きらきらもりで まってるよ!

2・3歳の子にピッタリ!電車に乗ってキラキラ森に遊びに行きましょう!クルンのパンも可愛くて食べたくなりますよ♬

☆際立った特徴

  • 野原を走る可愛らしい赤い列車が印象的!
  • 困った人がいたら助け合う心。そして、感謝する気持ちが伝わる。
  • クルンとコロコロの友情を描いている。
  • 優しくて温かさを感じる色彩豊かな絵。居心地(見心地)の良さを感じます。
  • 絵本の大きさは27㎝×21㎝。

☆読み聞かせのポイント

  • 形が様々のパンを沢山作るクルン。「どのパンが食べてみたい?」「どんな思い出があるのかな?」など話し合ってみましょう!ヒントを描いているページもありますよ!
  • お友達が困っていた時にパンをあげたクルンの優しさが素敵だね。君ならどうする?親切にできるかな?
  • コロコロが「そんな君が大好きさ!」と言った意味はどんなことでしょう。そんな君とは、どんな君でしょう。コロコロがその言葉に込めた意味を考えてみましょう。
きらきらもりで まっているよ!表紙

☆あらすじ

野原の真ん中に線路が走っています。通る列車は、一日に、海辺の街から山の向こうの街までの往復2本。

こぐまのクルンは明日、友達のコロコロに会いに行く為に電車に乗ります。楽しみでウキウキしています。

クルンの家はパン屋さんで、明日持って行くお土産にお母さんと色んな形のパンを作ることにしました。スイカに雪だるまと、様々な形のパンは、みなコロコロとの思い出が詰まっています。

次の日の朝、クルンは作ったパンを沢山紙袋に入れて、野原駅へ行き電車に乗りました。

早くコロコロに会いたいな。パン喜んでくれるかな。クルンはそわそわしています。

次の駅で友達のミミコが乗車してきました。美味しい匂いに気がついたミミコに、クルンは花の形のパンをあげました。

次の駅でコンタが乗車してきました。朝ごはんを食べていなかったコンタに帽子の形のパンをあげました。

さくら駅では沢山の子ども達を連れたリス家族が乗車しました。一人のリスが持っていた風船を窓から飛ばしてしまい泣いています。クルンは、リスの子ども達1人1人にパンをあげました。泣いていたリスの子も泣き止み、美味しそうに食べています。

しかし、クルンのパンは残り1つになってしまいました。どうしよう・・・クルンはドキドキしています。

キラキラ森につくと、コロコロが待っていました。元気のないクルンを見てどうしたの?と聞くと、沢山作ったパンが1つになってしまった事を話しました。

コロコロは「そんなクルンが僕は大好きだよ。来てくれてありがとう!嬉しいよ。」と笑い、クルンとコロコロは1つのパンを分け合いっこして食べました。

そんな二人の様子を見ていたお日様も雲もそよ風も、温かく二人に笑いかけ見守っているようです。

あっという間に夕方です。

次はコロコロがクルンの家に遊びいく約束をし、駅で帰りの電車を待っていると、「さっきは美味しいパンをありがとう!」と、朝の電車でパンをあげたみんながお返しを持ってきてくれました。花の冠に、甘い木の実、葉っぱの船のプレゼントです。

野原の真ん中を列車が走っていきます。夕日の中で、赤い列車は、ことん ことんと優しい音をたてて走っていきます。楽しかった思い出を乗せて・・・。

☆書店員の感想

コロコロに会えるのが楽しみなクルンが色んな形のパンを作ります。どんなパンがあるかな?それにはどんな思い出があるのかな?

大好きな友達に明日会いに行くクルンは、お母さんと一緒にパンを焼きました。形は様々で、カメやお花、タコやお日様、雪だるまやスイカなどがあります。どれもクルンにとってコロコロとも思い出の物ばかり。スイカは夏にスイカ割りをした思い出かな?雪だるまは、冬に一緒に作ったのかな?帽子や時計、ミカンなどもあります。どんな楽しい思い出がこのパンには詰まっているのでしょうね。想像すると楽しくなりますよ。

ちなみに実はヒントも、部屋からクルンが赤い列車を眺めているぺージに描かれています。

探して答え合わせも面白いと思います。

赤い列車に乗ったクルン達の姿を、自分も向かい側の席で見守っているような感覚になります。困った子がいたら助けてあげたくなっちゃう性格なのでしょうね。でも表情がだんだん曇っていきます・・・。良い事をしているのになぜでしょう。表情の変化を見てみましょう。

とってもお人よしのクルン。お腹が空いている子や、泣いている子をほっておけないのでしょうね。実はクルンの表情からもそんな性格がにじみ出ているように思います。ぜひクルンの可愛らしく優しそうな表情を絵本の中でもチェックしてみて下さい!実は、作ったパンがだんだん減っていくごとに、そんな可愛らしいクルンの表情が曇っていきます…。でも、みんなにあげた事に後悔をしている訳ではなさそうです。

親友のコロコロにあげるパンが1つになってしまって「どうしよう・・・」と考えているです。本当はもっとコロコロにあげたかった。喜ぶ顔が見たかったし、沢山形にした二人の思い出を、一緒に食べながら「こんな時もあったね」と、話し合いたかったのかもしれませんね。

しかしコロコロは全く気にしていません。「そんな優しいクルンが大好き!」と逆に嬉しさを伝えます。困った子をほっておけない、優しい性格のクルンがコロコロは大好きだし、友達として誇らしい気持ちなのかもしれませんね。

キラキラ森が、そこで遊ぶみんなを優しく包み込み、「遊びに来てくれて嬉しいよ」と笑いかけているように感じさせます。こんな場所でピクニックしたくなりますね!

森ではクルンとコロコロ以外にも列車に乗っていた動物達が各々で遊んでいる様子が描かれます。森がキラキラ輝いて、みんなが遊びに来てくれたことを喜んでいるようにも感じさせるページです。このページを見るだけで、読者も優しい気持ちになるのが不思議なくらい、温かみがあって優しくて、森に癒される気持ちになるページです。

きらきらもりで まっているよ!裏表紙

列車の中でパンをもらったみんなが、森で摘んだ木の実や、花で編んだ首飾りをお返しに持ってきてくれました。驚いた表情のクルンですが、きっととっても嬉しい気持ちになったでしょうね。

クルンはパンをあげたみんなから様々なお返しをもらいます。驚いただろうし、嬉しかったと思います。クルンの優しい気持ちがみんなを笑顔にし、キラキラ森で楽しく1日を過ごすことが出来ました。とっても素敵なラストシーンだと思いました。

夕日に向かって赤い列車が走り出しました。次はコロコロがクルンに会いに行く約束をして別れましたよ。

さあ、次はいつ会うのかな?今日の思い出をパンにするかならどんな形で表現するのかな?そんな想像を楽しむのも面白いですね。

私の想像では、赤い列車の形かな?もしかして、出会った動物達の顔ですかね。

皆さんはどう思いますか?

よっぴー
  • よっぴー
  • 書店員のよっぴーです。2人の男の子と、1人の女の子の母として、毎日育児奮闘中です。
    私は自分の子どもに沢山の愛情を子どもが嫌がる時が来るまで、沢山沢山注ごう。心をもしコップに例えるなら、そのコップが溢れて「もう大丈夫だよ!」となるまで続けようと思っています。それだけは大事にしている信念です。
    絵本を読むのもその一つです。
    大切にしている愛情を伝える方法の1つだと思っています。

    保育士・幼稚園教諭二種・介護福祉士です。
    他に、ベビーシッター・ベビーマッサージ・ベビー’sサインなどの資格も持っています。
    絵本の感想とともに私の育児経験、保育士・幼稚園教諭免許を持つ書店員としてのアドバイスなどをご紹介出来たらと思っています。