トナカイさんの おてつだい
クリスマス前の読み聞かせにピッタリ!サンタさんがプレゼントを世界中の子ども達に届けます☆
☆際立った特徴
- クリスマス前日のサンタさんとトナカイの1日を描いている。
- 言葉も短くページ数も8P。
- 絵本自体がトナカイの形。(型抜き絵本)
- 形を生かした絵(背景)。
- 厚紙で出来ているボードブック。
- ページの側面が赤く加工されている。隅々までクリスマスムード!
- 本棚に置いてあるだけで、クリスマスの雰囲気を味わえる。
- 復刻版の大きさは、手のひらサイズ。
☆読み聞かせのポイント
- クリスマスの準備をしているサンタクロースとトナカイたち。小人たちがお手伝いしています。どんな1日なんだろうね。覗いてみましょう!
- 最後のページに4人の子ども達がスヤスヤ眠っている様子が描かれています。自分や兄弟・ママパパの元にもこんな風にプレゼントを持ってきてくれるのかな?
- 本棚やクリスマスの飾りとして置いてあるだけで雰囲気を味わえます。読んで楽しい見てウキウキ♬
☆あらすじ
今夜はいよいよクリスマス。
サンタさんとトナカイ達にとって、年に一度の大仕事の日。
トナカイ達は、サンタさんが乗るソリを引く為に、体をピカピカに磨いてもらい、クリスマスカラーの鞍を身にまとって準備を急ぐ。
さあさあ、プレゼントをソリに積み込もう!。忘れ物がないように。
大きいのも小さいのも沢山用意してあるよ。おもちゃにおやつ、お人形もあるよ。みんなにピッタリのプレゼント。
さあ、荷物を積んで、腹ごしらえも済ませたら、いよいよ出発だ!
月と星がキラキラ輝いて、みんなが寝静まった頃、夜の空を元気よくトナカイ達はそりをひくよ。
リンリンリン・・・♬鈴の音も響いてる。
急がないと夜が明ける。世界中の子ども達にプレゼントを届けに行かなくちゃ!
みんながスヤスヤ眠る頃。サンタさんとトナカイさんはみんなのおうちに来てくれるよ。
心配しなくて大丈夫!ゆっくり眠って待っていてね☆
☆書店員の感想
クリスマスの前日、サンタさんとトナカイ達がプレゼント配りの準備をする所から、子ども達の家へプレゼントを配るまでのストーリーを描いています。
「サンタさんは、どうやって僕の家へ来てくれるの?僕の家分かる??」
そんな質問されたことありませんか?私は質問されたこともあるし、自分が小さい事に父と母に聞いたこともあります。
本書では、サンタさんがプレゼント配りに出かける準備をする所から描いています。
始めに描かれる場面は、トナカイ小屋の前でトナカイ達が赤い服を着た子ども達に誘導されて、サンタさんの元に集まるシーンです。
子ども達の服装からすると、この子ども達は普段からサンタさんのお手伝いをしている子ども達のように見えます。トナカイ達のお世話にも慣れている様子です。
連れてこられたトナカイ達は、角を磨いてもらい足やひづめの汚れを取ってもらって、クリスマスカラーの鞍を着させてもらっています。
7頭のトナカイの中に、先に準備が整ってクリスマスツリーの周りの空中を走り回って遊んでいます。その様子を見ると、トナカイ達は普段は飛ぶことが出来なくて、この日だけこの鞍をつけた時だけ、魔法にかかったかのように空を飛ぶことが出来るのだと分かります。トナカイの表情が、「やったー!久しぶりに自由に空をとべるぞ!」「サンタさんのお手伝い楽しみだな♬」と言っているかのような嬉しい表情です。
さらにサンタさんは「今年もよろしくね!」とトナカイ達に声を掛けます。
なんだかこれからウキウキするような事が起こりそうな予感がしますよ☆
沢山のプレゼントが大きな袋に入れられて、ソリに積まれていきます。いよいよ出発の時間!目指すは世界中の子ども達の所!
ソリに積まれるプレゼントはみな、キレイにラッピングされています。一つとして大きさも包装紙の色も同じが無く、それぞれが特別で、素敵な物が包まれているんだという事が見てとれます。それらを大きな袋に入れる子ども達。もうすぐ出発時間。トナカイ達の準備も整ったようです。
貢をめくると、夜空をトナカイが引いたサンタさんが駆け抜けて行く姿が描かれます。下を見下ろせば、雪が沢山降り積もった街にチラホラと明かりがついた家が見えます。
もうすぐみんなが寝静まる時間帯。子ども達にプレゼントを届けに急がなくちゃ!とサンタさん達は急いでいます。
そして最後のページでは、ある家の屋根の上にサンタさん達が降り立っている姿です。窓をみるとスヤスヤと子ども達が眠っている姿が見えます。
この家の子から送られてきた手紙を見ながら、「この家の子はこのプレゼントが欲しいのじゃな。」と確認したサンタさんは、煙突からそーっと中へ入ろうとしています。
これから枕元に届けに行くんですね。
きっと明日の朝、プレゼントに気がついた子ども達は「やったー!」と喜ぶのだろうなと、想像し、読者も嬉しくなるラストシーンです。
私が本書を子ども達が小さい時に読んであげた時の話なのですが、ラストシーンに描かれる子ども達を我が家の子ども達に見立てて、「この子は〇〇君だね。」「この子はお兄ちゃんだね。」と読んであげました。すると、子ども達は「この後、きっと僕たちの所にもサンタさんが来てくれたんだろうな」と絵の中の子どもと自分を重ね合わせて想像し、「お兄ちゃんは電車のおもちゃもらったのかな?」「私の所にはお人形が届いたよ!」と喜んでくれました。
そして、絵本の中ではなく現実のクリスマスにはきっと僕の所にも、こんな風にサンタさんが来てくれるんだな。楽しみだな。と、クリスマス当日を楽しみにしていました。
本書は、クリスマス前に読むと、読む前よりもっとクリスマスが楽しみになる絵本です。そして絵本を読んだ後、「クリスマスの夜は、サンタさんを待っていなくても大丈夫よ!ちゃんとみんなのお家に来るんだって。安心して早く寝ようね。」と伝えてあげてください☆
- 作品名:トナカイさんの おてつだい
- 著者名:作 せきやよしき 絵 ロベルタ・バニョーニ
- 出版社:ドン・ボスコ社