はたらくくるま しょうぼうじどうしゃ ウーウー

乗り物大好きな子・当てっこ遊びが好きな子にピッタリ!2歳頃から楽しめます♬

☆際立った特徴

  • 「あてっこのりものえほん」シリーズの1作。
  • はしご消防車のウーウーが主人公。
  • ウーウーが町をパトロールして、困った子をはしごを使って助ける。
  • 困っているのは誰か、シルエットが見えて答える、参加型絵本。
  • 助け合いの気持ちを考えることが出来る。
  • 様々なアクシデントが描かれるので、そんな時はどうしたらいいか、家族のルールを話すきっかけに!

※「あてっこのりものえほんシリーズ」には、他に5冊あります。リビング書店の紹介レビューもありますので、ぜひご参考に☆

※シリーズのどの本にも、作者やまもとしょうぞうさんの作成エピソードが書かれている「絵本のたから箱」の付録つきです。作者の声が聞けるのは、嬉しいポイントですね!

しょうぼうじどうしゃ ウーウー 表紙

☆読み聞かせのポイント

  • 「困っているのは誰かなー?」と読者に語りかけるようなシーンが繰り返されるので、ぜひ絵をよく見て、耳を済ませて、クイズ遊びを楽しみましょう!
  • 本書では、町でよく起こりがちなアクシデントが描かれています。帽子が川の方へ飛ばされた。ジャングルジムから降りられない。など、子どもにはよくある出来事が描かれています。考え方を変えると、その後の行動次第では危険に発展するかもしれない事のように思います。こんな時君ならどうする?どうした方がいいかな?と親子で話をしましょう!そんな話がいざという時、きっとお子さんの役に立ちます!

☆あらすじ

消防自動車のウーウーは、カンカンと音を鳴らしながら、今日も町を見回りに出かけます。

おやおや?ジャングルジムで降りられなくて困っているのは、誰かな?

ネコさんだったんだね。

ウーウーがはしごを伸ばして、ネコちゃんを無事に救助。良かったね。

おやおや?イジワルな風に、帽子を飛ばされちゃったのは、誰かな?

サル君だったんだね。

ウーウーは、はしごを伸ばして、帽子を安全に取るお手伝い。取れて良かったね。

おやおや?可愛い風船が木に絡まっているよ。取れなくて困っているのは、誰かな?

うさぎさん、ウーウーに乗せてもらって風船を取ることが出来たよ。良かったね。

あれあれ?ビルからもくもくと大きな煙と炎。中から助けを呼ぶ声が聞こえるよ。

誰かな?今、助けるからね!

ウーウーのはしごは、高い場所まで伸びてホースから水を出して火事を消すことが出来るよ。

助けを呼んでいたのはイヌ君だったんだね。もう大丈夫だよ!

さあ、火事は消えたけどウーウーの体はすすだらけ。

次の日、みんなが集まってウーウーをピカピカにお掃除♬

ピカピカになって嬉しいね!

ウーウー、いつもどうもありがとう☆

あてっこのりものえほんシリーズ

☆書店員の感想

1・2歳で、乗り物&ストーリー性がある絵本を考えている方におススメです!

はしご消防車のウーウー。頑丈そうな真っ赤なボディーに真っ赤なヘッドライト。背中に長いはしごを背負って走っています。誰か困った人がいたら手助けするし、必ず守るぞ!という使命感もビシビシと伝わってくるような車体です。

そこに可愛らしいクリッとした目と、口角が上がって笑ったような表情をしているのがウーウーです。

2歳頃の子に親しみやすい絵で、小さな子でもストーリーが理解しやすく、参加型になっているのが嬉しいポイントです!

子どもに語りかけながら、クイズ形式で読んであげると楽しいです!

「ジャングルジムで困っているのは、誰かなー?」「帽子が飛ばされて困っているのは、誰かなー?」と読者に語りかけるシーンから、貢をめくると「ネコさん、はいどうぞ。」「サルくん、はいどうぞ。」と、ウーウーが困っている子を助ける様子が描かれます。

困っている子は後ろを向いていたり、横顔の一部が看板で隠れていたりしているのですが、1・2歳頃も子が少し考えたらわかるような難易度のクイズになっているように思います。

「んー?誰だろう?」と一緒に考えたり、「にゃあ にゃあって鳴いているね」など、ヒントを出してあげてもいいですよね!物語に読者も参加することで、きっとより楽しく貢をめくることができますね!

しょうぼうじどうしゃ ウーウー 裏表紙

実は子ども達の生活の中で、よく聞くアルアルな出来事(トラブル)も描かれています。こんな時どうする?とお子さんと一緒に話すキッカケにしましょう!

本書は、ジャングルジムから降りられなくなった。帽子が飛ばされて川に落ちてしまった。風船が飛ばされて木にからまってしまった。など、子ども達のアルアルを描いているのですが、実は裏を返すと、自分一人でどうにかしようとすると大変危険な事ばかりだと思いました。

ストーリーの中では、消防車のウーウーが困った子を安全に助ける内容になっています。

しかし、これが実際に自分に起こったとしたらどうしますか?子ども達だったらどうするでしょうか?

私は家庭で話をするのにピッタリな1冊だと私は思いました。

我が家では、小学生になるまでは子どもだけで公園へ行かない。外出もしない。川へ近づかない。もし何かが飛ばされて川に落ちても絶対に拾わない。困ったら自分でどうにかするのではなく、親や周りの大人に相談するなどのルールがあります。

このような家庭内でのルールを考えたり、教えたりするチャンスの1冊です。

参考文献)KUMONがうた・読み聞かせを応援【ミーテ】

●山本省三さん インタビュー 「一対一の読み聞かせは読み手を独占できる幸せな時間」

●市原淳さん インタビュー「絵の力でワクワクさせたい 楽しむことが作品を生み出す力に」

よっぴー
  • よっぴー
  • 書店員のよっぴーです。2人の男の子と、1人の女の子の母として、毎日育児奮闘中です。
    私は自分の子どもに沢山の愛情を子どもが嫌がる時が来るまで、沢山沢山注ごう。心をもしコップに例えるなら、そのコップが溢れて「もう大丈夫だよ!」となるまで続けようと思っています。それだけは大事にしている信念です。
    絵本を読むのもその一つです。
    大切にしている愛情を伝える方法の1つだと思っています。

    保育士・幼稚園教諭二種・介護福祉士です。
    他に、ベビーシッター・ベビーマッサージ・ベビー’sサインなどの資格も持っています。
    絵本の感想とともに私の育児経験、保育士・幼稚園教諭免許を持つ書店員としてのアドバイスなどをご紹介出来たらと思っています。