バスがきました

バスがきました 表紙

お子さんと沢山コミュニケーションがとれる参加型の絵本です★乗り物・動物好きにもピッタリ!

☆3つのおすすめポイント

  1.  動物のシルエットをしたバス停が舞台です。それぞれのバス停に到着するバスの形や、乗っている動物の人数は違っています。可愛い動物型のバスに、一緒に乗ってみたくなりますね。
  2.  バスに乗車している動物の数は、それぞれ違います。何人家族かなー?と一緒に数えたり、鳴き声のクラクションで楽しめます。
  3.  乗り物に興味がなくても大丈夫。赤ちゃん時期からオススメです。短い絵本タイムに、お子さんと沢山コミュニケーションをとりたい思っている方に特にオススメです。 

☆あらすじ

ねずみくんが急いでいます。なんだか楽しそうな嬉しそうな表情です。

行く先にはしっぽのあるバス停がありますよ。よく見ると・・・ネズミのシルエットです。そこに、ねずみの形のねずみ専用バスが走ってきましたよ。ねずみくんが乗り込みます。「チューチュー」出発進行!

次は、みみのあるバス停です。もちろんそこにやってきたのは、「ぴょんぴょん」大きな耳のついた、うさぎ型のバスです。もしかしたらバスも跳ねるように進むのかな?

次は、たてがみがあるバス停です。「ガオー!」ライオンさんのバスがきました。運転手のライオンさんと、後ろの席にはあ母さんと8匹の子どものライオン達。大家族だから2階だてバス。

長い鼻のあるバス停に来たのは、「パオーン!」ゾウさんのバスです。大きな体のゾウさんだから大型バスになってます。なんとバスの排気ガスはぞうさんの鼻から吹き出して、なんだか雲を作っているみたい!

さてさて、”私の待っているバス停”には、誰が乗っている どんなバスでしょうか。

”わたし”の待っているバス停はシルエットは無くて普通のバス停。さあ、誰が来てくれたのかな?

ヒント クラクションの音は「ぱっぱー」ですよ。

私の大好きなあの人ですね。後ろの席にはきっともう一人のあの人です♬誰でしょうか?

☆際立った特徴

ボローニャ国際絵本原画展で入選を重ねている三浦太郎さんの絵本です。海外でも出版されていて、世界中の子ども達を楽しませています。本書では地面の色が動物ごとに違っていて、乗り物と地面の色の組み合わせが素敵です。

白の背景に、1色で一直線に塗りつぶされた地面。そこに現れるのは、動物のバスです。

ねずみさん達が登場する水色の地面に、グレーのねずみのバスが、すばしっこくしゅしゅしゅと走っているように見えます。

次はピンク色の大きな耳がついた、うさぎのバス。オレンジ色の地面をぴょんぴょんと跳ねて進んでいるのかな。うさぎの好きなにんじんを思わせるオレンジ色の地面です。

黄色いボディにたてがみのついたライオンバス。黄緑色の荒野を『ガオー!』と叫びながらビュンビュン走っているのかな。大きな牙がむし出したライオンの顔のバスだけど、目がクリクリで鼻が大きいからなのか、不思議と怖くない印象のバス。可愛らしさも感じます。

ぞうの場面は黄色の地面、水色の大型バスのボディが美しく映えています。”わたし”の場面はピンク色の地面です。優しく穏やかに走るパパのバスを安全に見守るようなカラーです。

それぞれの車とキャラクターを引き立たせるような地面との色の合わせ方は、読者をウキウキさせ、色々と想像させてくれ、それでいて優しさも癒やしも、与えてくれるようです。

☆書店員の感想

ねずみのバス停に停まるのは、ねずみの家族4匹が乗れるネズミ型の小さなバスです。

最初に走って登場したねずみくんは、1人で遊びに行っていたのでしょうね、「ねずみくん、どこいってたのー?置いていくとこだったわよー」とお母さんが言ってるみたいです。間に合ってよかったねと、私もひと安心。

ライオン家族は9人と多いので2階建てになっています。ママと子ども達は後ろの席に、大人しく乗っています。「2階だてバスは景色がよく見えるねー」なんて話しているのかな。

ゾウさんのバスは大型バスです。ゾウさんは体が大きいから、大型バスがピッタリサイズですね。大きな窓から楽しそうな話し声が聞こえてきますよ。

ゾウさんバスの排気ガスは、ゾウさんの鼻から吹き出ます。もしかして近未来のエコカーなのかもしれません。雲みたいにモクモク出ている煙がゾウの形!?(これはもしかして排気ガスじゃなくて”雲”製造機なのかも?なんて・・・想像してしまいました。車を運転して出る物ですが、雲なら自然に優しい未来の車ですよね★)

最後にバス停に待っていたのは、”わたし”と、動物たち。誰が来るのかな?

答えはパパの運転するバス、後ろの席からママが手を降ってくれているよ。

みんなで一緒に乗り込もう!「パッパー!!みんなのったら 出発しんこー!」

どこに遊びにいくのかな?『いってらっしゃ~い!』とこちらまで手を振りたくなります♬

●赤ちゃんと遊べる絵本

ねずみさん、うさぎさん、らいおんさん、ぞうさん、4匹のそれぞれのシルエットはとても特徴的です。小さな子どもでも、すぐに「ぞうさんだー!」「うさぎー!」と、大人のヒントがなくてもすぐ分かる物ばかりです。

バス停に到着するバスの動く音は、「ぴょんぴょん」や「パオーン」「ガオー!」など、その動物を象徴する、聞いたらすぐに想像がつく音になっています。

バス停が描かれているページを、1枚めくると乗り物が登場します。

まず、バス停のシルエットを見て動物を当てクイズをして、ページをめくる前に「どんな鳴き声かなー?」と、2段階でクイズを出したら楽しいですね。

1歳未満の赤ちゃんは、犬を「わんわん」、猫を「にゃんにゃん」など、名前より先に鳴き声で覚えます。本書は、動物の鳴き声もシルエットもわかる絵本です。

赤ちゃんの読み聞かせは、読み手の一方通行になりやすいものです。しかしこの絵本なら、子どもの反応が期待できます。「だれかなー?おしえてー!」と言って、子どもの反応や声を聞きながら読み聞かせができるでしょう。

●ファーストブックに購入する方・プレゼントする方が多い絵本です。

次男が赤ちゃんの頃、絵本を買ってあげたいけどどうしようかなと悩んだ時期がありました。何を買ったら良いのか分からず、本屋さんをウロウロしていたら、のりもの好きの長男に「これいいんじゃない?」と促され、本書を買いました。ナイス長男!次男のお気に入りの1冊になり、毎晩あきるまで、よく読んであげました。

それから9年経った今でも、我が家の本棚に並んでいます。表紙の”わたし”が、男の子のようにも女のコのようにも見えて、当初の次男の幼少期と重なる部分もあり、とても可愛らしくて今でも私のお気に入りの1冊です。

ついこの間まで赤ちゃんだった末っ子の娘も、次男と同じように大人に読んでもらったり、絵本を噛んで確かめたり、雑にめくったりしていました。最後の1枚はなんと破れています・・・。それでも形を保ってい本書を、私はきっとこれからも大事な1冊として置いておくと思います。大事な思い出の1冊です。

バスがきました 裏表紙
よっぴー
  • よっぴー
  • 書店員のよっぴーです。2人の男の子と、1人の女の子の母として、毎日育児奮闘中です。
    私は自分の子どもに沢山の愛情を子どもが嫌がる時が来るまで、沢山沢山注ごう。心をもしコップに例えるなら、そのコップが溢れて「もう大丈夫だよ!」となるまで続けようと思っています。それだけは大事にしている信念です。
    絵本を読むのもその一つです。
    大切にしている愛情を伝える方法の1つだと思っています。

    保育士・幼稚園教諭二種・介護福祉士です。
    他に、ベビーシッター・ベビーマッサージ・ベビー’sサインなどの資格も持っています。
    絵本の感想とともに私の育児経験、保育士・幼稚園教諭免許を持つ書店員としてのアドバイスなどをご紹介出来たらと思っています。