サンタさんのおとしもの
赤い手袋を拾った女の子。これはきっとサンタさんの落とし物!どうやって届けてあげようか…ドラマチックなクリスマスの出来事です☆
☆特徴
- 黒い背景に浮かぶ街の風景や灯りが、温かく美しく感じる。
- 貼り絵ならではの味わいが楽しめる。
- シンプルでありながらオシャレなデザイン。
- 20㎝×15㎝の縦長の絵本。
☆読み聞かせのポイント
- クリスマスの奇跡を感じるストーリー。
- シンシンと降る雪空の下、トボトボ歩く女の子。しかし、サンタさんの手袋を拾った所からガラリと女の子の雰囲気が変わります。そんな彼女の気持ちの変化を感じ取れたら素敵ですね☆
- サンタさんを探すシーンでは、女の子と一緒に探す気持ちで、ぜひ隅々まで町を見渡してみてください。きっと楽しい景色を見つけることが出来ますよ!
- サンタさんにもらったプレゼントの中身をみると、この日の出来事が偶然なようで奇跡的な1日だと感じる事でしょう。
☆あらすじ
クリスマスイブの日。おつかいに出かけた女の子が歩いていると、道端で片方の赤い手袋を見つけました。
これはきっとサンタさんの落とし物に違いないと思った女の子は、サンタさんを探すことにしました。
どうやって探そうかと考えて歩いていると、教会の前に辿り着き、
教会の塔を登れば、見えるに違いない!と気がつきました。
塔の階段を駆け上がり、遠い港や遠くの山を見渡しました。
よーく目を凝らして見ていると、女の子は自分の家の屋根にサンタさんがいるのを発見しました。
女の子は急いで家に戻ると、暖炉から出てきたサンタさんと会う事が出来ました。
拾った手袋を渡すと、サンタさんはとても喜びました。
そして、今度はサンタさんからクリスマスプレゼントを受け取りました。
箱の中には、サンタさんとおそろいの赤い手袋が入っていました。
☆書店員の感想
●主人公の女の子の風貌がとってもキュート!黒い背景に赤ずきんが生えて目を引きます!
本書を読んで最初に私が目を引いたのは、やっぱり女の子の可愛らしい姿です。
表紙の中に女の子の歩いている後姿が描かれていますが、赤いコートを羽織る姿は、童話に出てくる赤ずきんちゃんのようにも見えます。
近くから見ると、表情も見えてもっともっと可愛らしいんです!
そんな彼女が拾った赤い手袋。
この日はクリスマスイブです。きっと「きっとサンタさんの落とし物だ!」とすぐにひらめいたのでしょうね。何とか届けてあげたい!と考える姿から優しさや温かい心を感じます。
●背景が真っ黒。白い雪や町のカラフルな建物、遠くの景色がこのクリスマスの1日をとてもドラマチックに感じさせています。
表紙からも見てとれるように、とっても絵がとってもオシャレですよね。
黒い背景の中に白い大きな雪、町の建物もくすみ感がある色ではあるもののカラフルで、全体から洗練されたオシャレな雰囲気を感じます。
高い塔の教会があったり、町のどの家にも煙突があるので、おそらく海外の街並みなのかな?と思わせますが、よく見ると町に電車が通っていたりと、日本らしくもあります。
そんな雰囲気全てが、ドラマチックに思えて、なんだかどこかで奇跡的な事が起こりそうな予感さえさせます☆
●世界中の子ども達にプレゼントを届けるサンタクロース。そんなサンタクロースに女の子は最高のプレゼントを渡すことが出来たんだな☆と、ほっこりとした気持ちになりました。
サンタクロースと言えば、いつも世界中の子ども達にプレゼントを渡す側。
しかし、本書では女の子から思いやりの心をもらったサンタクロースが描かれています。その嬉しそうな表情をぜひチェックして頂きたいです!!
落とした手袋を拾って、わざわざ自分の元まで届けてもらってきっとサンタクロースは嬉しかったでしょうね。素敵なプレゼントをもらったような気持ちになったのではないでしょうか。
私は本書を読んで、とっても心がほっこりと温かくなりました。クリスマスにはもちろん、雪の降る寒い夜に読みたくなる1作だと感じました☆
- 作品名:サンタさんのおとしもの
- 著者名:三浦太郎 ホームページ
- 出版社:あすなろ書房