ぼくんちカレーライス

ユーチューブ動画で保育士書店員が詳しく解説しています

カレーライスが食べたくなっちゃう!食べたい気持ちが止まらないカレーマジック★今日はカレーライス!という日に読むのも、今日は何食べようかな?と悩んでいる時に読むのもオススメ!

☆3つのおすすめポイント

  1. 「カレーライス」と聞いただけで食べたくなります。どんどんカレーの香りが風に乗って【カレーライスマジック】が広がっていきます。
  2. 賑わう商店街の雰囲気は昭和感を感じさせます。そんなレトロな商店街は、お店の人とお客さんの心の距離感も近いようです。お店を見ていると細かく商品が描かれているのも見ごたえあり!そしてこの町は忍者や天狗、侍に異国風の王様も住んでいます。探してみましょう!
  3. 美味しそうなカレーの香りはパパの職場へも届きます。パパの胃袋をつかんで離さないママのカレーは、お父さんの帰宅の足を早めるのでした。

☆あらすじ

夕食の買い物にママと向かっていたら、僕、カレー屋さんの看板を見かけてカレーライスがたべたくなっちゃった。今日な何食べたい?ってママ聞いたから、「カレーライス!」って言っちゃった。八百屋さんでくんちゃんと会ったから、「今日僕んちカレーライス!」っていったら『いいないいな』くんちゃんもカレーライスが食べたくなって、聞いていた八百屋さんもカレーライスが食べたくなっちゃって。

肉屋さんでカレー用の豚肉を買ったら、『今日はカレーかな?』と聞かれた。お肉屋さんもカレーライスが食べたくなっちゃった。

漬物屋さんでらっきょうを一袋買ったら、『今日はカレーライスかな?』と聞かれた。漬物屋さんもカレーライスが食べたくなっちゃった。

街角でうらのおばあちゃんと会ったから、「今日僕んちカレーライス」って言ったら、おばあちゃんもカレーライスが食べたくなっちゃった。そしたらその様子を見ていたレストランのお客さんもカレーライスが食べたくなっちゃって『カレーライス プリーズ』と注文したら、『ぼくも』『わたしも』とみんながカレーライスを注文しちゃった。

家に帰ってママがカレーを作り始めたら、風に乗ってお鍋コトコト カレーのいい匂いが町中に香って、パパの仕事場までも風に乗って、パパもなんだかカレーライスが食べたくなっちゃってパパは踊りながら帰ってきた。カレーのにおいはどんどん風に乗って町中のみんなもなんだかカレーライスが食べたくなっちゃった。

今日僕んちカレーライス、みんなのうちもカレーライス。みんなみんな「いただきまーす!」

☆際立った特徴

「カレーライス」という言葉を聞くだけで、「僕も食べたい!」「私も食べたい!」と食べたくなるマジックをかけます。そして、ママの作るカレーの香りが風にどんどん乗って町中の人へもそのマジックが広がっていきます。カレーライスを食べるみんなの顔は幸せいっぱい!

☆書店員の感想

「カレーライス」と聞いただけで食べたくなります。どんどんカレーの香りが風に乗って【カレーライスマジック】が広がっていきます。

誰かが「カレーライス食べたいな」とか、子どもが「今日は給食がカレーライス!」なんて言ったら、なんだか急に自分もカレーライスが食べたくなっちゃうことってありますよね。本書もカレー屋さんの看板を見た男の子が「カレーライス食べたいな」と思ったきっかけで、町中の人にカレーが食べたいマジックをかける事になります。

最初はママに言って、それを聞いてママも食べたくなって材料を買って回ります。材料を買いながら出会っていく知り合いにも「今日は僕んちカレーライスなんだー」と言っちゃったものだから、みんなも食べたくなっていきました。男の子とぜんぜん知り合いでもないレストランのお客さんにも「カレーライス」という単語が風に乗ってフワッと聞こえたものだから、注文します。「カレーライスプリーズ!」 それを聞いた他のお客さんまで食べたくなって・・・。もう連鎖が止まりません!!笑

賑わう商店街の雰囲気は昭和感を感じさせます。そんなレトロな商店街は、お店の人とお客さんの心の距離感も近いようです。お店を見ていると細かく商品が描かれているのも見ごたえあり!

昭和の商店街といった雰囲気があります。洋菓子店・お花屋・駄菓子屋・八百屋・肉屋・漬物屋・・・。ズラリ!と並ぶ専門店が、お客さんも大勢いる賑やかな雰囲気で描かれています。そして、細かな部分まで本当の店屋と同じように描かれています。例えば八百屋さんなら玉ねぎ一袋180円、トマト一山250円とリアルな値段設定だったり、魚屋は新鮮な魚やタコが店の外側にも出ていて、思わず「あじくださいな!3枚におろしてもらえますか??」と言いたくなる様です。

なにより、お店の人とお客さんが会話してコミュニケーションをとっている所が素敵です。「このお肉を買うって事は今日はカレーかなー?」「カレーには、このらっきょうが美味しいよ!」と気軽に会話できるなんて、お客さんとお店の人の心の距離が近くて、商店街の良さが現れていると思いました。

商店街を行き交う町の人達を観察してみてください!ちょっと変わった雰囲気をもつ住人もこの町にはいるようです。忍者や天狗、侍に異国風の王様もいるので、ぜひ探してみてほしいと思います。

美味しそうなカレーの香りはパパの職場へも届きます。パパの胃袋をつかんで離さないママのカレーは、お父さんの帰宅の足を早めるのでした。

本書の一番面白い所は、お父さんがカレーの香りに誘われて家に踊りながら帰ってくる所ではないでしょうか。ダンス教室の講師をしているお父さんの仕事場は家からかなり離れた距離にあるようですが、「この香りはお母さんの作るカレー!たべたーーーい!!」と思ったお父さんが、パートナーとダンスしながら風に乗るように帰ってきます。その表情は二人ともカレーの香りに魅了されたような、喜んでいるような。

途中でお父さんはパートナーとは分かれるのですが、パートナーは「私も早く家に買ってカレーライス作るわーバイバーイ!」と喜びにあふれた表情のまま帰っていきます。

カレーライスは家で作ってもお店で食べても、レトルトでも、とっても美味しいですよね!お安く簡単に作れて、お母さんの困った時のお助けメニューでもあり、お店で食べると家とはまた違う美味しさがあり、奥深い食べ物だなーと思います。

本書のお父さんの帰宅を早めたお母さんの愛情たっぷりカレー!もとっても美味しそうですよね。胃袋をガシッとつかまれているような・・・これもまた幸せな形ですね。

よっぴー
  • よっぴー
  • 書店員のよっぴーです。2人の男の子と、1人の女の子の母として、毎日育児奮闘中です。
    私は自分の子どもに沢山の愛情を子どもが嫌がる時が来るまで、沢山沢山注ごう。心をもしコップに例えるなら、そのコップが溢れて「もう大丈夫だよ!」となるまで続けようと思っています。それだけは大事にしている信念です。
    絵本を読むのもその一つです。
    大切にしている愛情を伝える方法の1つだと思っています。

    保育士・幼稚園教諭二種・介護福祉士です。
    他に、ベビーシッター・ベビーマッサージ・ベビー’sサインなどの資格も持っています。
    絵本の感想とともに私の育児経験、保育士・幼稚園教諭免許を持つ書店員としてのアドバイスなどをご紹介出来たらと思っています。