10かいだての まほうつかいの おしろ

10かいだての まほうつかいの おしろ 表紙

魔法使いになりたい子にピッタリ!10階建てのお城を1階ずつのぼるごとに、だんだん魔法使いに変身できちゃうよ。

☆特徴

  • 魔法使いになりたい女の子。
  • 魔法のパーティーに招待された女の子はお城へ向かう。
  • 10階だけのお城を上がっていくごとに魔法使いになる準備をする。
  • 読者も一緒に洋服やアクセサリー・靴を選び、進んでいける。参加型絵本。
  • 努力する事の大切さを学ぶことが出来る。
  • ページはほぼ横開きで進むが1ページだけ縦に持ち替えて読む。
  • 観音開きで開くしかけ。
  • 「10かいだてシリーズ」に『10かいだてのおひめさまのおしろ』があります。ブログで以前紹介しているので、ちぇっくしてみてくださいね★ 【ブログはこちら】
10かいだての おひめさまのおしろ 表紙 (きせかえカバー)
10かいだてのおひめさまのおしろ

☆読み聞かせのポイント

  • 読み進めながら一緒に「どれがいい?」と自分ならどれがいいか選びながら読み進めると楽しいです。読む度に毎回違ったデザインを選んで楽しめますよ!
  • 何事も何かを習得する時は努力が必要!繰り返し練習が大切だねと伝えることが出来ますよ!
  • 開くしかけページはドキドキワクワク・・・。ぜひタイミングよくお子さんに開いてもらいましょう!
  • 3歳頃になると10までの数ならだんだん分かってくると思うので、お城に縦に並ぶ窓の数は10個。進んでいく階も10階。一緒に数えて進めるのも楽しいと思います。数を間違えても◎

☆あらすじ

ある所に、魔法使いに憧れている女の子がいました。

ある夜の事、屋根裏部屋で、黒猫のぬいぐるみに見た事のない手紙が置かれている事に気がつきました。

中を開いて読んでみると、それは【魔法のパーティーへの招待状】。招待状に描かれた帽子のマークが急にボワーンと輝いて・・・

気がつくと、女の子は不思議なお城の前に立っていました。お城の前でぬいぐるみだったはずのあの黒猫が、読んでいます。

「ようこそ!魔法使いになる準備を始めましょう!」お城の扉が開きました。

最初の部屋はお洋服の部屋です。魔法使いになるには、まず身だしなみを整えなくてはいけません。洋服を選びます。

2階へ行き、魔法使いにピッタリの髪型を選びます。

3階では靴下とブーツを選びます。全て素敵でオシャレでなかなか選ぶのに時間がかかります。

4階では不思議な植物や生き物達と遊びましょう。ドラゴンに人所、フェニックスにサラマンダー・・・。沢山の植物と生き物と遊んだらいよいよ5階へ。

そろそろ休憩しましょう。5階ではおやつタイム。不思議な味のスープにタルト、虹色ケーキもあります。どれを食べてみる?

6階では色々魔法の道具を触ってみましょう。魔法のじゅうたんにランプ・未来が見える石・透明マントもありますよ。女の子は魔法のほうきを選びました。

魔法を使うには心得も大事な勉強。7階はお勉強。どんな事も良く調べ、教えてもらい練習することが大切です。

8階でさっそく練習してみましょう!少しずつ魔法のほうきで飛べるようになった女の子は自信をもって9階へ。

おしまいにアクセサリーを選びましょう!これであなたは立派な魔法使い。さあ、一番上の階へ進みましょう!

10階には大きな扉が閉まっています。でも大丈夫、本物の魔法使いになったあなたなら、その魔法のステッキで扉を開くはず!さあ、大きな声で呪文を言いましょう!

「扉よ開け!」

扉が開くと、そこにはほうきに乗った魔法使いたちが女の子を待っていました。そして、魔法使いになった女の子を拍手で祝福したのです♬

魔法使いの姿に変わった黒猫と一緒に、女の子はほうきに乗って高く高く飛びました。手にしたステッキからキラキラ輝く光が溢れます。キラキラキラ…

楽しい時間はあっという間。急に女の子の服や帽子、靴がチカチカと光になって舞い始め、だんだん消えていきました。

「大丈夫。努力が出来たあなたはもう、立派な魔法使い。ここで身につけた事をいつまでも忘れずにいてくださいね。」

黒猫はステッキをネックレスに変えてくれました。そして、女の子はゆっくりと元の姿に戻り、家のベッドに・・・そして夢の中へ・・・。

☆書店員の感想

女の子も男の子も1度は魔法使いになってみたい!!と思った事があるのではないでしょうか。本書ではそんな願いが叶う絵本となっています。基本的には女の子用の服装・靴・ブーツなどなどにデザインはなっていますが、”魔法の国”ならではの生き物やほうきの乗り方など魔法の練習の仕方も(心得)描かれています。一見女の子向けのようですが、魔法に興味のある男の子も一緒に楽しめるのではないかと思いました。

そして、読者は主人公の女の子と一緒に階段を上りながら1つずつ魔法使いになる準備を整えていく内容となっていて、一緒に参加しながら読み進める事ができます。親子で兄弟で、お友達と、「私はこれがいいな!」「僕はこれがカッコいいと思う」と話しながら楽しみましょう!さあ、あなたも魔法使いに変身です!

女の子はだんだん衣装も整っていき、最後の階に到着する頃にはすっかり魔法使いになることが出来ました。ほうきに乗ることも出来るようになり、他の魔法使いからも仲間入りした事を祝福されます。

しかし、そんな時間もつかの間・・・。

女の子と黒猫の2人がほうきに空を飛んで遊んでいた時に、魔法の時間が一気に溶けていくように、キレイな洋服や靴・ネックレスや髪飾りがキラキラと輝き舞いながら、消えていきます。(消えるというより、光のつぶになってだんだん女の子から離れていくといった感じ)

女の子から身につけた全てが離れていくから、もう魔法も使えなくなるのかな・・・?と、読者も主人公の女の子も心配になるような瞬間ですが、大丈夫!心配はいりませんよ。

黒猫は「あなたはもう立派な魔法使いですよ。いつまでも身につけた事を忘れないでね」と女の子に伝え、魔法のステッキをネックレスに変えてくれました。

同時に女の子は屋根裏部屋にいた時の姿に変わり、ベッドに吸い込まれるようにフワフワと浮いています。そのまま眠りについていくというシーンでお話は終わり・・・かと思いきや。朝起きた女の子の姿を最後に描いています。女の子の胸には、ネックレスが光っているんです。あの素敵な夜の出来事は夢じゃなかったという事ですね。

魔法使いになるためには、身だしなみを整える事、食事のマナーを学ぶ事、何かやりたいことがあった時諦めずに何度も練習してチャレンジする事が大切だという事を伝えています。これって本当は、素敵な大人になってほしいと願う保護者の気持ちそのもの、子ども達に伝えたい事の1つですよね。

きっと主人公の女の子の心が成長したように、本書を読む子ども達の心にも、きっと届き成長にひと役買う内容ではないかと思いました。

素敵な魔法使いに私もなりたいな★

  • 作品名:10かいだての まほうつかいの おしろ
  • 著者名:のはなはるか
  • 出版社:PHP研究所
10かいだての まほうつかいの おしろ 裏表紙
よっぴー
  • よっぴー
  • 書店員のよっぴーです。2人の男の子と、1人の女の子の母として、毎日育児奮闘中です。
    私は自分の子どもに沢山の愛情を子どもが嫌がる時が来るまで、沢山沢山注ごう。心をもしコップに例えるなら、そのコップが溢れて「もう大丈夫だよ!」となるまで続けようと思っています。それだけは大事にしている信念です。
    絵本を読むのもその一つです。
    大切にしている愛情を伝える方法の1つだと思っています。

    保育士・幼稚園教諭二種・介護福祉士です。
    他に、ベビーシッター・ベビーマッサージ・ベビー’sサインなどの資格も持っています。
    絵本の感想とともに私の育児経験、保育士・幼稚園教諭免許を持つ書店員としてのアドバイスなどをご紹介出来たらと思っています。