ないしょだよ!

リビング書店の絵本チャンネルで保育士書店員が詳しく解説しています

内緒のお話、なぁにかな。素敵な、ハッピーなことをこそっとお話しています。小さい声でお話しするのって特別感がありますね。お子さんとのちょっとしたコミュニケーションにピッタリ!

☆3つのおすすめポイント

  1. 動物同士でつぎつぎ内緒のお話をしていきます。耳元でひっそり、なにを話しているのかな?
  2. 可愛いイラストに、満面の笑顔のとこちゃん。動物たちもみんなハッピーな表情をしていて、キュートです!
  3. こっそりお話、楽しくなることを伝えたいですね。耳元で小さな声でお話しするって、なんだかくすぐったくって、気持ちもきゅんとします。

☆際立った特徴

可愛らしい動物たちがつぎつぎと登場してきて、順番にこしょこしょ話をしています。お話しする内容は素敵な嬉しいことばかり。みんなどんどん笑顔になっていきます。

最後に登場するとこちゃんのチャーミングなお顔を見たら、こちらまで嬉しい気持ちでいっぱいになります。

絵本は18㎝×19㎝の大きさで、本を閉じた状態では、大人の広げた手一つ分くらいの大きさです。本のカバーをはずすと角が丸くなっていますので、読むときはカバーを外して読むことでより安全に扱うことができます。

ないしょだよ! 表紙

☆あらすじと書店員の感想

●動物同士でつぎつぎ内緒のお話をしていきます。耳元でひっそり、なにを話しているのかな?

ぶたさんとねこさん、いぬさんとやぎさん…というふうに、動物たちがつぎつぎと内緒話をしています。嫌なことではなく、なにやら楽しかったり、嬉しかったりすることを話しているようですよ。一緒に遊ぼ、や、おもちゃを貸してあげるね、お花がたくさん咲いているよ、と、相手が笑顔になる話でいっぱい。そのあとはみんなで集まって「聞いちゃった~」と言いながら、とこちゃんのもとへ向かいます。みんなで作戦会議を開いたのでしょうか。ちょっとこしょこしょっと話し合ったあと、とこちゃんのもとへやってきました。

電車遊びをしていた、とこちゃんはびっくり。

こんなにたくさんの動物たちに囲まれて嬉しい話をしてもらえたら、とっても楽しくなりそうです。とこちゃんも、とたんにぱぁっと表情が明るくなりました。

とこちゃんが、動物たちから聞いたお話をお父さんとお母さんにお話してあげます。

聞いて聞いて、というふうにお父さんたちにいうと、お父さんもお母さんも、とこちゃんのほうに耳を向けて、しっかりと聞いてあげるという姿勢をとっています。この姿も、きっととこちゃんは嬉しいでしょうね。

子どもに「聞いて!」「見て見て!」とせがまれることはよくありますが、忙しさを優先してしまい、「ちょっとあとにして」と言ってしまうことがあります。それでもうちの子はあきらめずに言い続けていますが…。(笑)とこちゃんの両親の温かい姿を見て、見習いたいと思いました。

●可愛いイラストに、満面の笑顔のとこちゃん。動物たちもみんなハッピーな表情をしていて、キュートです!

こしょこしょ話をしているときは、右がイラスト、左が文章で描かれています。背景が水色やピンクと、可愛らしい配色で、キャラクターの可愛さが引き立ちます。

絵本の中は原色はあまり使われておらず、パステルカラーが多く使われていて、優しくキュートな印象です。動物たちも、つぶらな瞳にきゅっと口角が上がったお口で、子どもらしい可愛さを感じます。

とこちゃんの黄色の帽子もチャームポイントで、あごにゴム紐をしっかりかけているところが、個人的に愛くるしく感じます。我が家の男児2人は、あごにゴムをかけるタイプの帽子はあまり被ってくれませんでした。風で飛ばされそうになってしまうのでしっかり被ってほしいのですが、どうしてもゴムのないキャップばかり好んで被っていましたので、被っている可愛い姿を見たいというのが親の願望でした。(笑)

お利口さんなとこちゃん。お父さんとお母さんにも「大好き」と言ってもらえて、にこにこの表情で喜んでいます。みんなの愛情をたっぷりに受けて、すくすくと育っていってほしいですね。きっととこちゃんからもまわりの人に愛情を届けられる素敵な人になりそうだなと思いました。

ないしょだよ! 裏表紙

●こっそりお話、楽しくなることを伝えたいですね。耳元で小さな声でお話しするって、なんだかくすぐったくって、気持ちもきゅんとします。

次男は一時期、私の耳元でこそこそっとお話するのが楽しかったのか、ねぇねぇお母さん、といって私の体を低くして、耳元にそっと顔を近づけてから、小さい声でお話していました。内容は決まって「お母さん大好き」。これは、きゅんとしますよ!親バカで失礼します。そのあとは、私もかならず耳元で「お母さんも大好きよ~」と言ってあげました。すると、このとこちゃんのような、嬉しくってちょっとはにかむような表情をして、次男の場合はちょっとくねくねしていました。(笑)

大好きって言葉で伝えるのが、少し恥ずかしいような、お母さんだけに聞こえるように伝えたいという気持ちが芽生えるのかな?となんとなく感じます。

こそこそっと、ちいさな声で、特別な素敵な言葉をかけてあげる。普通にお話して気持ちを伝えるより、ちょっと特別な感じがしそうです。お互いに照れてしまいそうですが、そこも小さくクスクスと笑って終わることができる、可愛いコミュニケーションのように思います。

相手との距離が近いので、少しくすぐったいような感じもしますが、それがまたいいのかもしれません。

裏表紙では、動物たちととこちゃんが一緒にドーナツを食べているシーンが描かれていて、こんな風に気の置けない友人たちと楽しいひとときを過ごすっていいな、と思わせてくれます。表紙の内側には、お花を持ったたぬきさんが、家の前で家人が出てくるのを今か今かと待っているようです。そのうしろでは、とこちゃんが人差し指を立てて口にあてて、「しーっ」としながらこちらを見ています。こしょこしょっとみんなで内緒の相談をして、サプライズを考えたのかな?というシーンです。このあと、どうなるのかな?と気になってきます。

可愛い動物たちと、とこちゃんとの温かい交流のお話です。親子のコミュニケーションにもおすすめです。

にむさん
  • にむさん
  • 現在4年生と年長の男の子、1歳の娘の育児に奮闘中です。
    兄が弟に、さらに最近では弟が妹に絵本の読み聞かせをしてくれるようになりました。子どもたちの姿から学ぶことも多い日々です。
    短大で介護の勉強をし、介護福祉士の資格を持っています。