あきのセーターをつくりに

秋の読み聞かせにピッタリ!秋ってどんな匂い?色?風?一緒に秋を感じてみよう!お外へ出かけて探してみよう!

☆読み聞かせのポイント

  • 親子で一緒に「秋ってどんな音がするかな?風はどうかな?」と考えてみましょう!
  • 遠足や公園へお散歩!の前に読むのもオススメ。秋を探しに出かけよう!

☆あらすじと書店員の感想

お気に入りのセーター。しばらく着ないうちに小さくなってしまいました。しかし、どんぐりを入れることが出来るポケットがついたこのセーターが、とっても好きなすりちゃんです。

すりちゃんは、リスの女の子。ある日の朝、寝ざめた時にヒンヤリした空気を感じます。そして、こんな寒い日はあれを着よう!と春にしまったセーターを取り出しました。

しかし、すっかり丈が短くて、今のすりちゃんが着るとツンツルテン!

すりちゃん、春から秋にかけて、大きく成長したってことですね。そんなすりちゃんを見て、お母さんが「お着換えしたら?」と促すのですが着替えようとしません。

だって、このセーターのポケットには、どんぐりが入るんです!どうやら忙しいお母さんの為にどんぐり拾いのお手伝いをしたいようです。どんぐりを拾って入れるに丁度いいポケットがついているこのセーターがお気に入りなのです。

しかし、拾ってポケットに入れよとしても2個目のどんぐりが入りません。入れようとしてもポロンと落ちてしまいます。だってツンツルテンのセーター、入る余裕(スペース)がないのです。あらら、やっぱりもうこのセーターでは小さすぎるんですね。

考え直したすりちゃんはお友達のうさぎのさきちゃんとミコさんのお店に向かいます。素敵なセーターに直してもらう事にしたのです。

ミコさんはすりちゃんの気持ちを上手に聞き出しながら、すりちゃんをイメージしてデザインを考えます。すりちゃんの秋のイメージを聞いていくと、読者の心も秋色に染まります。

ミコさんは仕立て屋さんです。しかし、普通の仕立て屋さんと違う所があります。”お客さんの気持ちやイメージをよく聞いて、その気分を大切にすること”を大切にしているようです。お茶とお菓子を楽しみながら♩

ミコさんは、すりちゃんに沢山の話を聞いていきます。「ねぇすりちゃん、秋の山には何がある?」「秋の風・匂い・音はどうかな?」「秋には何が食べたい?」

すりちゃんは思うままに答えていきます。「秋の山には帽子をかぶったどんぐりや木の実がいっぱい!」「虫の声やススキが揺れる音がするよ。雨が降るとしーんと静かなの。」「ぶどうに柿にいちじく・・・りんご!」

だんだんミコさんのイメージが出来てきた頃、最後にポケットをどうしたいか聞きました。もちろんすりちゃんは、「どんぐりをいっぱい拾って、お母さんにあげたいの!」と答えました。

さあ、どんなセーターが仕上がるのでしょう。すりちゃんとさきちゃんが帰った後、ミコさんはすりちゃんを想いながら編み始めました。秋の音を聞きながら。

次の日、出来上がったセーターを見てすりちゃんは大喜び!前のセーターの毛糸と新しい毛糸を混ぜて編んであり、もっと素敵になりました。しかも大きなポケットがついています。ミコさんはさきちゃんにも耳がすっぽり入る帽子を編んでくれました。

二人はニコニコ♩手を繋いで落ち葉の上を元気にお散歩。途中どんぐりを見つけてポケットに入れて、二人の楽しい帰り道。そして家に着いたすりちゃんは家のドアをノックしました。

お母さん、お土産ですよ★

参考文献:集英社文芸ステーション 石井睦美さんインタビュー「書く事はその時間を生きること」

EduTownあしたね 布川愛子さんインタビュー

よっぴー
  • よっぴー
  • 書店員のよっぴーです。2人の男の子と、1人の女の子の母として、毎日育児奮闘中です。
    私は自分の子どもに沢山の愛情を子どもが嫌がる時が来るまで、沢山沢山注ごう。心をもしコップに例えるなら、そのコップが溢れて「もう大丈夫だよ!」となるまで続けようと思っています。それだけは大事にしている信念です。
    絵本を読むのもその一つです。
    大切にしている愛情を伝える方法の1つだと思っています。

    保育士・幼稚園教諭二種・介護福祉士です。
    他に、ベビーシッター・ベビーマッサージ・ベビー’sサインなどの資格も持っています。
    絵本の感想とともに私の育児経験、保育士・幼稚園教諭免許を持つ書店員としてのアドバイスなどをご紹介出来たらと思っています。