おたすけこびと

おたすけこびと 表表紙

はたらく車好きな子にオススメ!また、お誕生日の読み聞かせにもピッタリ!

☆3つのおすすめポイント

  1. はたらく車(建設車両)が、図鑑のような種類の多さの絵本。
  2. 誕生日ケーキの作り方の工程がわかる。作る為の道具が”はたらく車!”斬新です。
  3. お母さんを助けてくれるのは、100人以上の小人達。

☆あらすじ

お母さんは、息子の誕生日ケーキを電話で注文します。

注文を受けたのは、なんと小人達!

お母さんとお父さんと男の子がお出かけしている間に、100人以上の小人たちがやってきました。小人は、卵の3分の1くらいの大きさです。

もちろん注文されたのは小人サイズではなく、私達が食べるサイズのケーキです。どうやって小さな小さな小人たちが普通サイズのケーキを作るのでしょう。

そこで登場するのが、小人たちが操縦する”はたらく車”達です!!

小人たちからすれば、とてつもない大きさのバースデーケーキを、力を合わせて作っていきます。

作業現場は、もちろんキッチン!キッチンにさまざまな”働く車”が大集合します。車の大きさは、ちょうコップやお茶碗などの大きさ。小人たちが扱うにはちょうど良い大きさです。

ショベルカー・クレーン車・ブルドーザー・ミキサー車などなど、よく工事現場で見かける大型の作業車を、小人が操縦して卵を割ったり小麦粉を混ぜるところから、ケーキ作りの開始です。

クレーン車のアタッチメント(ヘッド部分)がミキサーになっている車が、生地をまぜまぜ。まざった生地かたに流し込んでパワーショベルカーで持ち上げてオーブンに移動。

なかなかの重労働で、オーブンで焼いている間、小人たちは休憩です。

そこに来てくれたのが、キッチンカー☆。現場に来てくれるなんて、なんて気が利くキッチンカーなんでしょう!「みなさんお疲れさまです!しっかり休憩してくださいね!」と言っているようです。疲れた体においしい食べ物が、小人達を癒やしてくれています。

さぁケーキが焼き上がりました。大きなスポンジケーキの完成です。

第二回戦開始!といった感じでしょうか。そこからの仕事も大変です。バースデーケーキに、デコレーションをしなくてはいけません。

さぁどんな乗り物が、クリームを伸ばしたりいちごを乗せたり、デコレーション作業をするのでしょうか。

そして、素敵なケーキに男の子は喜んでくれるのでしょうか。

☆際立った特徴

小人の人数は100人以上!そして、小人たちが扱う働く車の種類も16台以上!

お母さんの電話を受けて、小人たちが請け負った依頼はなんとバースデーケーキ作り。

働く車(建設車両、建設重機)でケーキ作りとは、思いもよらない組み合わせです。

小人は100人以上はいるのですが、多すぎて正直数え切れませんでした。お話が進むとどんどん増えているような気が・・・一体何人いるんだろうか。

小人たちは、自分の与えられた仕事を懸命に頑張っています。怠けている人は見当たりません。時には「そっちじゃないぞ!!」と服を引っ張られている子がいたり、安全に作業できるように旗信号で合図を送っている仕事の人がいたりして、小人1人1人の話が聞こえてくるようです。どんな会話をしているのでしょうか。耳を済ませてみてください。

一人一人の小人の様子や、働く車の細かな構造まで、本書を隅々まで楽しめます。

☆書店員の感想

この絵本は、なんと”働く車”がケーキを作るんです。しかも小人がです!!およそ、大人の指先位の大きさです。

そんな大きさの小人が、せっせとケーキを作っていくなんて、想像できませんでした。なんて素敵で、ビックリするストーリーなんでしょう☆

本書を読んだ子どもはどんな風に感じるでしょうか。

「お手伝いしたら、お母さん喜ぶかな?」「そうだ!僕もブルドーザー持ってるぞ!」「もしかしたら、僕もお母さんの食事の準備のお手伝いができるかな」と、おもちゃのブルドーザーをキッチンに持ってきて手伝おうとしてくれるかもしれません。

そんな事をしてくれたなら、なんて嬉しいことでしょう。ありがとー!!とギュッと抱きしめてあげたくなりますね♪想像しただけで、感動してしまいました。

親は、子どもの誕生日は特別な1日にしてあげたいと心から思っています。

私は子どもの誕生日には、夜の食事に何を出そうかと、朝から食べ物の準備で頭がいっぱいになります。

でも食事の準備はもちろん大事だけど、本当は一緒にプレゼントを買いに行ったり、子どもと一緒に遊んで楽しく過ごしたいんです。

絵本の中のお母さんは、一緒に過ごす時間を作る為に、小人にケーキ作りをお願いしたわけですが。

著者のなかがわちひろ先生・コヨセジュンジ先生は、世のお母さんたちに「家事はもっと周りに頼んでもいいんだよ。子どもと一緒に過ごす時間も大切なプレゼントになるよ」って伝えてくれているのではないかと、感じました。

そうだとしたら、お母さんの気持ちをわかってくれているんだなって、私は嬉しく思います。

私の所にもおたすけに来てくれないかなぁ。

☎「もしもし、小人さんですか?どうか、小人さん達、私の所にもお助けに来てください☆」

  • 作品名:おたすけこびと
  • 著者名:文 なかがわちひろ 絵 コヨセジュンジ
  • 出版社:徳間書店
おたすけこびと 裏表紙
よっぴー
  • よっぴー
  • 書店員のよっぴーです。2人の男の子と、1人の女の子の母として、毎日育児奮闘中です。
    私は自分の子どもに沢山の愛情を子どもが嫌がる時が来るまで、沢山沢山注ごう。心をもしコップに例えるなら、そのコップが溢れて「もう大丈夫だよ!」となるまで続けようと思っています。それだけは大事にしている信念です。
    絵本を読むのもその一つです。
    大切にしている愛情を伝える方法の1つだと思っています。

    保育士・幼稚園教諭二種・介護福祉士です。
    他に、ベビーシッター・ベビーマッサージ・ベビー’sサインなどの資格も持っています。
    絵本の感想とともに私の育児経験、保育士・幼稚園教諭免許を持つ書店員としてのアドバイスなどをご紹介出来たらと思っています。