かばんうりのガラゴ

リビング書店の絵本チャンネルで保育士書店員が詳しく解説しています

ガラゴは旅するカバン屋さん。3歳頃からの読み聞かせにピッタリ!お客さんにピッタリの素敵なカバンが登場しますよ★

☆読み聞かせのポイント

  • ガラゴはどんなカバンを出すのかな?一緒に考えながら見てみよう!自分だったらどんなカバンが欲しいかな?
  • 発見が面白い絵本。「この子が〇〇しているよ!」と親子で楽しみましょう♪何度見ても発見が詰まっています!
  • バムとケロシリーズとの関係もあるので、気になったらそちらの絵本もチェック!楽しい秘密がいっぱいです!

☆あらすじと書店員の感想

ガラコはどんなカバンを出すのかな?一緒に考えながら見てみよう!自分だったらどんなカバンが欲しいかな?

・旅するカバン屋さんのガラゴ。足のついた大きなカバンを持ちながら、テクテク歩いて森の中を進みます。右と左のブーツが赤と青の色違い。真っ赤で大きな目と、ツンと立った耳が目を引く特徴です。(モデルになったのは、ショウガラゴというサル科の動物だそうです)

そこへまずやって来たのはぶよぶよの子犬です。一人っ子の子犬が欲しがったのは”自分の兄弟”です。

しかしさすがに兄弟は持っていないガラゴ。取り出したのは、子犬にそっくりな犬型のカバンでした。カバンのチャックを開けるとマトリョーシカのように少し小さな犬型のカバンが次々と…。子犬には3匹のかばんの兄弟が出来たのです。なんて嬉しそうな表情の子犬。

お客さんは次々にやってきます。毛の薄いライオン・子だくさんのカエル・いつでもお茶を飲みたいゾウ・歌うのが大好きなウサギ。さて、ガラゴはどんなカバンを出すのでしょう。きっとそれぞれの希望にピッタリなカバンです。

しかし、子犬の時と同様で、思いもつかないようなユニークな形&使い方なのが、ガラゴの売るカバンの特徴。「どんなカバンが登場するのかな?」と考えながら読み進めるのも面白い読み方だと思いました。

・ガラゴの持っているカバン自体も、とっても変わっています。初め車輪に見えたのですがよく見るとガラゴの履いているブーツによく似た物がカバンの底に6個ついています。

車輪なら、ゴロゴロと引きずって歩くことが出来ますが、ガラゴのカバンはどんな風に動くのでしょうか?

冒頭に、「てくてく てくてく」と文章が書かれているのが、もしかしたらカバンの歩く音なのかもしれない!?と想像すると、とっても面白いし、自分で歩けるならカバンに見えるけど生き物なのかも??と想像が膨らみます♩

かばんうりのガラゴ 裏表紙
赤いブーツの中におじぎちゃん、青いブーツの中にいもむし。

バムとケロのシリーズとの繋がりが!?細かな設定にビックリ!

・あれ?これはバムケロシリーズに登場するケロちゃんじゃないの?と思わせるキャラクターが登場します。

カエルの赤ちゃんはおたまじゃくし。

実はかえるのお客さんが置いていった1匹のおたまじゃくしが、赤ちゃんの時のケロちゃんのようなんです。

表紙の内側のページで、スイカにガラゴが何かを書いています。そして、裏表紙の内側を見てみると、スイカに書かれた文字が見えます。

【kero’s House】と書かれていますよ。

そして、「バムとケロのおかいもの」で、その謎の答え合わせが・・・出来そうです。バムとケロの寝室をよく見てみてください。ガラゴとスイカの容器に入ったおたまじゃくしの写真が飾ってあるのです。これはもう、ガラゴとおたまじゃくしとケロちゃんが一本に繋がりましたね。

きっとこれは大好きだったママ(パパかな?)との思い出の1枚を飾っているという事だと思います★

もしかすると、違うかもしれませんが、「そうかな?」と思って見てみるのも面白いなと思いました。各シリーズのストーリーやキャラクターの設定が、深く考えられていると思うだけで、さらに深読みが楽しくなります。

・お客さんの中に犬のカバンをもらった子犬や、いつでもお茶が飲みたいゾウが登場します。実は、こちらも「バムとケロのおかいもの」の市場シーンに少しだけ登場しています。ストーリーには直接関わっていない感じです。よく見ないと見つけれない場所にこっそり描かれているので、ぜひチェックして見てくださいね。

◎まだまだ、私も知らない本書とバムケロとの繋がりがありそうですよ。隅々までチェックして一緒に探してみましょう!

かばんうりのガラゴ 表紙

背景にも目を向けてみよう!あちこちに面白ポイントが!サイドストーリーが楽しい♩

・先ほど紹介したお客さん達の登場シーンにもぜひ注目して見てください!そっと木の陰からガラゴを見つめる毛の薄いライオンはとってもチャーミングですよ。お昼寝から目を覚ましたガラゴの耳に水を垂らすカエル・・・。なんで!?と、ツッコミを入れたい気持ちになるのですが、何か考えがあったのかな?もしかすると大きい耳だから、おたまじゃくしを入れることが出来るかな?と勘違いしたのかな?

・いもむしとおじぎちゃんのスイカの取り合いシーンにも注目です。

ガラゴがライオンからもらったスイカを二つに切って、大きい方をガラゴが、小さい方をいもむしが食べるのですが、すっかりガラゴが食べ終わった頃、お腹がいっぱいになり二人はお昼寝をします。いもむしは小さいので、一気にはスイカを食べきることが出来ず、残したまま寝るのですが、その間に3本耳のサングラスをかけたおじぎちゃんが、スイカを食べ始めました。

それに気がついたいもむし。おじぎちゃんを睨みつけて、離れた場所に必死に持って行きました。「これは俺のだい!」と聞こえてきそうです。その様子を見ていたおじぎちゃんは『ちょっとくらい食べさせてよ』と、スプーンでつまみ食い。

次のシーンで、おじぎちゃんはスイカをもらって去っていくのですが、実はいもむしの目におじぎちゃんはが掛けていたサングラスが。

きっと物々交換したのですね。サングラスが気に入ったいもむしは上機嫌でその後描かれていますよ。

おじぎちゃんはというと、ラストシーンに再び登場。空っぽのスイカに車輪をつけて、中には沢山のどんぐりを入れています。

お互い取り替えっこして、それを気に入って、良かったね★

参考文献:「ワーママが毎日を楽しむ成長ブログ 3兄弟ママイーナ」

よっぴー
  • よっぴー
  • 書店員のよっぴーです。2人の男の子と、1人の女の子の母として、毎日育児奮闘中です。
    私は自分の子どもに沢山の愛情を子どもが嫌がる時が来るまで、沢山沢山注ごう。心をもしコップに例えるなら、そのコップが溢れて「もう大丈夫だよ!」となるまで続けようと思っています。それだけは大事にしている信念です。
    絵本を読むのもその一つです。
    大切にしている愛情を伝える方法の1つだと思っています。

    保育士・幼稚園教諭二種・介護福祉士です。
    他に、ベビーシッター・ベビーマッサージ・ベビー’sサインなどの資格も持っています。
    絵本の感想とともに私の育児経験、保育士・幼稚園教諭免許を持つ書店員としてのアドバイスなどをご紹介出来たらと思っています。