぶしく光っています。待ちに待った晴れの日、野菜達は嬉しくなって思い切り外で遊びました。「やっぱりお日様っていいね!」みんなニコニコです。

たっぷりと太陽を浴びたとまとちゃんは、頭のてっぺんまで真っ赤になると、ついにお迎えが来ました。【合格シール】を貼ってもらい嬉しそうです。

とまとちゃんはみんなに見送られ笑顔で旅立っていきました。

やさいのがっこう とまとちゃんのたびだち 表紙

☆際立った特徴

とまとちゃん、きゅうり君、みょうがちゃん、クレソン君とその他沢山の野菜の子ども達が、とっても可愛らしくふんわりした色鉛筆の雰囲気で優しく描かれています。野菜の子ども達は、美味しい野菜になるために、健気に頑張っています。美味しい野菜になって、金色の【合格シール】をおでこに貼ってもらって、八百屋さんの店頭に並ぶことを夢見ています。(裏表紙のとまとちゃんみたいに)

付録に「やさいがっこうの食育新聞第一号」がついています。A4サイズの新聞には裏表に”野菜となかよしになろうQ&A”が掲載されています。野菜はからだにいいの?トマトはどんな役に立つの?トマトはどうして赤いの?など、6つの質問に答えています。トマトから作るトマトソースの作り方のレシピも載っています。

参考文献

絵本ナビ「やさいのがっこう とまとちゃんのたびだち」なかやみわさんインタビュー

・「親子時間」をもっと楽しみたいママへ | 子育て情報誌kodomoe(コドモエ)web【Kodomoe】野菜が好きになる!「やさいのがっこう」シリーズ 

・絵本のある暮らしMOE なかやみわ『やさいのがっこう とまとちゃんのたびだち』紹介

☆書店員の感想

野菜が美味しく育つにはどうしたらいいのかな?という見方から、野菜の事を知って、どの野菜も魅力的で可愛くて、健気で、大好きになれる絵本ではないかと思いました。

本書で描かれる野菜達は、本当の人間の子どものように個性的でキュート♩「この子可愛いね!」「トマトって赤いけど、子どもの時は頭は青いのかなあ?」など、お子さんとの会話が弾むと思います。

もしかしたら名前を知らない野菜達もあるかもしれませんね。お名前を教えてあげると、どんどん野菜に興味が出てくるし「今日園でナス食べたよー!」とかスーパーで「ママ、トウモロコシ見つけたよ!」と教えてくれるかもしれません。

野菜が苦手な子にとって、小さくしても、形を変えても、見るだけで食べる勇気が出ない事があると思います。実は4年生の息子さん今だにきのこ全般が苦手・・・。幼少期は、小さくても、例えばハンバーグに混ぜても、上手い事見つけ出して、全く食べないという事がありました。

しかし・・・2年生位から小さなきのこなら食べてみると、自分から一歩踏み出せるようになりました。今でも大きいきのこはダメなのですが。

「食べてみようかな」と思う日まで待った私の、辛抱勝ちなのかな・・・?なんて思ってます。(自画自賛ですみません。笑)

本書はそんな「食べてみようかな?」と興味を持ったり、一歩踏み出す勇気をくれる、後ろからそっと背中を押してくれるような絵本だと思いました。可愛い優したちが楽しそうに歌ったり本を読んだり、体操をして縄跳びをする姿を見ていると、野菜達とお友達になれるように思うのです。

そして、【やさいのがっこうシリーズ】は、野菜嫌いをどうにかしてあげたいお父さんお母さんのお助け本になると思います。ぜひ、親子で楽しんでもらいたいと思います。

やさいのがっこう とまとちゃんのたびだち 裏表紙

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よっぴー
  • よっぴー
  • 書店員のよっぴーです。2人の男の子と、1人の女の子の母として、毎日育児奮闘中です。
    私は自分の子どもに沢山の愛情を子どもが嫌がる時が来るまで、沢山沢山注ごう。心をもしコップに例えるなら、そのコップが溢れて「もう大丈夫だよ!」となるまで続けようと思っています。それだけは大事にしている信念です。
    絵本を読むのもその一つです。
    大切にしている愛情を伝える方法の1つだと思っています。

    保育士・幼稚園教諭二種・介護福祉士です。
    他に、ベビーシッター・ベビーマッサージ・ベビー’sサインなどの資格も持っています。
    絵本の感想とともに私の育児経験、保育士・幼稚園教諭免許を持つ書店員としてのアドバイスなどをご紹介出来たらと思っています。