こうえん

ユーチューブ動画で保育士書店員が詳しく解説しています

公園が大好きな子にピッタリ!普通の公園じゃないよ★ここはちょっぴりスリリングな、鬼のお腹の上にある、おにがはら公園なのです!

☆3つのおすすめポイント

  1. 子ども達に大人気な”おにがはら公園”は、なんと鬼のお腹の上にある公園です。鬼が寝ている間遊んで、起きそうになったらすぐに隠れないといけません。さあ、どうしてかな?
  2. ある時男の子が鬼に捕まってしまいました。さあ、どうしよう!男の子が泣き出すと、もっと大きな声で泣き出した鬼。そして涙をポロポロ流すのでした。この後、鬼との友情が芽生えます。もう怖い公園じゃなくなるんです!
  3. 広い公園と、その上に美しい青空が描かれています。しかし、なんだか違和感のあるオレンジ色の半球。これは一体?ファンタジーでありながら、スリリングで、鬼に設定のユニークさが、物語をさらに面白くしています。

☆際立った特徴

本書は、おにがはら公園を描いています。場所は全く変わりません。

しかし、そのおにがはら公園は、鬼のお腹の上に出来ているので、鬼が起きた時は、地面が盛り上がったり、砂場が噴火したりします。

「うーんむにゃむにゃ・・・」という声が聞こえたら、大急ぎで子ども達が逃げていきました。どうしてでしょうか?それは・・・鬼が起きるのです。起きた鬼に見つからないように、子ども達は隠れるのです。なんてスリリングな公園!

でも、ここは、大人気な公園なんです。怖いからこそ、好奇心旺盛な子ども達には興味をそそるのかもしれません。

そして、ある時男の子が捕まってしまうのですが・・・。捕まったらどうなるの・・・?!なんだか怖い事が起きるのかも?しかし、子ども達がその後戻ってきましたよ。

どうしてかって、子ども達がその時、初めて鬼の気持ちを初めて知ったからです。

どんな気持ちなのでしょうね。

物語の設定がユニーク。鬼の涙から小鬼が生まれて、そして夕方お腹の”へその穴”から帰って行きます。大きな鬼の分身なのか、はたまた別物なのか。ここも面白ポイント!

ありそうでなさそうなファンタジーさと、始めは恐怖でしかなかった鬼との関係が、次第に友情へ変わるという、感動を味わうこともできるストーリー。公園で遊んでいる子ども達の可愛らしさと、空の美しい景色の中に、鬼のオレンジ色の顔が覗いている違和感も、楽しさに変わっていく、とっても面白さ満載の絵本です。

こうえん 裏表紙

☆あらすじ

子ども達に大人気な、【おにがはら公園】では、いつも、「ぐあーっ!ぐおーっ!」と大きな音がしています。それはまるでいびきのようです。

沢山の子ども達が遊んでいると…

「うーん、むにゃむにゃ・・・」という声が聞こえました。

すると遊んでいた子ども達はいっせいに、駆け出して、隠れました。

おにがはら公園の地面が盛り上がり、オレンジ色の丸い形が、ぐぐぐーと起き上がってきました。なんとそのオレンジ色の丸い形は鬼の顔だったのです。黄色い両手もあくびをした時に背伸びをしたような感じで、上に伸びてきました。

そうです、【おにがはらこうえん】は、鬼のお腹の上にあるのです。

公園で遊んでいた子ども達は、目を覚ました鬼に見つからないように急いで隠れたのでした。

そしてまた、鬼はゴロンと仰向けに寝そべって、大きないびきをかいて、ねむってしまいました。子ども達は、今がチャンス!と公園へ戻ってきました。

しばらく遊んでいると、「うーん、むにゃむにゃ」と鬼が起きそうな声がして・・・。子ども達は「鬼が起きるぞ!隠れろー!」と大急ぎで隠れます。

鬼が寝たら子ども達が遊んで、鬼が起きそうになったら見つからないように急いで隠れて・・・そんな事を繰り返しながら、おにがはら公園で遊ぶ子ども達。

ある時、遊ぶのに夢中になった子ども達。

1人の男の子が、鬼が起きそうになったことに気がつかず、逃げ遅れ、鬼に捕まってしまいました。男の子は大きな声で泣きました。

すると不思議なことに、鬼はもっと大きな声で『泣かないでよー!みんなと一緒に遊びたいだけなんだよー。うおーん!』と泣いて言いました。

鬼の目から涙がポロポロ流れました。すると、その涙が固まって、白い”こおに”の姿になるのでした。

鬼の気持ちを知った子ども達は、もう鬼の存在が怖くありません。

”こおに”と手を繋いでかけっこしたり砂遊びしたり、日が暮れるまで沢山遊びました。

そして、沢山遊んだ子ども達とこおには、夕日が沈むころ、家へ帰って行きます。

こおにも、へその穴に帰って行きました。

「ばいばい!また遊ぼうね!」と手を振って別れます。

夜になりました。空には美しい星が輝いています。

おにがはら公園には「ぐあー!ぐおー!」と、いつもより幸せそうないびきの音が響き渡っています。

こうえん 裏表紙

☆書店員の感想

子ども達に大人気な”おにがはら公園”は、なんと鬼のお腹の上にある公園です。鬼が寝ている間に遊んで、起きそうになったらすぐに隠れないといけません。さあ、どうしてかな?

美しい芝生が一面に生えている公園には、沢山の子ども達が遊んでいます。しかし、美しい景色には似合っていないような「ぐあー!ぐおー!」という大きないびき声がします。あれれ?ここはどんな場所なんでしょうか?

子ども達は滑り台を滑ったり、ブランコでお友達とお話しながら過ごしたり、竹トンボや縄跳び、ラジコンを楽しんでいる子など、様々な遊びが自由に出来る広々とした公園。こんな広々とした公園なら、好きなことを存分に楽しむ事が出来ます。

しかし、いびき声が変わった瞬間に、子ども達は遊びをやめて急いで逃げていきました。そして見つからないように隠れます。 どうしてでしょうか?

それは・・・鬼が「うおーん!」と起きるからでした。

鬼には長い手があります。逃げても見つかってしまっては大変!捕まったらどんな事が起きるか分かりません。

だから、子ども達は逃げていくのでした。そして、また鬼が寝るのを待ちます。いびき声が聞こえたら、眠ったサインです。子ども達はまた、公園に来て遊び始めるのでした。

ある時男の子が鬼に捕まってしまいました。さあ、どうしよう!男の子が泣き出すと、もっと大きな声で泣き出した鬼。そして涙をポロポロ流すのでした。この後、鬼との友情が芽生えます。もう怖い公園じゃなくなるんです!

逃げ遅れた男の子が、捕まってしまいました。恐怖で泣く男の子。しかし、それよりもっと大きな声で泣いたのが鬼でした。男の子はビックリします。『なんで自分を捕まえた鬼が泣くのかな?』と不思議に思った事でしょう。

鬼は言います。「みんなと遊びたいだけなのに」と。

そうなんです。鬼は、一緒に遊びたかったのに、みんなが逃げて居なくなっちゃうから、寂しかったのです。

その事を知った男の子と、周りの子ども達は、ようやく鬼の気持ちを知ることが出来ました。『そうだったの?僕たちを食べたりイジワルしたかったんじゃないんだね!』と、安心したのではないでしょうか。

そして、鬼の涙から生まれた”こおに”と子ども達は、夕方家に帰るまで一緒に遊びました。

嬉しくて嬉しくて、仕方がなかったことでしょう。

今夜は、いつもより気持ちがいい大きないびき声が、おにがはら公園に響き渡っています。

よっぴー
  • よっぴー
  • 書店員のよっぴーです。2人の男の子と、1人の女の子の母として、毎日育児奮闘中です。
    私は自分の子どもに沢山の愛情を子どもが嫌がる時が来るまで、沢山沢山注ごう。心をもしコップに例えるなら、そのコップが溢れて「もう大丈夫だよ!」となるまで続けようと思っています。それだけは大事にしている信念です。
    絵本を読むのもその一つです。
    大切にしている愛情を伝える方法の1つだと思っています。

    保育士・幼稚園教諭二種・介護福祉士です。
    他に、ベビーシッター・ベビーマッサージ・ベビー’sサインなどの資格も持っています。
    絵本の感想とともに私の育児経験、保育士・幼稚園教諭免許を持つ書店員としてのアドバイスなどをご紹介出来たらと思っています。