パオちゃんのみんなでおかたづけ

YouTubeで書店員が子育て体験を交えて絵本を紹介しています

【使ったら片付ける】の習慣を教えたい、悩めるお母さんのお助け本★片付けで困っているお母さんに、パオちゃんのお母さんがヒントをくれます!

☆3つのおすすめポイント

  1. パオちゃんのお家で遊ぶ5人。「お家を作ろう!」積み木では足りないから家中の物を集めて作ります。おもちゃじゃなくても家にあるものを使えば、アイデア次第で無限に遊びが広がっていきます。
  2. “作った家”の周りを手押しでミニカーを走らせていると、作ったお家が崩れ落ちて、部屋中が散らかります。どうする?お母さんがお片付けしたくなる声掛けをしましたよ。魔法をかけるような言葉とは?
  3. 「お片付け」って、なかなか言ってもしてくれない時があります。どうやって教えたらいいんだろう? 【使ったら片付ける】の習慣をつける方法のヒントをくれる悩めるお母さんの”お助け絵本“です。

☆あらすじ

パオちゃんのお家に、ペンギンちゃん・うさぎちゃん・ワニちゃん・あひるちゃんが遊びにきています。

パオちゃんのお部屋で、いろんなおもちゃを使って遊んでいます。あひるちゃんが積み木でお家を作ったら、みんなもやりたくなっちゃった。家にあるものは何でも使っちゃえ!

「僕のお家の方が大きいよ!」と自慢のお家を見せ合いっこ。みんなでもっと大きいおうちを作ろうよ!家中の使いたいものを持ってきて、1番大きな家が完成しました。

「街みたいだね。車を走らせよう!みんなで家達を横切りながらミニカーを走らせますが、1番大きな家をくぐって行こうとしたその時です。パオちゃんのお尻が家に引っかかって グラグラッ ドシャーン! と崩れちゃった。

そこにパオちゃんのお母さんがやってきました。「あららーきっと、”はちみつ”もここにあるわね!おやつに使うのよ。」みんなはそれを効いた途端お腹が空いてきました。

『お腹すいた!早く食べたいね!』『よーし、お片付けしながら探そう!』みんなで1つずつ使ったものをあった場所に戻していきます。力を合わせれば、あっという間にキレイな部屋に戻っていきます。“はちみつ”どこかなー?最後にソファーの下に隠れているはちみつを発見!

お母さんの作ったホットケーキに”はちみつ”をたっぷりと掛けて、みんなで美味しくいただきました。子ども達はお皿のお片付けも率先してお手伝いしましたよ。スゴイ!

☆際立った特徴

ぞうのパオちゃんと仲間たちの絵本シリーズの中の1冊です

「おかたづけ」を題材にしていますが、しつけというよりも、楽しみの中で自然とお片付け出来るようになって欲しいなという作者の気持ちが伝わる作品です。

保護者が悩む「お片付けをどう教えるか」という悩みを解決するヒントもあります。パオちゃんのお母さんの声かけに注目です。子ども達も家中のものを集めてきて遊び始めるのですが、その発想力は素晴らしいです。子供だからこそ思いついた遊び方だと思います。

パオちゃんのみんなでおかたづけ 表紙

☆もっと詳しくストーリーを深堀り

今日はパオちゃんの家で遊ぶことになりました。ぞうのパオちゃんは鼻でラッパをならながら太鼓を叩いています。ペンギンちゃんは大好きな赤いミニカーをもって、絵本を読むうさぎちゃんとお話しています。ワニちゃんは怪獣のぬいぐるみをおんぶして、あひるちゃんは積み木遊び。

「積み木遊び楽しそう!ぼくもやりたい!」みんなで積み木遊びを始めました。積み木の数はあまりないので、お部屋の道具を使います。うさぎちゃんは絵本を組み立て、ちょっぴりアヒルちゃんより高くしました。ぺんぎんちゃんとワニちゃんはクズ箱と空き箱を組み立てて、上には時計を、かいじゅうのぬいぐるみも外を覗いてるみたいにセッティングして、うさぎちゃんより高くしました。

パオちゃんは、タンバリンとライトとさっき遊んだ太鼓とラッパも乗せて、高い塔みたいに作りました。「僕が1番大きいぞ!」と自慢げです。みんなでもっと大きいの作っちゃお!缶詰にフルーツの瓶・おもちゃ箱に毛布に傘に帽子に台所の食器まで!家中からかき集めて作ったのは、マフラーが髪の毛でボールが顔・帽子をかぶれば人形型の家です。

四足のついた家の間は、子ども達が通れる程のトンネルみたいな大きさがあります。子ども達はミニカーを走らせ、ドライブごっこを始めました。

家がたくさん出来たので家の間を走り、人形型の家のトンネルを順番に通っていきます。ぺんぎんちゃん。うさぎちゃん、あひるちゃん、パオちゃんが通ろうとした時です。背中が突っかえて グラッと家が傾き・・・ガラガラガラ ガッチャーン! 大きな人形型の家が崩れ落ちてしまいました。パオちゃんもお友達も下敷きになっちゃった・・・何事?!

パオちゃんのお母さんが見に来てみんなが怪我していないことを確認すると、散らかった部屋を見て「あららー。」みんなもちょっぴりガッカリ顔。みんなは、もしかして怒られるかも?なんて思っているのかな?

そしてお母さんは続けて「ホットケーキを作るのに”はちみつ”を探していたの。きっとこの中ね」とみんなが聞こえるような優しい声で話します。『へぇ?ホットケーキ?たべたーい♬』とうさぎちゃんたら、あまーい顔。

『食べたい!食べたい!』と子ども達、急に元気が出てきたみたい。”はちみつ”を探しながら、子ども達は協力して使った物を片付けていきます。『本はここにあったよね』『あった所に戻すと今度わかりやすよね。』なんて話しているようですよ。だんだん部屋の床が見えてきました。大片付けは順調です。さて“はちみつ”は一体どこにいったのかな?あひるちゃんがソファーの奥に何かを見つけました。パオちゃんが長い鼻を伸ばすと・・・あった!あった!『はちみつ見つけたよー!』とみんなで大喜び★

パオちゃんのお母さんは沢山ホットケーキを焼いてくれて、みんなでたっぷり”はちみつ”をかけて食べました。『美味しいね!』みんなとっても嬉しそう!食べ終わったら食器のお片付けもお手伝い♬

☆書店員の感想

子ども達が家中の道具を持ってきて自由に遊ぶ様子に、『楽しそうだなー!アイデアマンだね!すっごい家作れて良かったねー!もっと作ってー!』と読者としては思いました。しかし、私がパオちゃんのお母さんの立場だったらと思うと・・・そんな事は言ってられません。感心するどころか、叱るかもしれないし、お友達も含めて片付けるよう促すかもしれません。

しかし、パオちゃんのお母さんは全く怒りませんでした。片付けて!とも言いませんでした。そこがスゴイ所の1つ目。そして、片付けての代わりに「ホットケーキをみんなで食べたいから、はちみつを探しているのよねー」とだけ言うのです。

子ども達の頭はホットケーキでいっぱいになったはずです。ホットケーキが食べたいから”はちみつ”を探そう!その為にはまずお片付けをしよう!と自分たちで気づいて行動できました。ここが2つ目のスゴイ所です。こんなに楽しくてウキウキするお片付けがあるのかな?と思わせるほど、パオちゃんのお母さんの言葉はスゴイなって思いました。見習わないと・・・と母として感じました。

そして、本書を読んだお子さんも、お片付けしたら楽しいな。あった所に戻せばいいから“お片付け”って簡単だなって思ってくれるかもしれません。【使ったら片付ける】の習慣を教えたい、悩めるお母さんのお助け絵本になるのではないでしょうか。

パオちゃんのみんなでおかたづけ 裏表紙

よっぴー
  • よっぴー
  • 書店員のよっぴーです。2人の男の子と、1人の女の子の母として、毎日育児奮闘中です。
    私は自分の子どもに沢山の愛情を子どもが嫌がる時が来るまで、沢山沢山注ごう。心をもしコップに例えるなら、そのコップが溢れて「もう大丈夫だよ!」となるまで続けようと思っています。それだけは大事にしている信念です。
    絵本を読むのもその一つです。
    大切にしている愛情を伝える方法の1つだと思っています。

    保育士・幼稚園教諭二種・介護福祉士です。
    他に、ベビーシッター・ベビーマッサージ・ベビー’sサインなどの資格も持っています。
    絵本の感想とともに私の育児経験、保育士・幼稚園教諭免許を持つ書店員としてのアドバイスなどをご紹介出来たらと思っています。