おおきな おおきな にんじん
美しく、不思議な世界に迷い込む。
☆3つのおすすめポイント
- ページを開くと超横長ワイドの、隅々まで美しい絵が広がる。
- この世界に重力はあるのか??とファンタジックなビックリ展開。
- うさぎの兄弟のユーモラスな想像の世界。
☆あらすじ
うさぎの兄弟が、とっても大きく育ったにんじんを掘り起こします。
そして、「1番みんながにっこりするつかいみち」を考えていくストーリーです。
次々と浮かぶ豊かな発想が、緻密で美しい絵の中に表現されていきます。
☆際立った特色
作者の刀根里衣さんは、ボローニャ国際絵本原画展に2年連続入賞。日本人として初めて国際イラストレーション賞を受賞しています。
本書は、とにかく絵が美しい。
横長のページをめくるたびに、まるで8Kワイド画面のような精密な絵の中に、巨大なニンジンとうさぎの不思議な世界が広がっていきます。
しかし決してテレビでは表現できない、絵本ならではのマットな質感と、インクの匂いがとても心地よく、ファンタジックな世界に引き込まれます。
全体的にパッとしたはっきりとした色がなく、霞んだ雰囲気です。
霞んだ世界の中に、にんじん色や花畑の赤、海の魚がとても映えています。
背景も、非常に細かなところまで描かれていて、光と色のコントラストが美しいです。
☆書店員の感想
表紙を見ると、美しいうさぎたちの世界が描かれているんだろうなって想像できるでしょう。
しかし、美しいだけじゃない!!この世界って・・・すごい。私の想像をグーン!と超えました。
まずうさぎたちは、にんじんを乗り物にしたらどうかなって考えるのですが、私は「みんなが乗るのはそっち??!!上下逆じゃなくて?」とビックリしました。
まだまだ次々と想像が展開していくのですが、ページをめくる度に「え?!そっち??!」と私の想像をグングン超えていきます。
逆立ちして、耳が足になって歩いていく・・・言葉だけで想像できますか?
これには、私、ほんとにビックリして、家族や友人に「これ見てみて!!」と言わずにはいられませんでした。
重力って無いのかな?どーなってんの?って感じです。なるほど!面白い!
私のお気に入りは、”お花畑”です。
大きく育ったにんじんのてっぺんに素敵なお花畑をつくったら、「きっとそらとたいようにいちばん近い・・・」ってセリフと、帽子をかぶるうさぎたちの格好がとても可愛らしいです。その帽子のかぶり方・・・笑っちゃいました。
最後にうさぎ達が考えた「みんながにっこりするつかいみち」はいったい何でしょう。
なにができるかな? なにができるかな?
- 作品名:おおきな おおきな にんじん
- 著者名:刀根里衣
- 出版社:小学館