ねんねのおとがきこえるよ
お子さんの寝る前の1冊にピッタリ!いろんなところから、「ねんねの音」が聞こえてきます。ゆったりとお休み前に読んであげたくなる絵本です。
☆3つのおすすめポイント
- 今日も夜がやってきて、眠る時間になりました。寝ようと思ってベッドに入りますが、あれあれ…、なにやらねんねの音が聞こえてきます。そっと耳を澄ましてみましょう。
- エゾリスのみんとちゃんをはじめ、出てくるものたちのイラストが可愛らしいです。色の雰囲気も落ち着いていて、絵もそっと眠りに誘うようです。
- 小さなお子さんの寝かしつけ、寝息に誘われて眠ってしまうことってありませんか?夜、みんなゆったり寝静まっているようすが浮かんできます。お子さんの、可愛い寝顔まであと少し…。お子さんの「ねんねの音」は、どんな音でしょうか。
☆あらすじ
おやすみなさい、ねんねの時間になりました。
お茶を注いでいたポットとカップも眠ります。
お皿にいたクッキーたちも、お菓子の缶に戻って静かになりました。
エゾリスのみんとちゃんも、おやすみなさいの時間です。
ベッドに入りました。
目を閉じると、ぬいぐるみのくまちゃんのねんねのおとが聞こえてきます。
スースー、グー、ククク
どんな夢を見ているのかな?
耳を澄ますと、お部屋からねんねの音が聞こえてきます。
ベッドの下からは、スリッパの眠る音。
スースー、パタンペタン
お部屋を歩いている夢を見ているのかな?
テーブルの上では、絵本が眠っています。
グーグー、パランパタン
椅子とひざ掛けも一緒に寝ています。
クークー、カタカタ
スヤスヤ、フワンフワン
お部屋のものたち、みんな眠っています。
ミントちゃんはベッドに戻りました。
すると、しばらくしてみんとちゃんのねんねの音が聞こえてきます。
スースー、キキキ
どんな夢を見ているのかな?森の木も、みんとちゃんのお家もみんな眠ります。
みんな、おやすみなさい…。
☆際立った特徴
ねんねの時間になりました。
目を閉じると、聞こえてくるのは誰の声かな?新しい感覚のおやすみ絵本です。
可愛いエゾリスのみんとちゃんが主役で、だんだんと眠りに誘うようなお話が続きます。優しいイラストと、いろんな寝息が夜の眠りを感じさせ、夜眠る前にゆったりと読んであげたくなります。
絵本の大きさは17.5㎝×17.5㎝で、大人の広げた手のひら1つ分くらいの大きさで、夜枕もとで読むときに持ちやすい小さめサイズです。表紙、裏表紙の角が丸くなっていて、優しい作りです。
☆書店員の感想
●今日も夜がやってきて、眠る時間になりました。寝ようと思ってベッドに入りますが、あれあれ…、なにやらねんねの音が聞こえてきます。そっと耳を澄ましてみましょう。
寝る前の準備。日中使っていたポットやカップは、キレイに洗ってまた明日。静かに目をつぶっています。
おしゃべりを楽しんでいたクッキーたちも、お菓子の缶に入ってフタがしまれば、真っ暗。もうねんねの時間です。おしゃべりもまた明日、ですね。缶も目を閉じて眠り始めました。
みんとちゃんはエゾリスです。くまちゃんのぬいぐるみと仲良しですが、そっと寝かせてあげました。ベッドに入ったみんとちゃん、なにやら音が聞こえてきて、気になってきます。
眠っているように下を向き、目を閉じているくまちゃんのぬいぐるみ。スースーと寝息が聞こえてきます。
よく耳を澄ましてみると、部屋のあちこちから「ねんねの音」が聞こえてきます。
スリッパや本、椅子やひざかけ、花瓶にくし、お鍋に傘にじょうろまで。みんなすやすや、夢の中です。
起きているのはみんとちゃんだけみたい。
ものが擬人化しているように眠って描かれていて、起きたときはどうなるのかな?と少し気になってきます。ものが眠るって不思議な感覚ですが、新たな視点のようにも思いました。
次男が戦隊もののおもちゃが好きで、小さなプラスチック?の人形をいくつも持っていてよく遊んでいるときがあるのですが、何体も出して向き合わせて立たせ、一人何役かでしゃべって楽しんでいます。寝る前になるとその人形たちが部屋にたくさん転がっているので、「お人形さんたち、もうねんねの時間だよ、お家に帰って寝たいから、お家に帰してあげてね」というと、決まった片付けの場所に返してくれていましたので、そういうやりとりにも「ものが眠る」、ということが活かされるように思いました。もしかしたら、ねんねの音が聞こえてくるかもしれませんね。
●エゾリスのみんとちゃんをはじめ、出てくるものたちのイラストが可愛らしいです。色の雰囲気も落ち着いていて、絵もそっと眠りに誘うようです。
表紙のエゾリス・みんとちゃん。木の上の可愛らしい家の窓から、外を覗いています。
家の屋根から葉っぱが生えていて、自然と一体化しているようで素敵な雰囲気です。
外はすっかり夜ですね。みんとちゃんのお部屋にはまだ明かりがついています。
表紙をめくると、内側にはお風呂に入り、歯を磨いてくまちゃんのぬいぐるみをとんとんしているような絵が描かれています。みんとちゃんの寝る前の準備・習慣なのでしょうね。みんとちゃん、可愛らしいです。
そして、ポットやカップ、クッキーにも顔が描かれていますが、どれも優しい雰囲気で、ゆったりと感じるイラストです。
みんとちゃんの部屋の中が見渡せるページではいろんなものが眠っていますが、ものや部屋のインテリアがオシャレな雰囲気で、ミントモチーフの椅子やお布団も素敵です。部屋を見渡しても、みんな眠っています。素敵な夢を見ているのでしょうか。起こさないように、みんとちゃんも、この絵本を読んでいるお子さんも、そろそろねんねの時間ですね。そんなふうにそっと声をかけて眠りに誘っていきたいです。最後のページと裏表紙には、お家が眠っている絵が描かれています。明かりも消えていますね。お家の中のみんなが眠って、お家も安心して眠ることができたのかもしれません。
裏表紙の内側では、月も木も眠っています。夜は寝る時間。森も眠ります。ほんわかとしたイラストに包まれて、安心した気持ちになれそうです。
●小さなお子さんの寝かしつけ、寝息に誘われて眠ってしまうことってありませんか?夜、みんなゆったり寝静まっているようすが浮かんできます。お子さんの、可愛い寝顔まであと少し…。お子さんの「ねんねの音」は、どんな音でしょうか。
長男も次男も、年少さんの年くらいから、「ねかしつけ」では寝なくなりました。寝かそう寝かそう、と思うと、ますます寝ないのです。体力もついてきたのでしょうね。休みの日はお昼寝もあまりしなくなって、体を思いっきり動かした日はよく眠っていますが、それ以外の日は私のほうが先に眠ってしまっている状態のように思います。
ですが先日、ちょっと昼間疲れてしまい、私が横になっていると、次男がくっついてきました。枕を半分貸してというので、枕を半分こして横になっていました。寝たふりをしていたわけではありませんが、目を閉じてじっとしていると、いつのまにか次男は眠ってしまっていました。もしかして、私の眠っている表情や、寝息につられて眠ってしまったのかな?と感じました。単純に眠くて仕方がなかったのかもしれませんが、最近の次男にしてはとっても珍しいことでした。
夜はどうしても、寝たふりをして子ども二人を寝かそうと思っても寝たふりどころか私が一瞬で眠ってしまいます。(笑)ですが、この絵本を寝る前に一緒に読んで、みんなねんねしているね、どんなねんねの音かな、と、少しトーンダウンしながら優しく読んでいくと、眠りスイッチが入っていくのかもしれません。ねんねの表情と、ねんねの音につられていくかもしれないと思いました。
お子さんも、毎晩どんな夢を見ているのでしょうか。眠っている顔を見たり、「ねんねの音」に耳を傾けてみたり…。そんなゆったりした夜もいいなと思いました。
- 作品名:ねんねのおとがきこえるよ
- 著者名:きたやまようこ
- 出版社:白泉社