おむすびさんちのたうえのひ

お米はどうやって出来るの?と、田植えを知らない子にピッタリ!一緒に遊ぶように田植えを体感できますよ♬今よりもっとお米が美味しいと感じるよ!

☆際立った特徴

  • ご飯系の食べ物達(おむすびと具・お稲荷さん・のり巻き・寿司のネタ)を擬人化したキャラクターに!
  • 今日はおむすびさん家の田植えをみんなが協力して行う。
  • テンポの良い繰り返しのリズム音があちこちに書かれています。ノリノリで読んで!
  • 登場人物たちの姿を近くから・遠くから・並べるようにと、色んな角度で描く。
  • 読者も一緒に声を出して読みたくなる言葉の工夫あり。
  • タコとイカの名人芸級の田植えは必見!!
  • 読み聞かせ中に声掛けしやすい絵本。
  • 食育の絵本。
  • 最初から最後まで、声を出したり動きの真似をしたり、面白さが詰まった絵本。

☆読み聞かせのポイント

  • まず、田植えって何?と知ることが出来る絵本です。どんな事をするのか、見てみましょう!「お米の稲を上手に植えているね。真っすぐ植えるんだね」と、気がついた点を一緒に話しましょう!
  • 「せっせのせ せっせのせ」みんなが田植えをするシーンがコマ送りのように描かれます。指さししながら1か所ずつ進めてください。田植えの手伝いをするよな感覚になります。(田植えをする時は、稲を摘まむようにして持つので、そんな手をしながらも面白いですよ!)
  • せっかく、おにぎりの具やお寿司のネタなどが沢山揃っているので、「どれが好き?どの具が好き?」と話し合っても楽しいですね!
  • みんなで背中を洗い合いっこするシーンは、ゴシゴシゴシとお子さんにやってあげて、次はお子さんにやってもらってと、一緒にお風呂に入った気分でも楽しむ事ができます。

☆注目ポイント

  • 本書では、手で稲を植える昔ながらの「田植え」を描いています。どんな方法で田植えをするのでしょうか。田植えは”助け合いでもあり、お互い様”という気持ちであることと、昔ながらの文化も伝えています。
  • 子ども達にも分かりやすく田植えの方法を伝えています。一緒に田植えに参加出来たような感覚にもなります。「せっせのせ」と声を出して田植えをするシーンは、コマ送りで田植えの様子が描かれています。ぜひ読者も摘まむような手にして、リズムよくなぞってみてください!
  • 登場する人物たちはお米に関係のある者達ばかり!「どのおにぎりが食べたい?」と選んだり、食べたマネっこも楽しいですよ!
  • お風呂のシーンは、読者も背中を洗う一員になりましょう!絵本を読みながら「背中を向いてゴシゴシ、反対向いてゴシゴシ」と、親子で洗い合いっこをしても楽しく読めます。
おむすびさんちのたうえのひ 表紙

☆あらすじ

今日は、おむすびさん家の田植えの日です。

朝、お父さんと子ども達はパクパクモグモグ美味しくご飯を食べます。

今日からお父さんは、家の事は子ども達にお願いして田植えをします。

朝ごはんが終わると早速おむすびさんは稲の苗を一輪車で田んぼまで急いで運びました。

田んぼにつくと、もう手伝いのみんなが来てくれていました。

「朝早くからすみません!」とお父さん。「いえいえお互い様だから」とみんな。

田植えの手伝いに来てくれたのは、近くに住む村のみんなです。

おむすび村の具の、しゃけさん・たらこさん・おかかさん・うめぼしさん・こんぶさんです。それからお稲荷村のおいなりさんと・のり巻き村の細巻さんと太巻さん。

みんなは並んで声を合わせて稲を植えていきます。

おいしいごはんができますように。おいしいおむすびができますように。と願いをこめて。

「せっせのせ。せっせのせ♬」

せっせと植えていくうちに、いつの間にやらお昼です。田んぼの間のあぜ道に座ってみんなでお昼ごはん。シャカシャカズルズルと遠くから音が聞こえてきました。何の音?

すると「遅くなりましたー!」と寿司ネタ村のタコどんとイカどんが田植えの手伝いに来てくれた音でした。

二人は田植えの名人です。どうしてかって・・・?

タコは8本の足で、イカは10本の手足で、「接せこせっせこ シャカシャカズルズル」と超

スピードです!遅れた分もはりきる二人の仕事はもはや名人芸!!

夕方になり辺りも暗くなった頃、田植えがようやく終わりました。

日に焼けて真っ黒に日焼けしたおかかさん、水分が失われて海苔がバリバリになったのり巻きさん達、疲れてたったまま眠るこんぶさん、ご飯が崩れたおいなりさん。一日中働いたみんなの体はヘトヘトな様子。

そこでおむすびさんはみんなを家へ招待しました。家につくと子ども達がお風呂の準備をして待っていました。

みんなで一緒に列になり、背中を洗い合いっこでゴシゴシゴシ。反対向きになってゴシゴシゴシ。そして、一斉にお湯にザブーン♬

みなさん今日一日お疲れさまでした!

明日はおいなりさん家の田植えです。これで明日も頑張れそうですよ。

☆書店員の感想

身近に「田植え」がある環境で育った方はぜひ手に取って欲しいと思います。もちろん田植えを見た事も聞いたこともない方にも!!田植えって簡単なようで結構繊細な作業なんです。

私も小さな時に父・母・祖父・祖母・親戚一同が田植えをする様子を見学?していた記憶があります。見学と言うか、あぜ道に休憩用のシートが広げられていて、お菓子を食べながらその様子を見ていたという感じです。私は幼すぎてその日の記憶はほとんどないのですが、なんとなく親戚が集まっていてみんなでワイワイと楽しかった記憶があります。

私が物心ついた頃にはすでに田んぼはやめてしまったので、家族の田植えの記憶はこれだけなのですが・・・。 

その次に私が田植えを経験したのは、うちの子どもの5年生の授業です。田植えから稲刈りまでを体験する1年を掛けての取り組みに参加しました。田植えって楽しかったという記憶があったけど、その時に「すごく大変な作業だったんだ!!これは体がひどい!」と驚きました。見ているだけじゃ分からない物ですね。

しかも雑に植えてはダメで、やり方が1つずつ決まっていてとても繊細で体力がいる仕事だなと思いました。

本書では、昔ながらの「田植え」を描いていて、私の小さな頃に見ていた記憶の田植えの様子によく似ているような気がしました。

大変な仕事の中で、ワイワイと楽しく、「美味しく育ちますように」と願いを込めて1苗ずつ植えていきますよ・・・♬

おむすびさんちのたうえのひ 裏表紙

子ども達にも「田植え」を通して、食についても楽しんで欲しい作品だと思いました。食育の絵本。

「ご飯」ってどうやってできるか知ってる?と、お子さんに聞いてみてください。

毎日食卓に出てくるご飯は、栄養価も高く、体調が悪い時にも食べやすい食材ですね。急いで栄養を補給したい時にも、おやつにおにぎりもぴったりですね。

しかも、赤ちゃんもミルクの次に初めて口にするのはご飯(おもゆ)ではないかと思います。消化がよく胃にも負担が少ないそうですね。

さあ、どれだけの子が「ご飯」は何から出来ているか知っているでしょうか。

本書では、お米を育てる第一歩も見れるし、食べる状態(完成形)もキャラクターとして登場するという、なんともユニークな設定です。

「おむすびもお寿司もお米の料理だね。」「稲がだんだん大きく育って、お米が出来るんだよ。」と、ぜひ教えながら読んであげて欲しいなと思います!食育にも繋がりそうですね☆

リズミカルなテンポの良い文章が沢山登場する絵本で、私は子どもに読んであげるのがとっても楽しくなりました!

リズムが良くて、読者も参加出来る工夫が最初から最後まで続くと言うのが、本書の最大のオススメポイントです。

「せっせのせ せっせのせ」「シャカシャカシャカ ズルズルズル」など、子ども達も口に出して読みたくなるような文章がいくつも登場します。

ぜひ皆さんにも、お子さんの反応を見ながら、一緒に読んでみあり、田植えの真似をしたり、タコの足は何本でしょうなどのクイズを出したりと、どんどん楽しみを膨らませて欲しいなと思いました。

よっぴー
  • よっぴー
  • 書店員のよっぴーです。2人の男の子と、1人の女の子の母として、毎日育児奮闘中です。
    私は自分の子どもに沢山の愛情を子どもが嫌がる時が来るまで、沢山沢山注ごう。心をもしコップに例えるなら、そのコップが溢れて「もう大丈夫だよ!」となるまで続けようと思っています。それだけは大事にしている信念です。
    絵本を読むのもその一つです。
    大切にしている愛情を伝える方法の1つだと思っています。

    保育士・幼稚園教諭二種・介護福祉士です。
    他に、ベビーシッター・ベビーマッサージ・ベビー’sサインなどの資格も持っています。
    絵本の感想とともに私の育児経験、保育士・幼稚園教諭免許を持つ書店員としてのアドバイスなどをご紹介出来たらと思っています。