なにをたべてきたの?

ユーチューブ動画で保育士書店員が詳しく解説しています

想像する楽しさがいっぱい詰まった絵本。丸い色の変化が美しい絵本。眠る前の1冊にピッタリ!親子でゆっくりどう思ったか、お話しましょう!

☆3つのおすすめポイント

  1. 白いブタが、「何か食べたいなー」と食べ物を探して歩きます。目の前に美味しそうな果物。ペロリと食べると、お腹の中にキレイな丸い色が並んでいきます。
  2. リンゴの赤・レモンの黄色・メロンの黄緑・ぶどうの紫。最後に見つけたのは・・・何と石鹸です。食べてしまった白ブタくんのお腹の中で、泡がブクブクと色を混ぜちゃった!?
  3. 美味しそうな果物を白ブタくんが食べるのですが、なんだか美味しそう過ぎて、食べたくなります!登場するものをブタ君と一緒に食べる真似っこ遊びをすると、さらに楽しさが広がります!

☆あらすじ

白ブタ君が歩いています。

急いでどこへいくのか他のブタに聞かれますが、一目散にどこかへ向かっていきます。

美味しかったけど、まだお腹が空いています。(お腹の中が丸く赤く色づきました)

歩いていくとハンプシャー君に会いました。

白ブタくん、いつもと少し違う。

そうかな?りんごを食べてきただけだと答えました。

まだお腹が空いている白ブタ君が歩いていくと、目の前にレモンを見つけました。すっぱそうだけど、いい匂いです。いただきまーす!

(お腹の赤い丸い色の横に黄色い丸の色が並びました。)

今度はちぢれっ毛のブタ君に出会いました。白ブタ君を見て言いました。

なんだかきれいになったみたい。

リンゴとレモンを食べてきたところなんだけどと答えました。

まだ、お腹が空いている白ブタ君が歩いていくと、目の前にメロンを見つけました。とっても大きなメロン、いただきまーす!(お腹の赤・黄色の丸の横に黄緑が並びました。)

次に白ブタ君が出会ったのはブチ模様のブタ君。

白ブタくん。いつよりずっとキレイになったみたい。

ただリンゴとレモンとメロンを食べてきただけだと答えました。

まだ、何かを食べたい白ブタ君は、目の前にぶどうを見つけました。こんなに甘いぶどう。いただきまーす!(お腹には赤・黄色・黄緑の横に紫が並びました。)

『こんにちは!」ピンクのブタ君に出会いました。

白ブタ君どうしたの?前よりずっと素敵。

ピンクのブタ君が聞くと、

リンゴにレモンにメロンにぶどうを食べてきたところだと答えました。

もっと何かをたべたい白ブタ君。目の前に固形の石鹸を見つけました。ぴかぴかの石鹸です。これを食べたらもっとキレイになるかな?ぱくっ。

白ブタ君は石鹸を食べてしまったようです。ふわーっ!ぷくん ぷくん。石鹸がお腹の中でイタズラするかのように泡立っていきます。

白ブタ君は目を回しながら歩いていると・・・。つるん すとん ころころと坂を転がり落ちていきます。(白ブタ君のお腹の中の色が混ざりあっています)

坂の下まで転がっていき止まりました。すると、鼻から大きく膨らんだシャボン玉が飛び出ていきます。

せっけんがおなかの中から逃げていくう!

その後のある日、白ブタ君が歩いていました。お腹の中には、あの丸い色はありません。

しばらく行くと、向こうからやってきた沢山の友達と出会いました。

白ブタくんが、いつもと違うかしら?と聞くと、

んー?いつもと同じような、でも前より大きくなったような・・・

なにをたべてきたの? 表紙

☆際立った特徴

白いブタ君が次から次と果物を食べていきます。するとブタくんの体の中の色が変化していきます。赤・黄色・黄緑・紫の丸い色が並んでいきます。

美味しそうな果物が落ちています。ブタ君と一緒に食べる真似っこをして絵本を読み進めていくのも面白いですよ。※石鹸は食べないでね!

本書は沢山想像させてくれる絵本です。お腹に並ぶ丸い色は一体何を表していたのか、最後に登場した白ブタ君は何と何を食べてきたのか、本書を読み終わったら、ぜひお子さんと話し合って見ませんか?

☆書店員の感想

白いブタが、「何か食べたいなー」と食べ物を探して歩きます。目の前に美味しそうな果物。ペロリと食べると、お腹の中にキレイな色の粒が並んでいきます。

リンゴを食べれば赤、レモンなら黄色と体のに”丸い色の粒”が並んでいきます。リンゴ・レモン・メロン・ぶどうの4色が揃った時、お腹もいっぱいになり、元気が出たのか、ブタくんの顔が上がり、前よりも表情もよく歩いています。

私は、お腹に色が並んでいくことに、本人も周りのブタ君達も、おそらく気が付いていないと思いました。しかし、なんとなく白ブタ君が変化していることに周りのブタ君達はすれ違っただけで気が付いています。

何がどう違うのか分からないけど「なんだかキレイになったみたい」「前よりずっと素敵になったね」と声を掛けています。

白ブタ君は、美味しい物を食べて気分も良くなり、食べ物からパワーをもらい、元気が出たのかもしれません。そうやって心とお腹が満たされて行くにつれて、周りから誉められ、さらに自分って素敵なんだなと自信がついていったのかもしれません。食べ物の持つパワー、それをいただくことで、血となり肉となり、白ブタ君を素敵にカッコよくしてくれたのかな?と思いました。

そんな風に私は感じたのですが、本書は、きっと見る人によって感じ方が全然違うのかもしれません。お腹に並ぶ4色の色は一体何を表しているのか、読み聞かせの後に子ども達に「何だと思う?」と、ぜひ聞いてみませんか?

リンゴの赤・レモンの黄色・メロンの黄緑・ぶどうの紫。最後に見つけたのは・・・何と石鹸です。食べてしまった白ブタくんのお腹の中で、泡がブクブクと色を混ぜちゃった!?

石鹸を食べてしまった後の白ブタ君の様子を見ていると、可愛そうな場面なのですが、お腹の中の色の変化がとっても美しく描かれています。まず、お腹の中で体の中の”丸い色”がどんどん濁って泡のようにブクブクと膨らんで形を変えていきます。絵の具を水でぼかして乾いた所で、上から水滴をポツポツと垂らしているような描き方です。白ブタ君からしたら、目を回すような出来事がお腹の中で起きているのに、読者にはそんなお腹の中の泡立つ色が美しく見えてしまうという・・・。

そして、とうとう滑って坂から転げ落ちたブタくん。ここでは、お腹の丸がすっかり1つに混ざりあっています。お腹の中のごちゃ混ぜの大きな色のかたまりはブタくんの鼻から、大きなシャボン玉のように丸く膨らんで、虹色に輝きながら飛んで行きました。

とっても不思議で、とっても素敵なシャボン玉は、白ブタ君にしたらせっかく食べた物が飛んでいくのだから「にげていくう!」と残念に思っているのかもしれません。でも、心なしか泡立つ物がお腹から出て行ってくれて、落ち着いたような・・・。

とうとうお腹の中の色はキレイに無くなってしまいました。だけど表情は堂々と良いのでした。

そして、また何かを食べたようですよ。お腹の色は見えません。でも、前より大きくなったみたい。何と何を食べてきたのかな?答えはありませんよ。想像を膨らませてぜひ、お子さんと話し合ってみませんか?

●読みながら美味しそうな果物を白ブタ君と食べる真似っこをお子さんとしてみると、さらに楽しさが膨らみます。自分で食べたり、保護者があーん!と食べさせてあげたりと、ごっこ遊びをしたり、「おなかの中は、何色になった?」とぜひ聞いてみてあげると、『ブドウだから紫色!』『僕は大好きないちご食べたよ!赤だよー!』と答えてくれるかもしれません。

一体白ブタ君のお腹の中の色の変化は何を表現していたのか、最後まで不思議さが残るストーリーでしたが、きっと食べたものは白ブタ君の身になり力となり、白ブタ君の体を大きくして、心も少し成長させてくれたんだろうなと思わせてくれるハッピーなエンディングでした。

白ブタ君はきっとこれからも、食べ物を探して歩き出すことでしょう。

次は何を食べるのかな?お腹は何色に変化するのかな?・・・この先も見てみたいな・・・★

なにをたべてきたの? 裏表紙

よっぴー
  • よっぴー
  • 書店員のよっぴーです。2人の男の子と、1人の女の子の母として、毎日育児奮闘中です。
    私は自分の子どもに沢山の愛情を子どもが嫌がる時が来るまで、沢山沢山注ごう。心をもしコップに例えるなら、そのコップが溢れて「もう大丈夫だよ!」となるまで続けようと思っています。それだけは大事にしている信念です。
    絵本を読むのもその一つです。
    大切にしている愛情を伝える方法の1つだと思っています。

    保育士・幼稚園教諭二種・介護福祉士です。
    他に、ベビーシッター・ベビーマッサージ・ベビー’sサインなどの資格も持っています。
    絵本の感想とともに私の育児経験、保育士・幼稚園教諭免許を持つ書店員としてのアドバイスなどをご紹介出来たらと思っています。