【第45回】ケアマネ基本テキスト読破|認知症の特徴と病態

【第45回】ケアマネ基本テキスト読破|認知症の特徴と病態

みなさん、こんにちは。

元介護認定審査会委員で、2005年のケアマネ試験に一発合格したナオさんです。

「十訂 介護支援専門員基本テキスト」を、毎日およそ20ページずつ読み進め、約2か月で読破するシリーズ。

今回は、第45回目です。

今回の学習範囲は、基本テキスト下巻207ページから239ページまで。

第6章 認知症高齢者の介護 から、

第2節 認知症の特徴と病態

を学びます。

動画で使用したイラストとあわせて、「試験直前まとめ」で、知識を確実なものにしましょう。

試験直前まとめ――認知症の最重要ポイント10

今回は、「認知症の特徴と病態」の中から、ケアマネ試験直前に必ず確認しておきたい重要ポイントを10項目に絞って整理します。

認知症分野では、単に病名を覚えるだけでは不十分です。発症の仕方、症状の変化、生活への影響、他の状態との違いをセットで押さえることが得点につながります。

1.認知症は「認知機能低下+生活への支障」

認知症とは、認知機能が低下しただけの状態ではありません。

記憶、判断、理解、注意などの認知機能が低下し、その結果として日常生活や社会生活に支障が生じている状態をいいます。

したがって、「物忘れがある=認知症」と単純に判断することはできません。

試験では、生活への支障があるかどうかが重要なポイントです。

2.認知症=アルツハイマー病ではない

認知症は、一つの病気の名称ではありません。

代表的な原因疾患には、

  • アルツハイマー型認知症
  • 血管性認知症
  • レビー小体型認知症
  • 前頭側頭型認知症

などがあります。

「認知症といえばアルツハイマー病」と思い込まないようにしましょう。

それぞれに特徴的な症状や経過があり、試験ではその違いが問われます。

3MCIは必ず認知症になるわけではない

MCIは「軽度認知障害」のことです。

認知機能の低下はみられるものの、日常生活の自立はおおむね保たれている状態です。

MCIから認知症へ移行する人もいますが、すべての人が認知症になるわけではありません。

状態が維持される場合や、改善する場合もあります。

したがって、

「MCIは最終的に全員が認知症になる」

という選択肢は誤りです。

4.せん妄は「急性発症」と「変動」がポイント

せん妄は、認知症との鑑別で非常に重要です。

特徴は、

  • 急に始まる
  • 一日の中でも状態が変化する
  • 注意力や意識の状態が変動する

ことです。

また、せん妄というと興奮した状態をイメージしやすいですが、ぼんやりして反応が乏しくなる低活動型せん妄もあります。

「せん妄では必ず興奮する」という理解は誤りです。

感染症、脱水、薬剤、便秘、尿閉など、身体的な原因が背景にあることも多いため、急激な変化を「認知症が進んだ」と決めつけないことが大切です。

5.アルツハイマー型認知症は「最近の記憶+緩徐進行」

アルツハイマー型認知症では、一般的に最近の出来事を覚えられない記憶障害が初期から目立ちます。

たとえば、

「さっき食事をしたことを忘れる」
「同じ質問を何度もする」

といった状態です。

そして、症状は突然ではなく、ゆっくりと進行するのが典型です。

試験では、

最近の記憶障害・潜行性の発症・緩徐進行

をセットで覚えておきましょう。

6.血管性認知症は「まだら症状」と「階段状の進行」

血管性認知症は、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害によって生じます。

代表的な特徴は、

  • まだら認知症
  • 階段状の進行
  • 局所的な神経症状

です。

「まだら認知症」とは、認知機能のすべてが一様に低下するのではなく、できることと、できないことが混在する状態です。

また、脳卒中を繰り返すたびに症状が悪化する、階段状の経過をたどることがあります。

片麻痺、構音障害、嚥下障害などを伴うことがある点も重要です。

7.レビー小体型認知症は4つの特徴で覚える

レビー小体型認知症では、次の4つを重点的に覚えましょう。

幻視・認知機能の変動・パーキンソン症状・レム睡眠行動異常症

幻視では、実際には存在しない人や動物などが、具体的に見えることがあります。

また、しっかりしている時間と、ぼんやりしている時間があるなど、認知機能や覚醒状態が変動します。

動作が遅くなる、筋肉がこわばる、小刻み歩行などのパーキンソン症状も特徴です。

試験対策では、

「幻視・変動・パーキンソン・レム睡眠」

とまとめて覚えると整理しやすくなります。

8.前頭側頭型認知症は「記憶より行動・言語」

前頭側頭型認知症では、初期から物忘れが目立つとは限りません。

むしろ、

  • 脱抑制
  • 常同行動
  • 食行動の変化
  • 言語障害

などが目立つことがあります。

社会的なルールを守れなくなったり、同じ行動を何度も繰り返したり、甘いものばかり食べるようになったりすることがあります。

また、言葉の意味が分からなくなるなど、言語症状が中心となるタイプもあります。

「物忘れが目立たないから認知症ではない」わけではないことを押さえておきましょう。

9.中核症状とBPSDを区別する

認知症の症状は、大きく「中核症状」と「BPSD」に分けて整理します。

記憶障害や見当識障害は、代表的な中核症状です。

一方、BPSDは「認知症の行動・心理症状」で、

  • 不安
  • 抑うつ
  • 幻覚
  • 妄想
  • 興奮
  • 攻撃的な言動

などがあります。

BPSDは、身体状態、心理状態、生活環境、人との関わり方などによって強く影響を受けます。

また、認知症の人全員に必ずBPSDが現れるわけではありません。

「認知症になれば必ず徘徊や妄想が起こる」といった選択肢には注意しましょう。

10.検査得点だけで診断しない――BPSDは原因確認を優先

認知症の評価では、HDS-RやMMSEなどの認知機能検査が行われます。

しかし、検査の点数だけで認知症を診断するわけではありません。

これまでの経過や、日常生活で何ができなくなったのかといった生活機能も含めて総合的に評価します。

また、BPSDが現れた場合も、すぐに薬物療法を行うとは限りません。

まず、

  • 痛み
  • 感染症
  • 脱水
  • 便秘
  • 尿閉
  • 睡眠不足
  • 薬剤の影響
  • 環境の変化

など、症状の原因や背景を確認します。

そのうえで、適切なケアや環境調整を行うことが基本です。

試験では「4つの視点」で考える

最近のケアマネ試験では、MCI、中核症状、せん妄、前頭側頭型認知症など、認知症に関する問題が繰り返し出題されています。

病名と特徴を一対一で丸暗記するだけでなく、問題文を読んだときには、次の4つの視点で整理してみましょう。

  1. 発症は急なのか、緩やかなのか
  2. 症状は時間によって変動するのか
  3. 身体症状や神経症状を伴っているのか
  4. 生活のどの部分に支障が出ているのか

たとえば、急に状態が変わり、一日の中でも症状が変動するのであれば、認知症そのものの進行だけでなく、せん妄も考えます。

幻視、症状の変動、パーキンソン症状がそろっていれば、レビー小体型認知症を考えます。

このように、症状の組み合わせと経過から原因を考える力を身につけておくと、ひっかけ問題にも対応しやすくなります。

認知症分野は覚える内容が多いですが、まずは今回の10項目を確実に押さえて、得点につなげていきましょう。