十二支のお節料理

十二支の動物達の作るお節料理。みんなで力を合わせて年神様を迎える準備♬12月1月の読み聞かせにピッタリな1冊。

☆特徴

  • 十二支の動物達が登場。
  • 文字も絵も黒い縁は版画。
  • 着色は水性インクマーカー。

※姉妹本「十二支のお雑煮」

《note》 インタビュー【日本の良さが感じられる絵本】「十二支のお節料理」「十二支のお雑煮」

☆読み聞かせのポイント

  • 大晦日の準備シーンでは、おせちを作ったり、大掃除や年神様を迎える飾りつけをする様子が描かれます。ぜひ一つ一つの準備をじっくり眺めてみてください。「これは鮭かな?」「縁起のいい食べ物がおせちには入っているんだよ」なんて会話もいいですね。
  • 十二支たちの会話は全く書いていません。どんなお話をしているんだろうね?と想像をしてみるのもいいですね。
  • お正月が楽しみになる絵本だと思います。どんな事をしたい?何が楽しみ?と会話をするのもいいですね!大掃除のお手伝いをお願いするチャンスにもなるかな?
十二支のお節料理 表紙

☆あらすじ

12月の暮れ。もうすぐお正月です。

お正月を迎える準備が始まります。

新年を祝いお節料理を食べて年神様を迎えるために、十二支の動物達が手分けしてお節料理を作る準備を始めます。

その前に、まずは年神様がネズミ達に、家の掃除と正月の飾りつけを頼みました。

そしてネズミ達は餅をつき、鏡餅を作ります。

農作物に詳しい牛は野菜を選んで運んでくる係。

トラは千里を駆け巡り、珍しい食べ物を調達する係。

うさぎは重箱やお箸など、食器を選んで出す係。

辰には係はありませんが、1年中天気の様子を見守る係です。

ヘビは新しい献立を考える係。

うまは調理道具の係。包丁を研いで、火や水も用意します。

羊は料理の下ごしらえ。サルは献立に従って調理、酉は盛り付けの係です。

イヌは年越しそばの係です。

大晦日、年越しそばが茹で上がれば、いよいよ今年もあとわずかです。

イノシシは後片付けの係。

大晦日の夜が、更けていきます。

夜が明ければ新年です。

☆書店員の感想

●昔話「十二支の話」をその角度で描いたのか!!なるほど!

「十二支のお話」と言えば、一年間の大将となる動物を12番目まで決める為に1月1日に神様の元へ向かうという昔話。そんな「十二支のお話」を発展させて描いている「十二支のお節料理」は、元の話を知っている私には、「なるほど!そんな角度から展開したんだな」と思わせてくれ、その発想が面白いと思いましたし、驚きもありました。

表紙には十二支たちと共に、羽付きや的あてなど、お正月の遊びが描かれています。正月遊びを楽しむ姿が描かれているのかな?おせちを食べるのかな?と想像させてくれる絵だと思うのですが、実は・・・その前の、大晦日と新年の挨拶シーンを描いています。

十二支である動物達が、競争するのではなく、力を合わせて新しい年神様を迎える準備をする姿は、まるで大家族のよう。

元の話では、「我こそが!」と競争して大将になるために個人で戦っている感じでした。正直、元の話は競争ですから、あまり動物達は仲は良さそう・・・では無いと思います。

しかし本書では、一つの目的の為に、動物達が協力して一生懸命に年神様を迎える準備をします。掃除をする者、食材を調達する者、空を見守り続ける者、調理をする者、片付けをする者・・・。それぞれが与えられた仕事を精一杯、そして嬉しそうにするのです。

そんな動物達を見ていると、気持ちがいいし、なんだか嬉しい気持ちになりました。きっと互いを尊敬しあって仲がよいのだろうなと想像させてくれます。同じ家に住む、大家族のようにも見えてきます。

●静と動を組み合わせたストーリー展開。大晦日の慌ただしさと年越しの静かさ、新年のおめでたさ。様々な雰囲気を味わうことが出来る。

大晦日は年越しの準備や大掃除で忙しく、それが終わった12月31日の深夜は急に静かで、元旦の日の出とともに、また賑やかな1日が始まるというイメージはありませんか?

私は、大晦日と正月の二日間は【動と静が入り混じる2日間】というイメージがあります。

本書では、そんな大晦日の賑やかさと深夜の静けさと、正月の煌びやかな雰囲気を感じることが出来るなと思いました。

この静と動の展開の良さが、本書の中で一番オススメしたいと思った面白いポイントです。

決して、忙しくせかせかした雰囲気ではないのです。

十二支たち一人一人からどーんと構えた落ち着きも感じるし、力を合わせて「素敵なお正月を迎えるぞ。新しい年神様をお迎えするぞ。」という気持ちが伝わってきます。

その年の神様に「今年も一年ありがとうございました。」という感謝を込めているようにも感じられます。

●版画とマーカーをミックスした作風が楽しい。

黒く描かれた文字と絵は版画で、その中にマーカーで色を塗る方法で描いているそうです。

私は初めて本書を手に取った時、この文字と黒で縁取られた絵に面白さを感じました。力強さと温かさと優しさがミックスされたような、独特な雰囲気があります。

そして色合いも鮮やかでありながら、強調した色は無く、ふんわりと温かみがあり、仲の良さを感じます。

中の絵も素敵です。先にもご紹介したのですが、大晦日の十二支たちが準備をしているシーンは、賑やかで慌ただしさを感じるような絵が続きます。

一方で深夜の静かな場面では、背景の中に正月の飾りだけが際立つように描かれていて、誰もいない静かな部屋なのだと感じ取れます。

絵だけでも十分、静と動を感じさせる絵本は珍しいと思いました。

本書を読んでいると、年に一度の大晦日と正月が楽しみになります。

おせちを食べたりしめ飾りを飾ったり…。「今度のお正月はこんな事をしようね。」「来年の干支はうさぎだよ。」「おせちを食べてみようか」、なんて親子の会話が弾みそうな1冊です♬

  • 作品名:十二支のお節料理
  • 著者名:川端誠
  • 出版社:BL出版

参考文献 KUMONがうた・読み聞かせを応援ミーテ インタビュー 「絵本を読み合うその時間が大事」

十二支のお節料理 裏表紙
よっぴー
  • よっぴー
  • 書店員のよっぴーです。2人の男の子と、1人の女の子の母として、毎日育児奮闘中です。
    私は自分の子どもに沢山の愛情を子どもが嫌がる時が来るまで、沢山沢山注ごう。心をもしコップに例えるなら、そのコップが溢れて「もう大丈夫だよ!」となるまで続けようと思っています。それだけは大事にしている信念です。
    絵本を読むのもその一つです。
    大切にしている愛情を伝える方法の1つだと思っています。

    保育士・幼稚園教諭二種・介護福祉士です。
    他に、ベビーシッター・ベビーマッサージ・ベビー’sサインなどの資格も持っています。
    絵本の感想とともに私の育児経験、保育士・幼稚園教諭免許を持つ書店員としてのアドバイスなどをご紹介出来たらと思っています。