ゆうたくんちのいばりいぬ1 ゆうたはともだち

ユーチューブ動画で保育士書店員が詳しく解説しています

動物が大好きな子にピッタリ!男の子と犬は見た目は全く違うけど、「すき」なんです。お互いにとって大切な存在。犬の口調で描かれた文書がユニーク♩

☆3つのおすすめポイント

  1. おれ(ハスキー犬)が、男の子の行動を見ながら、自分はこうする時には、男の子はこんな行動をするという事を、比較しながら紹介していきます。
  2. ぜんぜん自分とは違うアクションをする男の子。そんな男の事とは、お互いに相手を大切に想う日もあれば、ケンカする日もある。色んな事があるけど、やっぱり好きで、大切な友達なんです。
  3. 「いばりいぬ」というタイトル通り、ちょっと上から目線で話します。ハスキー犬の「おれ」は、見た目から少し強そうでちょっと怖い顔。話口調もツンツンしているけど・・・ゆうた君が大好きなんだなと伝わります。

☆あらすじと書店員の感想

おれ(ハスキー犬)が、男の子の行動を見ながら、自分はこうする時、男の子はこんな行動をするという事を、比較しながら紹介していきます。

犬と人間では行動が全く違います。面白い時は人間は笑うけど、犬は笑いません。かゆくてもボリボリと手でかけませんし、「これはなんだろう?」と思う事も、誰かに聞いたりしません。

人間は言葉を持っているし、手を使うことが出来ます。でも犬は四足歩行で、言葉を話しません。そんな器用なことはできません。

犬は、人間と違ってしっぽを持っています。後ろ足を使うことも出来ます。しっぽで犬なりに気持ちを表現したり、後ろ足でかゆい所をかくことが出来るのです。

面白い時には、しっぽをふることで、「相手に面白いよ!楽しいよ!」と誰かに気持ちを伝えることが出来ます。

後ろ足も、器用に頭まで届くので、体の痒いところは大抵自分でかけるし、おしっこをする時にも片足を上げれば、自分にひっかかる事無く、用を足せます。

犬と人間では、見た目は全く違うけれど、人間に比べて出来ない事はあるのかというと、そう事でもありません。自分の事は自分で出来るし、気持ちも周りに表現できるのです。

ゆうたくんちのいばりいぬ1 ゆうたはともだち 裏表紙

男の事とは、お互いに相手を大切に想う日もあれば、ケンカする日もある。色んな事があるけど、やっぱり好きで、大切な友達なんです。

男の子は「かわいいかわいい!」と伝えるかのように、犬の頭や体をなでてあげる事もあります。そんな時は、犬は男の子をなでることは出来ませんが、男の子を舐めます。犬の”舐め”は、敬意や好意を表しているそうです。男の子に「ありがとう」を伝えているようですね。そして、ケンカする時だってあります。お互いに負けません。そして悲しくて泣くこともあります。人間は涙を流して声に出して泣くけど、犬だって声に出さないだけで泣きたい時があるのです。

「お前は絵本が好きで、おれは骨が好き。やっぱりおれとお前では違うことだらけ」と、主人公の犬は男の子と比較た結果、最後に思います。

でも・・・気が付きます。二人は違うことだらけだけど、「おれはお前が好き」なんです。

犬と人間では、言葉を交わすことは出来ないけど、好きな物や嫌いなものはぜんぜん違うけど、それでもやっぱり「お前が好き」なんです。そしておそらく男の子(ゆうた君)も同じ気持ちです。側にいてくれて、遊んでくれる犬の事が大好きです。

見た目が違っても、ちゃんとそこには友情があり、お互いにとって唯一無二の友達なのです。

「いばりいぬ」というタイトル通り、ちょっと上から目線で話します。ハスキー犬の「おれ」は、見た目から少し強そうでちょっと怖い顔。話口調もツンツンしているけど・・・ゆうた君が大好きなんだなと伝わります。

表紙を見てください。なんだか怖そうな雰囲気があるハスキー犬ですね。白と灰色の毛の色に、ブルーの目が特徴的です。だいたい絵本の中の犬と言えば、怖さを感じないような可愛い犬が描かれることが多いですが、本書は、「誰もよせつけないぞ!」と言わんばかりの目つきで描かれていて、近寄りがたいような雰囲気さえあります。しかも本文は、この犬の目線でこの犬の話口調で書かれています。かなりプライドの高さも感じます。

しかし、本書の中身を読んでみて、この犬は男の子には気を許していて、大好きで、大の仲良しなんだなと思いました。

こんなに怖そうな犬だけど、ゆうたくんには優しくて、何かあればお兄さんのように守ってくれるような存在なんだろうなと、とても微笑ましい気持ちになりました。

見た目が違っても、立場(飼い主と飼い犬)が違っても、どんなに違う部分があっても、「おれはお前が好き。だから友達」なんです。なんて素敵な関係なんでしょうか。犬と男の子の素晴らしい友情ですね。

ゆうたくんちのいばりいぬ1 ゆうたはともだち 表紙

参考文献)KUMONがうた・読み聞かせを応援 【ミーテ】 きたやまようこさんインタビュー 「絵本を通して自分や他人を知る」

よっぴー
  • よっぴー
  • 書店員のよっぴーです。2人の男の子と、1人の女の子の母として、毎日育児奮闘中です。
    私は自分の子どもに沢山の愛情を子どもが嫌がる時が来るまで、沢山沢山注ごう。心をもしコップに例えるなら、そのコップが溢れて「もう大丈夫だよ!」となるまで続けようと思っています。それだけは大事にしている信念です。
    絵本を読むのもその一つです。
    大切にしている愛情を伝える方法の1つだと思っています。

    保育士・幼稚園教諭二種・介護福祉士です。
    他に、ベビーシッター・ベビーマッサージ・ベビー’sサインなどの資格も持っています。
    絵本の感想とともに私の育児経験、保育士・幼稚園教諭免許を持つ書店員としてのアドバイスなどをご紹介出来たらと思っています。