バスで おでかけ

ユーチューブ動画で保育士書店員が詳しく解説しています

クリスマスのシーズンにピッタリ!バスに乗ってどこへ行くのかな?行き先は内緒です★お父さんが素敵なクリスマスのプレゼントを用意してくれていますよ。あなたにもきっと優しいプレゼントが届きます。

☆3つのおすすめポイント

  1. 雪が降りだしそうな寒い日です。「バスに乗っておでかけするよ!」お父さんが言いました。家族はバスに乗ってどこへ行くのかな?停留所から見える素敵な景色を楽しみましょう!
  2. ずいぶん遠くまでバスでやってきました。お父さんの言う「素敵な所」ってどこなんでしょうか?子ども達はウキウキわくわく♩いよいよついた停留所からモミの木の方へ歩き出しましたよ・・・。
  3. 貢をめくる度に稜線を超えて次の景色が見えます。1枚ずつ左右上のページをカットしてぺ大きさを変えている仕掛けがされています。そして、最後のもみの木には穴あきの仕掛けが!隅から隅まで細かく描かれていて、字が読めない小さな子どもでも、絵を見るだけでも楽しめる。とことん楽しさを詰め込んだ絵本です。

☆あらすじ

雪が降りだしそうな寒い日です。「バスに乗っておでかけするよ!」お父さんが言いました。お父さん・お母さん・男の子・女の子の4人家族はバスに乗りました。『どこへ行くんだろうね』『ワクワクするね』と子ども達。

ブロロン ブルン。バスは最初の停留所のスケート場前に停まりました。「スケートも楽しいけど、今日は別のところ」とお父さん。バスはまた走り出しました。

ブロロン ブルン。次は動物園前でバスは停まりました。『わーい!!動物見たいよー!』と子ども達。だけどお父さんは言います、「動物園も楽しいけど、でも今日は別のところ」バスは走り出しました。

ブロロン ブルン。バスは港にやってきました。『大きな船が見えるよ!乗ってみたいなぁ!』だけどお父さんは言います、「港も素敵だけど、でも今日は別のところ」バスは走り出しました。

ブロロン ブルン。バスは遊園地に着きました。色んな乗り物が見えます。『乗りたいな!』だけどお父さんは言います、「遊園地も素敵だけど、でも今日は別のところ」バスはまた走り出しました。

バスは終点の駅に着きました。ここでこの家族は乗り換えます。一体どこへ行くのかな?

ブロロン ブルン。バスはデパートの前で停まりました。『おもちゃ売り場へ行こうよ!電車のおもちゃが欲しい!!』『私はお人形!』でもお父さんは降りようとしません。

バスはまた、走り出しました。

バスは街を通り過ぎて、山道を登っていきました。だんだん暗くなってきました。『素敵な所ってどこ?』

ブロロン ブルン。バスは山の中で停まりました。「ここで降りるよ!」お父さんが言い、バスを降りました。「こっちこっち!」お父さんは大きなもみの木に向かって歩き出しました。木の裏に回ると…「ここだよ。」

お父さんがもみの木を見上げて言いました。『うわー!キレイ!!』大きなもみの木は星を散りばめたように、キラキラと輝いていました。

大きなもみの木を眺めながらレストランで食事をしました。とても素敵な夜でした★

バスで おでかけ 表紙

☆際立った特徴

お父さんが「バスに乗ってお出かけするよ!」と子ども達に言い、バスに乗る所からお話が始まります。行き先は着くまで内緒です!ページをめくる度に稜線を超えて、スケート場・動物園・大きな船が停まる港・遊園地・駅・デパートと景色が変わっていきます。子ども達の『どこへ行くんだろう?』『まだかなぁ?』と楽しみにしている気持ちが伝わります。

そして、作者間瀬なおかたさんといえば、しかけ絵本で楽しませるだけでなく、隅々まで細かく、楽しさをとことん詰め込んで描かれた作風です。ぜひ、隅々まで細かく人物や建物・乗り物を描いているので、よく見てみましょう!

本物のサンタクロースが煙突を登っていたり、遊園地の奥では恐竜パークもあるようですよ!遠くの景色の中に船が見えたり、電車が走っていたり。大人も子どもも、字が読めない小さな子どもも見ているだけで1ページ1ページから楽しさともらえる、心がウキウキする絵本です。

クリスマスのシーズンの読み聞かせはもちろん、どんな季節に読んでも、楽しくて幸せをもらえるような物語です。

参考文献)

作者:間瀬なおかたさん「バスでおでかけ」インタビュー記事

KUMONが読み聞かせを応援 インタビュー「絵本はお話だけでなく背景まで楽しんで」

☆書店員の感想

いろんな場所を通り過ぎて、ずいぶん遠くまでバスでやってきた4人家族。お父さんの言う「素敵な所」ってどこなんでしょうか?子ども達はウキウキわくわく♩いよいよついた停留所からモミの木の方へ歩き出しましたよ・・・。

スケート場・動物園・大きな船が停まる港・遊園地・駅・デパートと、いろんな場所を通って、バスを乗り換えて、やっとたどり着いたのは、山の中でした。沢山の楽しそうな場所を通り越して、着いた場所は、薄暗いような寂しいような、雪が積もる山の中。一体何があるの?ここはどこなの?と子ども達は不安だったかもしれませんね。それでも、「こっちだよ!」とお父さんに言われてついていった先には大きなもみの木がありました。山を少し登りながらもみの木にたどり着き、反対側に回ってみると・・・。それまでは薄暗く見えていたもみの木が、キラキラと星が散りばめられたような素敵なもみの木になりました。

もちろん、それは星ではありません。街の明るい光がもみの木の枝の間から透けて見えて、まるで飾られたクリスマスツリーのようにキラキラと光って見えたのでした。

こんな大きくて素敵なクリスマスツリーは見たことがありません。静かな山の中で美しく静かに光る様子が、私はとても神秘的に見えて、最高のクリスマスプレゼントだと思いました。そんな景色を見ながら家族はレストランで食事を楽しみます。遊園地や動物園・デパートなどの華やかさとは全く逆の、静かだけど温かい、家族だけのクリスマスの夜は、きっと子ども達にとって一生心に残る最高の1日となったことでしょうね。

貢をめくる度に稜線を超えて次の景色が見えます。1枚ずつ左右上のページをカットして大きさを変えている仕掛けがされています。そして、最後のもみの木には穴あきの仕掛けが!隅から隅まで細かく描かれていて、字が読めない小さな子どもでも、絵を見るだけでも楽しめる。とことん楽しさを詰め込んだ絵本です。

作者間瀬なおかたさんの作風といえば、いつも沢山の仕掛けで楽しませてくれます。そして、本書は特に色んな子ども達が喜ぶような場所が描かれているのですが、人も乗り物も動物も多く描かれています。動物園は、こんなに沢山の種類のいる動物園があったら最高だよね!と思うほどの動物の種類です。レッサーパンダがバンザイしているのが、とてもキュートですし、サイやライオン・キリン・シマウマ・パンダなど、子ども達に人気のある動物もいます。

遊園地では、雪のお城があったり、ジェットコースターがあったり、ゴーカートもあります。とても賑やかな雰囲気です。そんな中に池の中にボートがあって、滝を登るのかな?でも人間がダイブしているような??と不思議な乗り物もあったりして・・・。

デパートのページでは、街中を沢山の人が歩いています。クリスマスケーキを売る人や、大きなプレゼントの箱を持って帰る人、雪で転んじゃった人もいます。あらら・・・。

デパートの後ろには住宅があるので、家に帰る人もいれば、食事をしに出てきた人もいるのかもしれませんね。そんな中、もしかして本物のサンタさんもいたりして・・・?

見れば見るほど、細かな発見が出来て、大人も子どもも楽しむことが出来ます。小学生にもオススメの絵本です。

字が読めない小さな子どもでも、絵を見ているだけで、クリスマスの雰囲気や、雪や風の冷たさ、賑やかな街や、明かりの温かさを感じることが出来るでしょう。

今年はどんなクリスマスにしようかな?ぜひ、心が温かくなるような、素敵な1日にしたいですね☆

バスで おでかけ 裏表紙
よっぴー
  • よっぴー
  • 書店員のよっぴーです。2人の男の子と、1人の女の子の母として、毎日育児奮闘中です。
    私は自分の子どもに沢山の愛情を子どもが嫌がる時が来るまで、沢山沢山注ごう。心をもしコップに例えるなら、そのコップが溢れて「もう大丈夫だよ!」となるまで続けようと思っています。それだけは大事にしている信念です。
    絵本を読むのもその一つです。
    大切にしている愛情を伝える方法の1つだと思っています。

    保育士・幼稚園教諭二種・介護福祉士です。
    他に、ベビーシッター・ベビーマッサージ・ベビー’sサインなどの資格も持っています。
    絵本の感想とともに私の育児経験、保育士・幼稚園教諭免許を持つ書店員としてのアドバイスなどをご紹介出来たらと思っています。