はみがきれっしゃ しゅっぱつしんこう!

絵本専門書店員が子育て体験を交えて絵本の紹介をしています(ユーチューブ)

歯磨きについて楽しく学ぶのにピッタリ!歯磨きが列車になっているのもかわいいです。お口の中へしゅっぱ〜つ!

☆3つのおすすめポイント

  1. 歯ブラシが列車になって、歯磨きを応援してくれます。しゅっしゅっ、と走って、お口の中をピッカピカにしてくれますよ。
  2. 可愛いイラストとたっくんの頑張る様子に、歯磨きに対するイメージが明るく楽しくなりそうです!
  3. 毎日の歯ブラシタイム、どうですか?慣れるまで嫌がったり、大変なこともありますよね。歯ブラシが少しでも楽しくなるヒントが絵本に詰まっています。

☆あらすじ

列車の形をした歯磨きブラシが、歯磨きをしたくないと言っているたっくんに一緒に歯磨きしよう!と誘ってくれます。

歯磨き列車が、お口にいれてよ、と言うと、うん、いいよ、とたっくんは大きくあ~んとしてくれました。

歯磨き列車、出発進行ー!

お口の中では、ほっぺのあかりをつけて明るく照らし、お口の中をしゅっしゅっと磨いていきます。

歯ごとに駅になっていて、まずは前の歯駅に到着!はさまっているものなどきれいに取り除いてくれます。

今度は奥の歯駅。手強いお肉がいましたが、いろんな角度から磨き、取ることができました。

たっくんの歯は、歯磨き列車の顔が映るくらい、つるつるピカピカ!

お口がきれいになったたっくんの笑顔もまたキラキラしています。

歯磨き列車は、お父さん歯ブラシやお母さん歯ブラシがいる駅へ帰っていきました。

☆際立った特徴

歯ブラシの大切さや、磨くことへの苦手意識を明るいイメージに変えてくれるような、楽しいお話です。

歯磨きをする前は歯と歯の間に食べ物がたくさん詰まっていましたが、歯磨きをすると見違えるようにキレイになっていて、歯磨きをすると気持ちがいいよということが伝わってきます。

男の子が歯磨きを嫌がる場面、あ~んと口を開けて歯磨きを頑張る場面では、お子さんも自然と共感でき、絵本の世界に入って楽しめるでしょう。

また、絵本のカバーの裏表紙側の内側に『はみがきれっしゃからのおねがい』が書かれていて、歯磨きのやり方の参考になります。親子で楽しく歯磨きについて学べる絵本です。

はみがきれっしゃ しゅっぱつしんこう! 表紙

☆書店員の感想

●歯ブラシが列車になって、歯磨きを応援してくれます。しゅっしゅっ、と走って、お口の中をピッカピカにしてくれますよ。

美味しいごはんを食べてごちそうさまをしたたっくん。つぎに歯ブラシタイムですが、歯みがき、大嫌い!と、そっぽを向いてしまっています。すると、そんなたっくんのもとに、赤い持ち手の歯ブラシ列車がやってきました。たっくんも驚いていますが、列車の形になった歯ブラシはとてもかわいくて、たっくんも心を許したようです。

列車とたっくんが見つめ合う、それぞれの横顔が可愛らしいです。

正面から見た歯磨き列車。赤いお鼻に、オレンジ色のほっぺが愛らしい表情です。

あ~んと口を開けたたっくんの口の中、歯の間に食べ物がいっぱい詰まっています。この絵を見ると、ご飯のあとの口の中ってこんなに食べ物が詰まっているんだなと実感するいいきっかけになると思いました。子どももビックリかもしれません。

ほっぺの明かりがパチっとつき、口の中を照らしていきます。とっても便利な機能ですね。詰まりや汚れもよく見えていて、どんな詰まりや汚れでも頑張って磨いてくれる歯磨き列車、本当に頼りになります。詰まっていたお肉も、隙間から外れて嬉しそうです。

●可愛いイラストとたっくんの頑張る様子に、歯磨きに対するイメージが少し明るく楽しくなるかもしれません。

歯磨きを嫌がっているたっくん。昔の長男を思い出します。次男は歯ブラシに全く抵抗がなかったのですが、長男はかなり長い間歯みがきを嫌がっていました。食べ物の好き嫌いも多かったので、ちょっと敏感な子どもだったのかもしれませんが、結構苦戦しました。そんな長男と重なる部分もあって、たっくんが愛しくみえてきます。(笑)そして、そのたっくんの救世主、歯ブラシ列車の登場です!最後のページには、お父さんは青色、お母さんは黄緑色、妹のみーちゃんはピンク色のほかの列車の仲間がいます。たっくんの列車は赤色で、列車のお顔と車輪の青色とが組み合わさって可愛らしい歯ブラシ列車です。「お口に入れてよ」と正面から可愛いお顔で頼まれたら、ついついどうぞ、と言ってあげたくなるかんじです。

口の中の食べ物の詰まりたちにも、それぞれ顔が描かれています。歯の間から開放されるとやったー!といった表情でみんな出ていきます。お口もキレイになって嬉しいし、詰まっていたものも取れて嬉しい、といったようすで、楽しい気分になりました。歯と歯の間もしっかり磨いて、キレイにすることが大切だな、という気持ちにさせてくれます。

●毎日の歯ブラシタイム、どうですか?慣れるまで嫌がったり、大変なこともありますよね。歯ブラシが少しでも楽しくなるヒントが絵本に詰まっています。

先にも書きましたが、長男の歯磨きタイムは本当に大変でした。少し大きくなってからは歯磨き粉を2種類用意してみたり、好きなキャラクターの歯ブラシを準備したりして、少しでも楽しく歯磨きできるよう環境づくりから行ってみていましたが、試行錯誤の連続でした。けれど、毎日歯みがきをしないとやはり虫歯の心配もあったため、毎回必死でさせていました。

そのあと、たまたまテレビにもよく放映されている有名なキャラクターの歯磨きについての紙芝居を図書館から借りて、自分で読むようになりました。その時から急に「歯磨きって、しないといけないんだ!」という気持ちが芽生えたようで、割と自分から歯磨きをするようになっていきました。長男が嫌がっていた時期にもしこの絵本と出会っていたら、列車が好きなので、歯磨きが好きという気持ちが芽生えるのが早かったかもしれないなと思いました。

次男は毎日長男の様子を見ているので歯磨きに何ら抵抗はないのですが、たまたま3本色違いのセットになっているレンジャーものの歯ブラシを買ったところ、それを全部洗面所に立てて並べて、毎日どの色にしようか悩んで選んでいます。その選ぶところから次男の楽しい(?)歯磨きタイムが始まっているようで、選ぶという楽しみが待っている歯磨きタイムも、歯磨きがスムーズにできるヒントにもなっているのかもしれないと思いました。

どんなふうに行ったら楽しくなるか、スムーズに進むかはお子さんによって違うと思いますが、絵本を通して「歯磨き列車、出発しまーす!」と言って、楽しい雰囲気をまず作ってあげるのもいいかもしれません。表紙の裏に歯が並んでいる絵が描かれていて、前の歯駅、奥の歯駅なども描いてあるので、これをお子さんと一緒に見て、路線図のように「今はここを走っています」「こちらに向かって出発します」など、話しながら進めるのも楽しいように思いました。

歯磨きタイムが楽しくなるような要素がたくさん詰まっています。大人も子どもも楽しく歯磨きができるきっかけづくりにおすすめの1冊です。

はみがきれっしゃ しゅっぱつしんこう! 裏表紙
にむさん
  • にむさん
  • 現在4年生と年長の男の子、1歳の娘の育児に奮闘中です。
    兄が弟に、さらに最近では弟が妹に絵本の読み聞かせをしてくれるようになりました。子どもたちの姿から学ぶことも多い日々です。
    短大で介護の勉強をし、介護福祉士の資格を持っています。