きんぎょがにげた

金魚鉢から金魚がぴよーん!どこへ行くのかな?金魚がどんどん先に、どんどん楽しい方へ逃げていきます♬

☆特徴

・初版1977年 約45年前から愛され続ける、五味太郎さん代表作

・0歳から楽しめる内容。(出版社ホームページでは”読んであげるなら2歳”)と表記。

・大型版あり 42㎝×40㎝

・英語版あり 「The Goldfish Got Away」小学校の外国語活動における活用を目的とした「英語でたのしむ 福音館の絵本」シリーズ。

☆読み聞かせのポイント

  • 0歳のお子さんから、探し絵として遊べると思います。文章も短く、金魚も目立つ色なので、0・1歳のお子さんも見つけやすいと思います。見つけられた時は「いたねー!」「見つけられたね。」と声を掛けてあげましょう!きっと嬉しい気持ちになり、探して遊ぶのって楽しい!と感じてくれることでしょう。
  • 「これなあに?」と思うような家具や家電が登場するかもしれません!そんな時は「これはテレビだよ。お家のテレビと少し形が違うね」など、お話してあげて下さい。
  • 最後に金魚が外に行った様子を描いているページでは、似ている金魚が沢山描かれています。その中に逃げた金魚が入り込むので、間違い探しのような感じで探すことが出来ます。他の金魚とどんな違いがあるのか、お子さんが自分で気づくことが出来ればスゴイですね!!
きんぎょがにげた 表紙

☆あらすじ

金魚鉢のきんぎょが、ぴよーん!と飛び跳ねて逃げちゃった。

どこへ逃げたのかな?

カーテンの模様の中?ピンク色のお花の中?キャンディーが入った瓶の中?

おやおや、どんどん逃げていくよ。

こんどはどこへ行ったかな?

果物が並んだお皿の上?お兄ちゃんの部屋の中?おもちゃ部屋の中かな?

いよいよ外まで逃げちゃった。

さあ、金魚はどこまで行くのかな?

☆書店員の感想

本書の最大の魅力は、赤ピンク色の可愛らしい金魚が主役で登場人物も金魚だけという所!その金魚が金魚鉢からにげちゃったから、あら大変!!

表紙に描かれている金魚が主人公の本書の最大の魅力は、やはりこの金魚の存在の可愛らしさと行動力だと、私は思いました。

そして登場人物はこの金魚だけというのも、子ども達に大変わかりやすく、背景の楽しい雰囲気や面白さにも興味をもって見てくれそうだなと思いました。

そして、「きんぎょがにげた」というタイトル通り、金魚が金魚鉢の中から逃げ出す所から話が始まるのですが、私は、ただこの場所が嫌で逃げたという事ではないように思いました。

だって、どんどん先に、どんどん楽しい方へ逃げていくんです!!

好奇心旺盛の金魚が、「僕を見つけてよ!」と読者に語りかけているようにも感じるし、「あっちにも行ってみたい!こっちも面白そうだぞ♬」と家の中で冒険して楽しんでいるようにも見えます。

昭和レトロな生活用品が、時代を感じさせつつ、イイ味を出しています!

金魚が逃げていく先に描かれる家の中。

その背景に描かれているのは、ダイヤル式の電話機やブラウン管のテレビ。グリーンの鏡台など、今でも使われているような家電や家具もありますが、そのなかにレトロな雰囲気がある物もあります。どこか懐かしい雰囲気が私はとても好きな部分です。

そして五味太郎さんの作品はどれも色の使い方が個性的だなと感じます。

五味太郎さんにしか出せない、他にない、味わい深さがあります。本書は初版から約45年経った今でも子ども達に大人気のベストセラー本です。

その人気の秘密は何かと考えると、やっぱりお話のシンプルさと、色の使い方に理由があるのではないかと思いました。

昭和を知っている方は、昔懐かしい気持ちになるでしょうし、知らない方には「こんな電話見たことない!」「なんて明るい色の鏡台だろう。」と、新鮮さを感じるのではないでしょうか。

私は昭和生まれなので、ダイヤル電話もブラウン管テレビも馴染みがあります。「そうそう、こんな感じだったな」と、とっても懐かしい気持ちになりましたよ!

きんぎょがにげた 裏表紙

金魚は一体どこまで逃げたのか???!最後は可愛い探し絵に☆

さあ、金魚はいよいよ…。窓が開いている事に気がつきました。もちろん好奇心旺盛の金魚は外へ向かってジャーンプ!

初めての外の景色は、金魚にどう見えたでしょうね。もしかしたら、金魚鉢の中にいた時には感じた事のない、幸せを感じたかもしれません!!

だって・・・金魚にとって、とっても素敵な出会いが待っているんです。

ぜひ、どんな出会いがあったのか、確かめてみてくださいね!

よっぴー
  • よっぴー
  • 書店員のよっぴーです。2人の男の子と、1人の女の子の母として、毎日育児奮闘中です。
    私は自分の子どもに沢山の愛情を子どもが嫌がる時が来るまで、沢山沢山注ごう。心をもしコップに例えるなら、そのコップが溢れて「もう大丈夫だよ!」となるまで続けようと思っています。それだけは大事にしている信念です。
    絵本を読むのもその一つです。
    大切にしている愛情を伝える方法の1つだと思っています。

    保育士・幼稚園教諭二種・介護福祉士です。
    他に、ベビーシッター・ベビーマッサージ・ベビー’sサインなどの資格も持っています。
    絵本の感想とともに私の育児経験、保育士・幼稚園教諭免許を持つ書店員としてのアドバイスなどをご紹介出来たらと思っています。