ぎょうれつのできるケーキやさん

ぎょうれつのできるケーキやさん 表紙

ケーキ好きにピッタリ!お家でお菓子作りをしたくなる絵本。アリなど小さな虫が苦手な子にもおすすめ。好きになるきっかけになるかも★

☆3つのおすすめポイント

  1. 優しい色のタッチで描く森の中のケーキ屋さん。そこに集まる動物達と虫たちにホッコリします。小さいありんこ達も可愛いケーキを作りますよ!
  2. 美味しそうなケーキが次々登場!生クリームとフレッシュ果物いっぱいです。美味しそうで買いたいだけでなく、自分でも作りたくなります!お家で作れる「お手軽ぷるぷるプリン」のレシピ付きです!
  3. 動物の目線と虫の目線と、どちらも楽しめるストーリー。ありんこケーキ屋さんを見守るアナグマさんの優しさを感じました。

☆あらすじ

”ぐうぐう山のありんこ達、「何か美味しいもの落ちてないかなぁ?」と探していると・・・頭の上からチョコレートのかけら。ポップコーン・ワッフルのかけら・ブルーベリーの実が次々と落ちてきました。「すごいや!この木の上にはきっと甘い物がいっぱい実ってるよ!!」

ありんこ達は木を登って見に行きました。すると、そこは木ではなくテーブルでした。いのししの親子がケーキを食べています。「ごちそうさま!」とお皿を片付けようとしています。「もう食べないなら、お皿に残ったクリームもらっていいようね」とありんこ達はお皿に飛び乗ると、いのししの子ども達がそれを知らずに持ち上げたものだから、ありんこ達はびっくり仰天‼

お皿をどこに運んだかというと・・・

見たことのないキレイなお菓子がいっぱい並べてあります。”アナグマさんのケーキ屋さん”でした。「なんてキレイなごちそうなんだろう。持って帰ってみんなに食べさせたいな」「どうやって作るんだろう?」ありんこ達はアナグマさんの仕事をこっそり覗くことにしました。

色とりどりのフルーツに生クリーム・カスタードクリーム。甘い匂いでいっぱいのキッチンで作るのは、四角いスポンジに生クリームたっぷり塗ってフルーツを包んだ”ロールケーキ”。さくさくパイにカスタードクリームとイチゴをたっぷり乗せて三層に重ねた”ミルフィーユ”。ありんこ達が「僕たちも作ろう!」と余ったパイやクリームの残りを拾いに行くと、「こらー!!どこから入ったんだー!!」アナグマさんに見つかってしまいました。バシャーーーン!とバケツの水と一緒にお店の外へ・・・

あらら。せっかく美味しいおやつをみんなにも作ってあげようとしたのに。アナグマさんに怒られてしまいました。でもでも、ありんこ達は「きれいで美味しいケーキを作るぞー!」と諦めていません。一体どうするのかな?小さなケーキ屋さんが誕生しますよ★

☆際立った特徴

本書に出てくる数々のおやつたち・・・。本物のおやつが目の前にあるようです。アナグマさんが作るケーキはインスタ映え間違えなし!!

たっぷりと乗ったフルーツには光沢があり、角がしっかり立つほど混ぜられた生クリームもたっぷり乗っていて、あまーい匂いがプーンと読み手に届いてきそうです。

美味しそうすぎて、食べてみたくて、ありさんの「自分たちも作りたい!」という気持ちにあなたも共感することでしょう。

そして、大きな動物たちにとってはゴミになってしまうおやつの食べ残りや、カスを集めて、ありんこたちは”小さい虫達の為のケーキ屋さん”をオープンするのですが、その様子がとても可愛い!せっせせっせと運んだり、ケーキを作るありんこたちの働きっぷりには、関心します!アナグマさんにとってお店の中に入ってきたありんこたちは邪魔者でしたが、小さなケーキ屋さんで頑張るありんこたちを見かけた時は、「ゴミが最近散らかってないと思ったら。そういうことか。がんばってるな」と温かく見守ります。優しいですね★

道で見かけるありも、もしかしたら、本書のありんこ達と同じく、何かに一生懸命なありんこなのかも!?優しい目で見ることが出来るようになるかもしれません。

おてがるぷるぷるプリンのレシピ付きです。

☆書店員の感想

アナグマさんのケーキ屋さんには、フルーツたっぷりのケーキがいっぱい並んでいます。森の動物達に人気なのも納得です。とっても美味しそうで、とっても甘そうで、しかもフルーツはどれもフレッシュな感じがします。ダイエットしている私には少々見るのが辛いくらいです・・・笑

優しい色合いの森・草・花の中に【アナグマケーキ】屋さんがあって、動物たちが集い、楽しそうに美味しそうにケーキを食べているページを見るとほのぼのとした気持ちにもなります。実際にあったら行ってみたいお店です。

その一角に小さな花々が咲いています。ありんこたちがオープンさせた【ありんこケーキ】屋さんはどうやらこの辺にあるようです。アナグマケーキ屋さんのお店にも近くて、アナグマさんの邪魔にもならず、テーブルの食べ残りも拾えるし、花が咲いているから花の蜜を吸いに近寄ってきた虫たちにも食べてもらえる、最高な場所です!

そんな風に、大きい動物の目線と小さな虫の目線の二通りを楽しむことが出来る作品だと思いました。

ぎょうれつのできるケーキやさん 裏表紙

よっぴー
  • よっぴー
  • 書店員のよっぴーです。2人の男の子と、1人の女の子の母として、毎日育児奮闘中です。
    私は自分の子どもに沢山の愛情を子どもが嫌がる時が来るまで、沢山沢山注ごう。心をもしコップに例えるなら、そのコップが溢れて「もう大丈夫だよ!」となるまで続けようと思っています。それだけは大事にしている信念です。
    絵本を読むのもその一つです。
    大切にしている愛情を伝える方法の1つだと思っています。

    保育士・幼稚園教諭二種・介護福祉士です。
    他に、ベビーシッター・ベビーマッサージ・ベビー’sサインなどの資格も持っています。
    絵本の感想とともに私の育児経験、保育士・幼稚園教諭免許を持つ書店員としてのアドバイスなどをご紹介出来たらと思っています。