クリスマストレインしゅっぱつ

ドゥリーミークリスマス号出発進行!クリスマスの奇跡をあなたに届けます!

☆際立った特徴

  • 新幹線・SL・電車など、線路を走る様々なのりものが登場!
  • 子ども部屋が舞台になっているので、ブロックやミニチュアの乗り物など子ども達が大好きなおもちゃも描かれる。
  • 最後のページに電車を探すクイズあり。
  • 隠し絵ページもあり。(風景の中にこっそり溶け込むように動物などが描かれている)
  • 観音開きにめくる仕掛けページつき。
  • 本文以外にも、手書きの文が多く書かれてれている。(見逃してしまいそうになるほど、どのページにも手書きが多い!)
  • アップのページと遠くから見ているページと、様々なアングルから描いている。
  • 全ページに「トランプ」が描かれている!探す楽しみ満載!

☆読み聞かせのポイント

  • 手書きの部分を加えると、かなり読み終わるのに時間がかかります。読んであげる時のシチュエーションに合わせて良いと思います。本文だけでも十分楽しめます。
  • とにかくどのページも隅々まで細かく描いています。ゆっくり読める時は、ぜひ小人一人一人の会話に耳を傾けてみてください。きっとお話にもっと深みが出るはずです!
  • 探し絵や隠し絵は、ぜひ親子で、兄弟で、一緒に探して遊んでください!一緒に「ここにあったよ!」「見つけた!」と盛り上がりましょう。
クリスマストレインしゅっぱつ 表紙

☆あらすじ

今夜はクリスマスイブ。

けんたが機関車のおもちゃをクリスマスツリーの周りで走らせようとした時、どこからか声が聞こえてきました。

おもちゃの機関車の中からです。

そっと見てみると、中には沢山の小人たちが機関車の発車準備をしていました。

けんたは小人に言われて運転手の帽子をかぶってみると・・・なんと、体が縮んでしまいました。

驚くのもつかの間、小人たちに機関車に乗るように言われました。機関車はゆっくりと走り出しました。

機関車の中では、小人たちが大急ぎでプレゼントの準備をしています。おもちゃのけんたも組み立てのお手伝いをします。

機関車は長い距離を走り、駅に着く度に他の列車と連結していきます。そしてどんどんどんどん長くなっていきました。

機関車は急にブレーキ!

どこからか鈴の音が聞こえてきます。沢山のトナカイ救援部隊が機関車の部品を運んできたのです。長くなった列車の先頭部分に部品を組み立てていきます。

さあ、ドゥリーミークリスマス号の完成です。

けんたが、運転席に乗り込みます。大きな声で、

「出発進行!!」

イブの夜空を走り抜けるドゥリーミークリスマス号は、世界中の子ども達の元へプレゼントを届けに行きます。

☆書店員の感想

●けんたが体験する、クリスマスの不思議な冒険。

リビングの横の部屋で電車のおもちゃを走らせようとしたけんた。急に「それ いいトントン」と声が聞こえた瞬間、不思議な世界へと迷い込みます。

おもちゃだったはずの電車の中で親指サイズの小人たちがせっせと働いていて、なんとけんたも体が縮んで小人サイズに変身してしまいます。ここまでの流れは冒頭の2ページ。

読者はこの急な展開に一瞬驚き、「どうなるのかな?」「けんた大丈夫かな?」と不安な気持ちになるかもしれません。しかし大丈夫!これはクリスマスイブの素敵な奇跡☆

安心してけんたと共に不思議な冒険に出かけましょう!

●クリスマスのプレゼントを準備をする小人達との出会い。トナカイ救助部隊。何が起こるのかワクワクする展開が続きます。

けんたにとって、まさか自分の持ち物である電車のおもちゃの中に小人がいるなんて思いもしなかったことでしょうね。さらに自分まで小さくなって電車に乗り込み小人たちの手伝いをすることになるなんて。

でもよくよく考えたら、電車のおもちゃを持ってる子どもの願いを叶えているような展開だなと思いました。

我が家の長男は小さな時から電車が好きで、ただ走っているのを上から見て楽しむのではなく、ほとんど毎回、線路まで顔を寄せて、電車の目線で見て楽しんでいます。

「電車を近くで感じたい!!」という想いの表れなのかもしれませんね。

私も同じように目線を合わせて見てみたのですが、おそらく自分もその電車に乗っているような感覚になるというか、自分自身が電車になっているような気持ちになるのではないかと思いました。

本書ではそんな子ども達の夢を叶えてくれるような内容になっていると思いました。読者もけんたと一緒に機関車に乗っているような感覚になります。

どこまで連れて行ってくれるのかな?見た事のない景色が見れるかな?と、夢いっぱいな気持ちにさせてくれるストーリーなのです。

ラストに登場するドゥリーミークリスマス号が、クリスマスの雰囲気を盛り上げていきます!

後半では、けんたが乗っていた機関車が変身します!

クリスマス専用の機関車の部品を組み立て、今までの機関車と連結し、『ドゥリーミークリスマス号』に変わるのです。

そして、サンタクロースと沢山のトナカイ達も現れ、ドゥリーミークリスマス号を発車させます。一気にクリスマスの雰囲気を感じさせますよね。

さあ、このドゥリーミークリスマス号はどこへ向かって走り出したのでしょう?それはサンタクロースにお手紙を出した子ども達の元へプレゼントを届けに…です。

どうやって配るのかな?ぜひ確かめてみてください!

最新の方法なのかも!?と感じさせる配達方法ですよ!ヒント…小人たちが活躍しますよ★

●探し絵・隠し絵・めくる仕掛けなど、沢山の遊びが詰まっています。

本書シリーズではとにかく読者を楽しませる工夫が豊富で、なんど読んでも新しい発見に出会えたり、繰り返し遊べるところが魅力的です。

例えば最初の電車の中に小人たちがいるのをけんたが発見したシーンでは、見開き1ページの中で、サンタクロースやフクロウの絵が背景になじむようにこっそり描かれているし、トランプの探し絵もあります。本文の他にも沢山の小人たちの会話が手書きで書かれているので、全て読んでいくとかなりの文章量になります。

全部で25ページ。どのページにも沢山の遊びが詰まっているので、一度読むだけではきっと見逃してしまう物もあるかもしれません。

何度読んでも、新鮮な気持ちで発見を楽しめるという訳です!

  • 作品名:クリスマストレインしゅっぱつ
  • 著者名:作 視覚デザイン研究所 絵 くにすえたくし
  • 出版社:視覚デザイン研究所
クリスマストレインしゅっぱつ 裏表紙
よっぴー
  • よっぴー
  • 書店員のよっぴーです。2人の男の子と、1人の女の子の母として、毎日育児奮闘中です。
    私は自分の子どもに沢山の愛情を子どもが嫌がる時が来るまで、沢山沢山注ごう。心をもしコップに例えるなら、そのコップが溢れて「もう大丈夫だよ!」となるまで続けようと思っています。それだけは大事にしている信念です。
    絵本を読むのもその一つです。
    大切にしている愛情を伝える方法の1つだと思っています。

    保育士・幼稚園教諭二種・介護福祉士です。
    他に、ベビーシッター・ベビーマッサージ・ベビー’sサインなどの資格も持っています。
    絵本の感想とともに私の育児経験、保育士・幼稚園教諭免許を持つ書店員としてのアドバイスなどをご紹介出来たらと思っています。