みなさん、こんにちは。
元介護認定審査会委員で、2005年のケアマネ試験に一発合格したナオさんです。
「十訂 介護支援専門員基本テキスト」を、毎日およそ20ページずつ読み進め、約2か月で読破するシリーズ。
今回は、第34回目です。
今回の学習範囲は、基本テキスト上巻736ページから756ページまで。
介護老人保健施設と介護医療院です。
動画で使用したイラストとあわせて、「試験直前まとめ」で、知識を確実なものにしましょう。
介護老人保健施設・介護医療院|試験直前に確認したい20の重要ポイント
今回は、介護老人保健施設(老健)と介護医療院について、ケアマネ試験の直前に確認しておきたい重要ポイントを20項目にまとめます。

この二つの施設は、どちらも医療や介護を提供する介護保険施設ですが、中心となる役割が異なります。
- 介護老人保健施設:在宅復帰を目指す施設
- 介護医療院:長期療養と生活を支える施設
まずは、この違いを押さえたうえで、人員基準や設備基準などの細かい数字を整理していきましょう。

介護老人保健施設の重要ポイント
1.老健の中心的な目的は「在宅復帰」
介護老人保健施設の中心的な目的は、入所者が再び自宅などで生活できるように支援することです。
試験では、老健について、
居宅における生活への復帰を目指す施設
という点が繰り返し問われています。
老健を見たら、まずは**「在宅復帰」**と覚えましょう。

2.老健で提供されるサービス
老健では、施設サービス計画に基づいて、次のサービスを提供します。
- 看護
- 医学的管理の下での介護
- 機能訓練
- その他必要な医療
- 日常生活上の世話
老健は、リハビリテーションだけを行う施設ではありません。
医療、看護、介護、リハビリテーション、生活支援を一体的に行い、在宅復帰を目指します。
3.老健の対象者は要介護1以上
老健を利用できるのは、要介護認定を受けた人です。

要支援者は入所できません。
また、介護老人福祉施設のように「原則要介護3以上」という制限はありません。
老健は、要介護1から要介護5までの人が対象です。
4.若年性認知症の人も入所できる
若年性認知症がある場合でも、要介護認定を受け、老健での支援が必要であれば入所できます。
「認知症があるから対象外」「65歳未満だから利用できない」と考えないように注意しましょう。
5.老健の開設者と小規模施設の定員

社会福祉法人は、介護老人保健施設を開設できます。
老健の開設者は、医療法人に限定されているわけではありません。


また、次の小規模な老健は、いずれも定員29人以下です。
- サテライト型小規模介護老人保健施設
- 医療機関併設型小規模介護老人保健施設
後ほど出てくる併設型小規模介護医療院は19人以下です。
老健は29人、介護医療院は19人
と比較して覚えましょう。
6.施設サービス計画を作成するのは計画担当介護支援専門員

老健の施設サービス計画を作成する中心は、計画担当介護支援専門員です。
計画担当介護支援専門員は、本人と家族に面接してアセスメントを行います。
そのうえで、次の内容を踏まえて計画を作成します。
- 本人の希望
- 家族の希望
- アセスメントの結果
- 医師の治療方針
老健では、医療と介護の両方が提供されるため、医師の治療方針を踏まえる点も重要です。
7.居宅生活が可能か定期的に検討する
老健では、入所者が再び居宅で生活できるかどうかを定期的に検討します。
この検討は、介護支援専門員だけで行うものではありません。
医師、看護職員、介護職員、支援相談員、リハビリテーション専門職などの多職種で検討し、その内容を記録します。
老健は入所した時点から、退所後の生活を見据えて支援する施設です。
8.看護・介護職員は合計で3対1

老健の看護職員と介護職員の合計は、常勤換算方法で、入所者3人またはその端数ごとに1人以上です。
つまり、3対1です。
その内訳は、次の割合を標準とします。
- 看護職員:看護・介護職員総数の7分の2程度
- 介護職員:看護・介護職員総数の7分の5程度
看護2、介護5、合計7
という形で覚えると整理しやすくなります。
9.医師・リハビリ専門職・介護支援専門員の配置
老健の主な人員配置は、次のとおりです。
- 医師:入所者100人に1人以上
- 理学療法士、作業療法士または言語聴覚士:合計で入所者100人に1人以上
- 介護支援専門員:入所者100人ごとに1人を標準
介護支援専門員は1人以上必要で、原則として専従の常勤です。
ただし、入所者の処遇に支障がなければ、施設内の他の職務を兼務できます。
10.通常型老健の療養室と設備基準

通常型老健の療養室は、次の基準を満たす必要があります。
- 1室4人以下
- 入所者1人当たり8平方メートル以上
そのほか、主な面積基準は次のとおりです。
- 機能訓練室:入所定員1人につき1平方メートル以上
- 食堂:入所定員1人につき2平方メートル以上
老健には診察室が必要ですが、処置室は必置ではありません。
処置室が必要なのは、後ほど説明する介護医療院です。
11.ユニット型老健の療養室
ユニット型老健の療養室は、原則として1人部屋です。
ただし、サービス提供上必要と認められる場合は2人部屋とすることができます。
主な基準は次のとおりです。
- 療養室:1室10.65平方メートル以上
- 1ユニット:おおむね10人以下
- 最大でも15人を超えない
「おおむね10人以下」であっても、15人を超えることはできません。

介護医療院の重要ポイント
12.介護医療院は長期療養と生活を支える施設
介護医療院は、2018年4月に創設されました。
長期にわたる療養が必要な要介護者に対し、医療、看護、介護、機能訓練、日常生活上の支援を一体的に提供します。
介護医療院は、単なる医療施設ではありません。
医療を受けながら生活する、生活施設としての役割も持っています。
なお、介護療養型医療施設は、2024年3月31日をもって廃止されました。

13.介護医療院の対象者
介護医療院の対象者は要介護者です。
老健と同様に、要支援者は入所できません。
また、介護医療院は、主として短期的な療養を行う施設ではありません。
長期にわたり、療養上の管理、看護、医学的管理の下での介護などが必要な人を対象とします。
14.Ⅰ型療養床とⅡ型療養床

介護医療院には、Ⅰ型療養床とⅡ型療養床があります。
Ⅰ型療養床
主として、次のような医療必要度の高い人を対象とします。
- 重篤な身体疾患のある人
- 身体合併症のある認知症高齢者
Ⅱ型療養床
Ⅰ型療養床の対象者以外の人を対象とします。
一般的には、Ⅰ型よりも病状が比較的安定している人が中心です。
Ⅰ型は医療必要度が高い
Ⅱ型はⅠ型より比較的安定
と整理しましょう。
15.併設型小規模介護医療院は19人以下

併設型小規模介護医療院の入所定員は、19人以下です。
25人以下や29人以下ではありません。
また、介護医療院は病院だけでなく、診療所に併設される場合もあります。
少人数の療養室と共同生活室で構成される、ユニット型介護医療院もあります。

16.介護医療院の人員基準

介護医療院の人員基準は、Ⅰ型とⅡ型で異なります。
看護職員
Ⅰ型・Ⅱ型ともに、入所者6人に1人以上です。
介護職員
- Ⅰ型:入所者5人に1人以上
- Ⅱ型:入所者6人に1人以上
医師
- Ⅰ型:入所者48人に1人
- Ⅱ型:入所者100人に1人
薬剤師
- Ⅰ型:入所者150人に1人
- Ⅱ型:入所者300人に1人
Ⅰ型は医療必要度の高い人を対象とするため、Ⅱ型よりも手厚い配置となっています。
覚え方は、
Ⅰ型は、医師48・薬剤師150・介護5
Ⅱ型は、医師100・薬剤師300・介護6
看護職員は、どちらも6
です。
17.介護医療院の療養室と設備基準

通常型介護医療院の療養室は、次の基準を満たす必要があります。
- 1室4人以下
- 入所者1人当たり8平方メートル以上
この点は、通常型老健と同じです。
そのほかの主な基準は次のとおりです。
- 機能訓練室:40平方メートル以上
- 食堂:入所者1人当たり1平方メートル以上
介護医療院には、処置室が必要です。
老健との設備基準の違いとして、試験で狙われやすいポイントです。
老健と介護医療院の設備比較
| 項目 | 介護老人保健施設 | 介護医療院 |
| 通常型療養室の定員 | 4人以下 | 4人以下 |
| 1人当たりの療養室面積 | 8㎡以上 | 8㎡以上 |
| 機能訓練室 | 1人につき1㎡以上 | 40㎡以上 |
| 食堂 | 1人につき2㎡以上 | 1人につき1㎡以上 |
| 処置室 | 必置ではない | 必要 |
老健と介護医療院に共通する重要ポイント
18.施設サービス計画の作成手順

老健と介護医療院の施設サービス計画は、次の内容を踏まえて作成します。
- 本人の希望
- 家族の希望
- アセスメントの結果
- 医師の治療方針
計画担当介護支援専門員は、サービス担当者会議などを通じて、多職種から専門的な意見を求めます。
計画の内容を本人または家族に説明し、文書による同意を得なければなりません。
作成した施設サービス計画は、本人に交付します。
19.入浴・身体拘束・感染症・定員超過

老健と介護医療院では、1週間に2回以上、入浴または清拭を行います。
身体拘束は、原則として禁止です。
身体拘束等の適正化のための対策を検討する委員会は、3か月に1回以上開催します。
感染症や食中毒の予防・まん延防止のための委員会も、おおむね3か月に1回以上開催します。
入所定員を超えて入所させることは、原則としてできません。
ただし、次のようなやむを得ない事情がある場合は例外です。
- 災害
- 虐待
- その他のやむを得ない事情
20.記録の保存期間と利用者負担

施設サービス計画、身体拘束、苦情、事故などに関する記録は、完結の日から2年間保存します。
また、施設は、介護保険給付とは別に、次のような費用を徴収できます。
- 食費
- 居住費
- 特別な療養室の費用
- 特別な食事の費用
- 理美容代
- 通常の日常生活に必要な費用
ただし、おむつ代を別に徴収することはできません。
おむつ代は、施設サービス費に含まれています。
最後に――老健と介護医療院の違いを整理しよう
介護老人保健施設と介護医療院を区別するうえで、最も重要なのは施設の目的です。
- 介護老人保健施設:在宅復帰
- 介護医療院:長期療養と生活
さらに、試験直前には次の数字を確認しておきましょう。
- 小規模老健:29人以下
- 併設型小規模介護医療院:19人以下
- 通常型療養室:どちらも4人以下、1人当たり8平方メートル以上
- 老健の食堂:1人当たり2平方メートル以上
- 介護医療院の食堂:1人当たり1平方メートル以上
- 処置室が必要:介護医療院
- 身体拘束等適正化委員会:3か月に1回以上
- 記録の保存期間:2年間
人員基準や設備基準は、数字だけを個別に覚えると混乱しやすくなります。
まず施設の目的と利用者像を理解し、そのうえで老健と介護医療院を比較しながら覚えていきましょう。
