あきやさいのあきわっしょい!

家でも園でも、秋の読み聞かせにピッタリ!秋のお野菜や果物って何がある?に秋をたっぷり堪能しましょう!ダジャレに気づいたら言いたくなること間違いナシ!

☆3つのおすすめポイント

  1. 野菜や果物たちが話す言葉が全てダジャレ風。でも、彼らはそれが当たり前の話し言葉のようですよ。彼らは自分たちが一番!といつも競争しているようです。
  2. 秋のおみこしを担いだ野菜や果物達が、森の広場に向かって集まります。途中で現れた大きな白いお化け!?脅かした拍子に川に落っこちちゃったおばけは一体誰でしょう?
  3. 森の広場に集まった野菜や果物達は、なんとパーティのお料理に変身します!「たべてくやさーい!」「おいしいんだもの!」おいしい秋をめしあがれ♬きっと苦手なお野菜も大好きになるよ!

☆あらすじ

はたけひろばは、秋祭りです。おいものおみこしが出発しました。

「わっしょいも!わっしょいも!」さつまいもに里芋、ジャガイモが「おいものおみこし、はやいもん。」と、かついだみこしを運びます。

そこへ、ナスとにんじん、ごぼうがかつぐ、やさいのおみこしが「ヤッサイ!ヤッサイ!」「こっちの方が速いなっす」と、おいも達を抜いていきました。

そこに、今度はきのこのおみこしをかついだエノキにシイタケ、なめこにまつたけが、「こっちのほうが、はやいたけ。ちょっと通してほしいたけ」と間を割るように通っていきました。

血の気の多い者ばかり。「けんかみこしだ、ぶつけんか」と、みこしをぶつけ合うおいも達ときのこ達。

そこへ登場したのは果物達。「くだもののりものだもの」とオレンジとキウイのタイヤを付けた、みこし車に乗ったりんごにぶどうに柿に洋ナシ、栗に梨。「こっちの方が大きいしカッコいいぞ!!」と自慢げです。さすがに他のきのこ達や野菜達は、この大きさと迫力にはビックリです。「まったけ」「くやしいたけ」「たいしたもんじゃが」ってね。

よーし、みんなで競争だ!猛スピードでみこしを担いで走る一同。しかし、いつの間にやら森の中に入ってしまいました。「暗くて参ったなー」「もうだめ、怖いよー」「強いのから先に行ってよー」などと、さっきの威勢はどこへやら、あちらこちらから弱気な声がしています。そこへ、大きな白い顔のお化けが目の前に現れて、一同「ぎゃー!!!」と大騒ぎ。

おばけも「ぎゃー!!」と後ろにすってんごろりん。ごろりん。そのまま”カボッチャーン!”と川に落ちました。大変だ、おばけを助けなくちゃ!!

力を合わせて川から救い出したのは、「ふー助かったかぼちゃ!脅かしてごめんなぼちゃ」と大きなかぼちゃ君でした。白い布をかぶって脅かそうとしたみたいです。

濡れたかぼちゃ君を一同は2本の丸太を通して、みこしのようにかつぎます。「はりきりやさい!かつぎやさい。わっしょいも!」

秋風がぴゅうぴゅう吹いてきて、銀杏の実と葉が降ってきました。銀杏は太鼓や笛を吹いて祭りを盛り上げます。おみこしかついで競争も楽しいけど、みんなで並んでパレードも良いもんです。歌って踊って、楽しくみんなで騒ぎましょう!

さあ、森の広場に到着です。みんなで秋の料理に変身しましょう!

おいものパンケーキにかぼちゃのグラタン・果物タルトにコロッケまで、沢山料理が並んだら、さあ、パーティが始まりますよ★おいしい料理をめしあがれ。 「いただきまーす!」

あきやさいのあきわっしょい!表紙

☆際立った特徴

「わっしょいも!」「おみこし かつぎんなん」など、会話が全てダジャレのようです。ですが、誰が話しているのか分かりやすいようになっています。登場人物が多いので、誰が話しているのか分かると、ストーリーがもっと楽しくなってきます。

そして、ダジャレという事自体に気づいたら、もう言いたくてたまらない!!口に出して誰かに言いたくなること間違いナシ!!

☆書店員の感想

言葉遊び満載の絵本です。そして、どうやら畑広場の秋祭りは、おみこしをかついで競争しながら森の広場まで行くのが恒例行事だったみたいですね。野菜類・いも類・果物類・きのこ類に分かれて、それぞれを強調するような、ご神体を乗せてみこしを担いぎます。時々「けんかみこしだ!」とみこし同士をぶつけ合い、速さだけでなく強さを競ったりすることもあるようです。そこに登場したのが果物達のみこし車です。房のままのバナナにキウイとオレンジを輪切りにしたタイヤがついている”みこし車”には、他のみこし達は「こりゃ敵わない。参ったー」とその迫力に負けて見上げるしか無いのでした・・・。

森の広場に集まったお野菜や果物たちは、なんとパーティのお料理に変身します!「たべてくやさーい!」「おいしいんだもの!」

途中、お化けに化けてみんなを驚かそうとしていたかぼちゃ君が川に入ってしまい、野菜や果物達は力を合わせて救出しました。そして、ぬれたかぼちゃ君をどうにか森の広場まで運んであげようと、一致団結して運びます。もちろん、みこしのようにかついでね。今まで「自分たちが1番だ!」と自慢しあって競争していた野菜や果物達でしたが、だんだんと心が一つになっていくようです。そして、気づけばパレードのような状態でぞろぞろと並んで歩いています。そこに秋風がビューと吹いてイチョウの葉っぱが、銀杏を付けて一緒にフワフワ~ヒラヒラ~と落ちてきました。なんだか秋らしい風景であり、幻想的でもある一瞬を野菜たちは見上げて「お祭りって楽しいね。秋の野菜って最高だよね!紅葉したイチョウがきれいだね」と喜んでいます。誰かと競うことなくみんなで仲良くお祭りを楽しめていることに気づいて、「パレードはいいもんだね」と、しみじみ感じている野菜と果物達なのでした。

さて、森の広場に集まった野菜と果物達。秋のお料理に変身しましたよ。変身したお料理は、4種類。野菜達も、果物達も、みんなが使われたパーティーメニューです。森の切り株の上に広げられたお料理たち。秋って最高!秋って美味しい!と一同が喜んで言っていますよ。どれも美味しいよ!どれも最高だよ!たべてくやさーい!おいしいんだもの。さあ、どうぞめしあがれ♬ 「いただきまーす!!」

誰にだって苦手な野菜や果物はありますね。でもね。野菜や果物って面白いです。そして、料理することでとっても美味しく変身できちゃうんです。まずは、おみこしをかついでいる野菜や果物達の楽しそうな様子を感じて、イチョウが散る秋の紅葉の美しさや恵みを感じて、そしてダジャレを楽しんでみませんか?きっとそこから興味が出て、「食べてみようかな」って一歩踏み出せる日がくるかもしれません★

私は、野菜や果物が苦手だなって思っているお子さんにこそ、楽しんで読んでほしい一冊だと思います!

【絵本専門書店員のレビュー】みこしをかついで森の広場に集まった野菜や果物達は、なんとパーティのお料理に変身します!「たべてくやさーい!」「おいしいんだもの!」

あきやさいのあきわっしょい! 裏表紙
  • 作品名:

よっぴー
  • よっぴー
  • 書店員のよっぴーです。2人の男の子と、1人の女の子の母として、毎日育児奮闘中です。
    私は自分の子どもに沢山の愛情を子どもが嫌がる時が来るまで、沢山沢山注ごう。心をもしコップに例えるなら、そのコップが溢れて「もう大丈夫だよ!」となるまで続けようと思っています。それだけは大事にしている信念です。
    絵本を読むのもその一つです。
    大切にしている愛情を伝える方法の1つだと思っています。

    保育士・幼稚園教諭二種・介護福祉士です。
    他に、ベビーシッター・ベビーマッサージ・ベビー’sサインなどの資格も持っています。
    絵本の感想とともに私の育児経験、保育士・幼稚園教諭免許を持つ書店員としてのアドバイスなどをご紹介出来たらと思っています。