フェーマスしんぶん あしあとじけん

町中に謎の赤い足跡と、落とし物が!!これは事件かもしれない?!新聞記者のフェーマスさんと仲間たちが謎に迫ります!

☆際立った特徴

  • 登場人物はぬいぐるみ。
  • セットは全て手作りのミニチュア
  • 写真で構成。
  • 絵本で描かれる物語が本物の新聞記事に!
  • 読者も記者・探偵気分を味わいながら読み進められる。
  • 本書で描かれた事件が『フェーマスしんぶん』の記事として、裏表紙の内側に掲載されてます。どのように新聞の記事にしたのか、その目線で楽しむのも◎
  • ハーベストむらの地図付き。俯瞰で見て”赤い足跡”を追っても◎

★出版社 作品紹介動画「YAO BOOKS」

★ファーマスしんぶん メイキング動画

☆読み聞かせのポイント

  • 新聞記者のフェーマスさんの助手になった気分で、ぜひ一緒に謎を解いてください!「これは何だと思う?」「これは何に使う物なんだろう??」と話しながら読むと、記者・探偵気分を味わうことが出来ますよ!
  • 背景には美しい花や、家具、生活用品や食事など見所満載です!隅々まで見て、「こんなものがあったよ!」というお子さんの発見を一緒に楽しみ喜びましょう♬

☆あらすじ

カワウソのフェーマスさんは『フェーマス新聞』の新聞記者です。

フェーマスさんは今日も面白いニュースを探しに出かけました。

玄関を出てすぐに、フェーマスさんはビックリ!

家の前に赤い足跡が!?遠くまで続いています。

足跡を追っていくと、近所に住むねずみのウォリーさん、リスのブライトさん、うさぎのクレバーさんの家の前にもなぞの赤い足跡が続いていました。

なんだか事件の匂いがします。

そして、みんなに聞くと、足跡以外にも、何かの手掛かりになるかもしれない落とし物がそれぞれの家の前に落ちていたことが分かりました。

ますます事件の予感がします。

これは一体なんなんだろう?謎を解明するためにみんなは足跡を追って走り出しました。しかし、気がついたらそこは【おばけの森】。

あれ・・・!?森の奥からモクモク煙が見えます

誰もいないはずの森なのに、一体何が起こっているんだろう・・・?

フェーマスしんぶん あしあとじけん 表紙

☆書店員の感想

●登場人物は全てぬいぐるみ、背景セットや小道具も全て手作りで出来ています!!絵とは違うリアリティーと、写真ならではの鮮明さを隅々まで楽しむことが出来ます。

本書の最大の魅力は、やはり本物のように見える動物のぬいぐるみを擬態化していること。本物に近いセットが組まれていて細部にまでこだわってミニチュアを作り上げられていること。そしてそれを写真にして、絵本が作り上げられているということです。

登場人物達が本当にこの家で、この町で、実際に暮らしているかのように感じられるように、隅々までこだわって造られています。

私は最初に本書を手に取った時、目をぐっと寄せて隅々まで観察しました。

「これは一体どうやって作っているのかな?」と考え、絶対本物の生き物ではないと頭で分かっているのに、「本物!?」と一瞬疑ってしまう程・・・。緻密な造りをしていました。

ぬいぐるみだけでなく背景や小道具もすごいんです!!家具やキッチンは本物の木で、食べ物は粘土でこれまた丁寧に造られています。

●『フェーマスさんは新聞記者』という設定が楽しいですね。自ら事件を探し、真実を追及して動く姿は、なんだかカッコいいです!本当に事件を追っているような目線で描かれているので、読者はファーマスさんのアシスタント(助手)にでもなったような気持で読むことが出来ます!

赤い足跡が町中に続いているという事と、一見統一性のない落とし物が、所々に落ちているという事が、フェーマスさんをはじめ、町の仲間達、そして読者の「謎を解明しなければ!」という探求心や好奇心をくすぐります。

「これは一体何のメモなんだろう?」「この帽子はなんの帽子なんだろう?見た事があるような…?」「大きな手袋のように見えるけど何だろう?」と、読者の子ども達はきっと頭を整理しながら一つずつ考えて読み進めると思います。

お子さんと読むのであれば、大人が先に答えを言うのではなく、子ども達が様々なヒントを元にどう考えるのか見守るのも、側で見ていて楽しいかもしれませんよ。

(ひらがながまだ読めない子でも分かりやすいようにメモにはイラストも描かれています。これは作者山田亜友美さんのまだ文字を読めない子への配慮ですね。すてき!)

フェーマスしんぶん あしあとじけん 裏表紙

事件解決後の、みんなのほっこりした幸せな雰囲気に、とても癒されます。どんな風に?は、本書を見てからのお楽しみ♬

事件(⁉)が解決した後のみんなの表情はなんとも朗らか。もしかしたらフェーマスさんは新聞記者なので大スクープになるような事件を少し期待していたのかもしれませんが、結局はハッピーな出来事として謎が解決しました。私はこの謎の難し具合が3・4・5歳の子ども達にピッタリだと思いました。

不思議な出来事とそれを解決しようとする勇気や「どういう事なんだろう?」という好奇心を描いているので、読者の子ども達もグッと本の世界観に入り込むことができます。

「事件」と聞くと、幼い子どもが見ても大丈夫かな?と少し心配になる親御さんもいらっしゃるかもしれませんが、本書はビックリしたり怖さを感じるような描写はありませんよ。

安心して楽しむことが出来ます♪

よっぴー
  • よっぴー
  • 書店員のよっぴーです。2人の男の子と、1人の女の子の母として、毎日育児奮闘中です。
    私は自分の子どもに沢山の愛情を子どもが嫌がる時が来るまで、沢山沢山注ごう。心をもしコップに例えるなら、そのコップが溢れて「もう大丈夫だよ!」となるまで続けようと思っています。それだけは大事にしている信念です。
    絵本を読むのもその一つです。
    大切にしている愛情を伝える方法の1つだと思っています。

    保育士・幼稚園教諭二種・介護福祉士です。
    他に、ベビーシッター・ベビーマッサージ・ベビー’sサインなどの資格も持っています。
    絵本の感想とともに私の育児経験、保育士・幼稚園教諭免許を持つ書店員としてのアドバイスなどをご紹介出来たらと思っています。