フルーツケーキいただきます
お母さんが作る料理に興味を持った頃から、自分でケーキ作りにチャレンジしたい子までピッタリ!きっとフルーツケーキが作りたくなるよ!
☆3つのおすすめポイント
- 材料から、クリームとスポンジと果物を重ねる作業まで、細かくレシピにそって段取りが描かれています。まるでケーキ作りを体験しているような、体験型の絵本です。
- ページをめくると、どんどんケーキの層が見えてきて、最後には4段のフルーツケーキが出来ました。それを1人分切り分けるしかけが、今までにない新感覚の仕掛けがありました!!
- 「もう少しお兄さん・お姉さんになったら、お料理させてあげたいな。一緒にお料理してみたいな」と思っている保護者や、お料理に興味を持っている子に特にオススメ本です。
☆あらすじ
手を洗った?材料はそろった?お腹はぺこぺこ??
さあ、始めましょう!まずは材料をそろえておきましょう!泡だけ器などの道具もだしておこうね。
スポンジ・いちご・キウイ・クリーム・ミカン・バナナ・ミントは、一つずつはさみやすいようにカットしておこう。
さあまずはクリームをスポンジにたっぷりと塗って、イチゴをポンポンポンッ!と乗せましょう。スポンジを重ねてクリームをぬーりぬりと全面に塗って、今度はみかんとキウイを重ならないようにバラバラに乗せましょう。さらにスポンジを重ねて、この段には丸くカットしたバナナをポンポンポンッ!!最後にもう一枚スポンジを重ねてクリームぬーりぬり。それから、残ったフルーツを素敵に飾り付けて、出来上がり!! これなーんだ?
「フルーツケーキ!」の完成!!
ケーキをお皿に分けましょう!お茶も入れますね。さあ、みんな出来ましたよー! お友達が6人集まっています。エプロンをしたコック帽の女の子が号令をかけて、 「いただきまーす!」
ひときれ残ってるね。残りは全部、私の分♬
☆際立った特徴
「じゅんびはいい? てはあらった? ざいりょうはそろった? おなかはぺこぺこ?じゃあ、はじめましょ! すてきなおやつを つくりましょ!」
本書のカバーに書かれている言葉です。表紙を開いたときから、おやつ作りは始まっていますよ。
絵本をひらいて、ページをめくって、めくって、めくっていくと…スポンジとクリームとフルーツがどんどん重なっていき、それに伴って層を重ねるごとに、だんだんページが小さくなっていく不思議な構造。材料を全部重ねたら、フルーツケーキの出来上がり。本書を反時計回りに90度動かすと、あら不思議、フルーツケーキが立体的に見えるのですが、その出来栄えにきっとあなたも驚く事でしょう!そして、お皿に切り分けるのですが、このページがさらに面白い!先ほど作ったケーキの上にケーキ型にくりぬかれたページを重ねるのですが、そうするとキレイにカットされたケーキが現れます。まさに、【新感覚しかけ絵本】だと思いました。
そして、料理好き・おやつ作り好きにはもちろん、まだお料理したことがない小さい子でも、ウキウキワクワクしながら、絵本でお料理をおままごと感覚で体験できちゃう体験型絵本です。
☆書店員の感想
本書は、絵で描いたケーキ作りの本のようだなと感じました。最初に「手は洗ったかな?」「材料はそろったかな?」から始まるのですが、そこはまだ、実は本編に入っていません。まずは準備をしっかり整えてから、本編に入ります。そして【フルーツケーキいただきます】と題名を読んだところで、お料理を開始するのです。
さて、まずは準備するものです。見開き1ページに全ての材料が図解してあります。スポンジは4枚にスライスして、いちごやキウイ・みかん・バナナはカットする大きさも描いています。準備する道具も一緒に載っています。このページを見ながら準備すれば、読者も同じケーキが作れるということです。
まずはスポンジにクリームをたっぷりと塗ります。ふっわふわなクリームを塗り終わったら、貢をめくります。今のスポンジよりもやや小さなサイズのページになっています。そこにはクリームの上にいちごがたっぷりと乗っています。また貢をめくってクリームを塗り、貢をめくってキウイとみかんを乗せ・・・と繰り返します。スポンジが4段重なったら一番上の段にはさらに生クリームたっぷりと、残ったフルーツを乗せて、出来上がりです。この出来上がりシーンは、実は、本書を反時計回りに90度動かすと、あら不思議、フルーツケーキが立体的に見えるのです。「なるほどねー!!!」と本当に驚きました。ぜひ、本書を開いて見てほしいです。そして、もし同じケーキを作りたい方は、この通りにデコレーションをすれば、同じケーキが作れちゃいます!!
小さなお子さんであれば、この本を見ながら、おままごと気分でケーキ作りを体験しているような感覚になると思います。「もう少しお兄さん・お姉さんになったら、させてあげたいな。一緒にお料理してみたいな」と思っている保護者の方もオススメです。
そして、最後はお友達みんなで分け合いっこして食べるのですが、なんと1カット分のケーキが残っています。「のこりは ぜんぶ わたしのぶん」とお話は終わっていくのですが、私というのは、読者の”私”。絵本の中のお友達が「あなたも一緒に食べようよ!」と誘ってくれているみたいですね。
- 作品名:はじめてえほん・5 フルーツケーキ いただきます
- 著者名:岡村志満子
- 出版社:ポプラ社