おふろでなんでやねん

おふろでなんでやねん 表紙

家族で行ったお風呂屋さん。面白い出来事が次々起こり、「なんでやねん!」と言いたくなります。お風呂屋さんが好きな人、ユニークな絵本が好きな人にもおすすめです。

☆3つのおすすめポイント

  1. 家族みんなでお風呂屋さんに。つぎつぎと起こる面白いハプニングが笑いを誘います。
  2. みんなが笑顔になる、魔法のことば、「なんでやねん。」お話もつい「なんでやねん!」と言いたくなります。
  3. 楽しいお風呂屋さんに、みんなの笑顔が溢れます。こんなお風呂屋さんあったらいいな、そんな楽しい想像が膨らみます。

☆あらすじ

おじいちゃん、お母さん、赤ちゃん、お父さん、ぼく、ねこの5人と1匹、家族全員でお風呂屋さんに行きました。

お風呂屋さんについて、入り口で靴を脱いだら…

まだ入り口なのに、お父さんが服まで脱ぎだしちゃいました!思わず「なんでやねん!」

つぎに、ボタンを押してチケットを購入します。すると…

取り出し口から、ドーンとおじさんが出てきました!またまた「なんでやねん!」

男性たちで、男湯ののれんをくぐりました。今度は何かな…?

よく見ると、お父さん、おじいちゃん、ぼく、ねこまで、いつの間にか腰みのをつけていました!みんなで、「なんでやねん。」

ねこも一緒にお風呂に入ります。浴室の扉を開けると、そこはなんと、ハワイでした!サーフィンしているぼくとねこ。ワニに追いかけられるお父さん!

蛇口をひねったら、シャワーから麺が出てきて、どんぶりにおいしそうなラーメンが完成しました。なんでやねん。

ラーメンを食べつつ、男の子とおじいちゃんが髪を洗います。キレイになったかと思いきや、アフロになりました。みんなも慣れたのか、ビックリもせず、楽しんでいるようです。

みんなで肩までお湯に浸かって、10、9、8、7、…3、2、1、…どっかーん!お風呂からロケットが発射されました!ヘルメットをつけたねこも乗っています。(笑)

楽しく、にぎやかにお風呂屋さんを楽しむことができました。

帰り道、「おじいちゃん 忘れてきた!」ハプニングはまだまだ続きそうです。

☆際立った特徴

家族みんなでお風呂屋さんに行くところから始まります。

ねこも一緒に行く、というところから「なんでやねん」が始まっているようです。

漫才でいう「ボケ」がつぎつぎ起こり、それに対する「ツッコミ」を「なんでやねん」と言っていくような、ユーモア溢れるお話です。

家族みんな、いろんなハプニングにも柔軟に対応していく、楽しいファミリーです。表情や、お風呂屋さんの中もとても楽しいようすです。

想像力豊かな発想に、大人も子どももクスッとしてしまいます。

☆書店員の感想

●家族みんなでお風呂屋さんに。つぎつぎと起こる面白いハプニングが笑いを誘います。

家族みんなでお風呂屋さんに行くというのは、いつもとちょっと違って特別感がありますね。大きいお風呂に、いろんな種類の湯壺があったり、サウナがあったり…家では味わえない空間です。

昔は、近所の銭湯に家族みんなで入りに行く、ということが多かったようですね。今は家庭風呂がかなり普及しましたので、お風呂屋さんに行くのはちょっとしたお出かけ気分になります。息子二人も銭湯が大好きなので、この絵本に出てくる男の子もウキウキとお風呂屋さんに出かけたのかな、と思いました。

銭湯には、家族と、何故か二足歩行のねこも一緒です。2年生の息子は、「ねこが歩いとる!」と、まずそこで興味津々でした。

玄関で服を脱ぎだすお父さん、その奥の下足箱でなにか頭を悩ませているおじいちゃんも気になります。

浴室に入ると、その中はなんとハワイ!ちょっと、旅行気分も味わえそうでいいですね。

男の子のお風呂に対する楽しみな気持ちで、浴室の中がハワイのように感じたのかも…?とも思いました。腰みのをつけて、ハワイでサーフィン、フラダンス。シャワーからはラーメンが出てきて、美味しい楽しみもあります。

男の子が頭を洗っているときに、奥で仲良くフルーツたっぷりのジュースを飲んでいるお父さんとお母さんも素敵です。

アフロになってしまっても、なかなか普段できる体験ではないので、ちょっと惹かれます。一度試してみたいなぁ、面白そうに思いました。

そういえば、このお風呂は混浴になっちゃってるんですね。腰みのをつけているので大丈夫ですね。家族で楽しめて、いい時間を過ごせそうです。

ハワイの火山のような湯壺にみんなで浸かって温まる家族。家族風呂のようにみんなで浸かれて、ほっこりしますね。

帰り、お店の看板には「アロハ乃湯」と書かれています。やはり、ハワイがテーマのお風呂屋さんだったのでしょうか。ちょっと興味があります。実際にあったら行ってみたいと思いました。

●みんなが笑顔になる、魔法のことば、「なんでやねん。」お話もつい「なんでやねん!」と言いたくなります。

お風呂屋さんの入り口で服を脱ぎだしてしまったお父さんに、指をさして「なんでやねん」と言っている男の子。その表情が、なんとも可愛らしいです。「こらこら、お父さん」「それはレッドカードですよ」と言っているように思えてきて、クスッとしました。

関西弁を話す方だったら、思わず「なんでやねん」と言ってしまうかんじなのでしょうか。

チケット販売機からおじさんが出てきたとき、息子は大笑いし、「なんでこんなとこから出てくるん〜」と、まさに「なんでやねん」と言いたいような反応でした。

また、シャワーからラーメンが一番ハマったようで、弟と二人で大笑いしていました。子どもの好奇心や、笑いの感性にピッタリハマる面白さのようです。

お風呂上がりのジュースも、ハワイにちなんだパイン、パパイヤ、ブルー・ハワイなど色とりどりで、子どもたちはじっと見ていました。ねこはなんとマタタビジュース。紫色です。一体どんな味がするでしょう…、腰に手を当てて人間のように美味しそうに飲んでいます。お風呂上がりの一杯、最高ですね。

帰り道にはなんとおじいちゃんを忘れてきています。おじいちゃん、まだハワイを楽しんでいるんでしょうか。

●楽しいお風呂屋さんに、みんなの笑顔が溢れます。こんなお風呂屋さんあったらいいな、そんな楽しい想像が膨らみます。

絵本の絵は、家族や背景など、一つ一つハッキリと描かれていて、なんでやねん、という場面もインパクトが大きく感じられるようにドーン!と描かれています。お話の内容と、ユニークさがしっかり伝わってくる愉快な絵のタッチになっていて、家族一人一人の場面ごとの表情も豊かです。ねこの慌てているときや毛を立てているときのようすなども、ねこの気持ちが伝わってくるようです。

お風呂やさんでは、実際に起こったらビックリな出来事ばかりですが、お風呂屋さん大好きな子どもたちから見たら、お風呂屋さんはもしかしたらこんなふうに見えている世界なのかも?とも感じました。

なんでやねん、と突っ込みたくなるユニークな出来事がたくさんのお風呂屋さんでしたが、「あったらいいな」とも思える、楽しい場所のように感じました。

みなさんは、お風呂屋さん、お好きですか?どんなお風呂屋さんがあったら楽しいでしょう?そんな会話も、親子で楽しめそうです。

おふろでなんでやねん 裏表紙
にむさん
  • にむさん
  • 現在4年生と年長の男の子、1歳の娘の育児に奮闘中です。
    兄が弟に、さらに最近では弟が妹に絵本の読み聞かせをしてくれるようになりました。子どもたちの姿から学ぶことも多い日々です。
    短大で介護の勉強をし、介護福祉士の資格を持っています。